マリーンズ戦記2026 10月3日 ホークス戦(ZOZOマリンスタジアム) 引退をする唐川に劇的勝利の花道。サブロー監督「こういう勝ち方ができたのは良かった。次につながる」
試合後、インタビューボード前に姿を現したサブロー監督は紅潮した表情で「素晴らしい」と絶賛をした。これで山口は千葉移転後、マリーンズでは最多本塁打(04年 ベニー・アグバヤニー)に並んだ。これについては「並んだではなくて、越してほしい。単独トップになって欲しいですね」と背中を押す。上田については「節目にホームランを打てたのはなにかもっている」と褒めた。
花道を飾る唐川のピッチングプランは本人に委ねた。「5イニング投げろと言ったのですけど、1人でと」と笑いながら明かした。その後は同じ年で親友である益田直也投手につなげるプランを温めた。マウンドにも指揮官自ら向かうことも決めた。
「同じ年。唐川から益田に繋ぐイメージのプランをずっと考えていた。ちょっとでも来てくださったお客さんにいいものを見せて上げたいなあと。いろいろと考えていた。そしてよく考えたらマウンドに上がった2人、現役時代のボクに怒られて泣かされた2人なんですよ。そういう思い出がある。そういう思い出がある最後の選手たち」と説明し、懐かしそうに遠い目をした。そんな思い出の多い2人だからこそ繋ぐ役割として自らマウンドに向かった。唐川からボールを受け取り、益田に渡した。指揮官の粋な演出だった。
ゲームは唐川の魂を受け取り、継投で最小失点にしのいでいった。5番手にはルーキーの富士隼斗投手もデビュー。強力ホークスのクリーンアップを3者凡退に仕留めた。ベンチで見届けた指揮官は「出来たら最初は楽な場面でとは思っていたけど、まあどうせいくなら、ええバッターに行ったほうがいいやろうということで、いかせたら、しっかりと抑えてくれた。さすが。いいピッチャーなのは分かっていた。先発でもと思っている。どちらかというとデビューするのが遅すぎた。まあその分、来年にぶつけてほしい」と目を細めた。
登板後の唐川には「横に座れ」と指揮官は隣の席をあけた。試合中だったが唐川が恐縮するほど話しかけ、いろいろな会話を交わした。試合後の引退セレモニーでは「胸に飛び込んできてもええで」と唐川に伝えると、熱い抱擁を交わした。ずっと厳しく接してきた。「オマエがもっとしっかりしないとダメなんだ」と厳しく言い続けてきた。「チームを引っ張れ」と期待をこめてきた。その叱咤の数々に目の前で唐川が涙したことは何度もあった。その選手が現役19年を終えて引退する。しかも盛大なセレモニーが催され、多くのファンに惜しまれながらユニホームを脱ぐ。特別な思いが胸を去来した。何度も星一つ見えないはずの夜空を見上げる姿があった。
「勝ててよかった。まあ、本当は昨日も勝てたら良かったのだけどね。ただ横山も昨日の失敗をすぐに取り返してくれた。それは次につながる。相手ピッチャーも良かった中で、こういう勝ち方ができたのは良かった。次につながる」とサブロー監督は前を向いて何度も頷いた。
若い力が台頭し2026チャンピオンのホークスとの今季最終戦を劇的な勝利で終えた。ただの1勝ではない。価値ある1勝。明日へと繋がる1勝。マリーンズの底知れぬ可能性を感じる1勝だ。今年限りで引退をする角中も唐川も後輩たちの背中を頼もしそうに見つめていた。
千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原 紀章
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