成長し続ける小さなクラブ。エイバル、最新鋭のトレーニング施設が完成

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エイバルが2014年にラリーガ EA SPORTS 初昇格を果たした際、その快挙はおとぎ話のようなストーリーとして世界中で大きなニュースとなった。人口わずか2万7千人の町を本拠地とするこのチームは、トップリーグで戦うにあたって新株発行による資金調達が必要なほど小さなクラブだったが、その後すぐに60カ国以上に約1万人もの株主を抱えるほどに急成長した。

エイバルは2013/14シーズンのラリーガ HYPERMOTION で初優勝し、ラリーガ EA SPORTS 初昇格を果たした 【(C)LaLiga】

それから12年が経過した現在、クラブは2部リーグのラリーガ HYPERMOTION で戦いながらも3000万ユーロを投じた最新鋭のトレーニング施設の完成にこぎつけた。それは着実かつサステナブルな成長の道のりだった。

トップリーグで過ごした黄金期
エイバルはラリーガ EA SPORTS への昇格と同時に、スペインフットボールのトップリーグ所属する史上最小規模のクラブとなった。突如としてレアル・マドリー、バルセロナといった世界的強豪チームを迎えることになった本拠地イプルアは、当時まだ5千人強の収容力しかなく、隣接するマンションのベランダからピッチが見えるようなスタジアムだった。

日本では乾貴士が活躍したクラブとして広く知れ渡った 【(C)LaLiga】

そんなクラブが初昇格から7年にも渡ってトップリーグにとどまり続けたことは、歴史的快挙と言うべきだろう。1年目の2014/15シーズンは18位に終わったものの、エルチェが強制降格となったことで降格を回避。2年目以降はホセ・ルイス・メンディリバル監督の下で競争力のあるチームに成長し、2017/18シーズンには史上最高順位となる9位に入った。昇格当初、「本来の居場所は3部リーグ」と役員たちすら自認していたクラブが、並いる強豪を上回りトップ10入りを果たしたのである。

メンディリバル監督はラリーガ EA SPORTS 時代のエイバルを長く支えた功労者だ 【(C)LaLiga】

だが新型コロナウイルスが蔓延した2020/21シーズンは、エイバルにとって悪夢のようなシーズンとなる。熱心なファンのスタンドからの後押しを失ったチームはピッチ上で苦戦を強いられ、最終的に最下位となりラリーガ HYPERMOTION へ降格。この時、さらに下のカテゴリーまで転落し続けることを懸念する声もあったが、現実は違った。

長期的視野に立った堅実なクラブ経営
トップリーグで過ごした7年間、エイバルは未来を見据えることを忘れることなく、記録的な収益を上げた黄金期を有効に活用した。クラブはピッチ上での競争力を維持しつつ、わずか数年前の運営予算をはるかに上回る規模の資金を扱っていることを十分に認識した上で、慎重にリソースを管理した。

インフラ整備への投資も欠かさず、イプルアの大規模改修に加え、11ヘクタールに及ぶ最先端のトレーニング施設「アレイティオ」も建設した。この施設は今年9月にオープンしたばかり。男子、女子、下部組織も含めた各チームの日々の活動を世界水準の総合施設に集約するというプロジェクトは、クラブにとって大きな節目となった。

9月にオープンしたトレーニング施設「アレイティオ」 【© SD Eibar】

アマイア・ゴロスティサ現会長が就任したのは2016年。以降の10年間、エイバルは着実かつサステナブルな成長の道のりを歩んできた。彼女の堅実な計画性により、クラブはラリーガ HYPERMOTION への降格後も停滞することなく発展し続けている。

チームはピッチ上での競争力を維持し、降格初年度から3シーズン連続で昇格プレーオフに進出。以降も一桁順位を保ってきた。並行してゴロスティサは有能な専門家たちをプロジェクトに招き入れ、ピッチ外でのクラブのプロ化も促進。彼女の指揮下、エイバルでは多くの女性が重要な役割を担い、一時は幹部職の53%を女性が占めるに至った。これはクラブが誇りとしていることであり、以前ゴロスティサはエル・ムンド紙のインタビューで次のように語っている。

「私たちは確実に、後に続く女性たちの道を切り開いている。そう考えています」

2016年に就任したゴロスティサ会長は、地元エイバル出身の実業家だ 【(C)LaLiga】

2026年はわずか6敗
ピッチ上でもチームは着実に進歩している。昨季はラスト15試合で10勝を挙げ、昇格プレーオフ進出まであと一歩に迫った。その成果が評価され、オフにはベニャット・サンホセ前監督がラージョ・バジェカーノに引き抜かれてしまったものの、今季もチームは上々のスタートを切っている。

常に明確なプランを描いているエイバルは今夏、長年に渡ってユースカテゴリーの指導に携わってきたジョキン・アランバリを後任に抜擢。新監督は昨シーズンの勢いを維持することに成功し、第7節終了時点で6勝1敗の2位につけている。

2026年1月以降、エイバルはわずか6敗しか喫していない。このクラブには、今後さらに多くの歴史を綴っていくページが残されているはずだ。

アランバリ監督は昨季までビルバオ・アトレティック(アトレティック・クルブのBチーム)の監督を務めていた。ラリーガ HYPERMOTION での指導は初挑戦となる 【(C)LaLiga】

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