山下美夢有 プレーオフを制して公式競技3冠達成
まさに“看板に偽りなし”のプレーだった。JLPGAツアー通算13勝、AIG女子オープンを含む海外ツアー通算4勝、JLPGAツアーの年間女王2度という実績を誇る山下美夢有。今季も米女子ツアーでポイントランキング3位、ロレックス ランキング6位と日本勢トップを走るが、今大会でも最終日にその真価を示した。
首位と2打差の4位タイでスタートした山下は、前半でスコアを2つ伸ばして首位に並ぶ。後半に入り、15番のボギーで首位から一歩後退したものの、16番パー5でこの日5つ目のバーディーを奪い、通算9アンダーでホールアウト。クラブハウスリーダーとして最終組のホールアウトを待った。上がり3ホールを1アンダーでまとめたが、その中身は非常に濃いものだった。
16番ではラフからの第2打をフェアウェイに刻み、残り100ヤードを48度のウェッジで手前30センチにつける精度の高いショットを見せた。18番でも深いラフから無理をせずに2オンを諦め、フェアウェイに刻む。88ヤードから52度のウェッジで放った第3打はピン右手前1メートルへ。それを沈めてパーセーブした。「最後まで何があるか分からない中、最後のパーパットは大きかったと思います」と山下。ラフにつかまっても割り切って、自分の得意な距離を残して打つことを心がけていたことが功を奏した。
プレーオフ1ホール目は18番。正規のラウンドではティーショットを曲げたが、今度はしっかりとフェアウェイをキープした。あえて打ち方を変えず、気持ちをフェアウェイに集中させた。一方の吉澤は右のラフにつかまる。「山下さんがフェアウェイをとらえていたので、絶対にパーを取らなければいけない状況で、ラフの状態を正確に把握し切れませんでした」と振り返った吉澤は、第2打をバンカーに入れ、第3打はグリーン奥のカラーへ。カラーからの第4打を沈め切れずにボールをマークした。
先にパーオンに成功した山下が2パットでパーセーブし、初の日本タイトルを手にした。「公式競技は特別な試合なので、気合いが入ります。アメリカを主戦場にしていますが、こうして帰ってきて、公式競技で優勝できたことをうれしく思います」。ワールドレディスサロンパスカップ、JLPGAツアー選手権リコー杯(2回)に続く、価値ある3つ目の公式戦タイトルを手にした。4つある公式競技すべてを制した選手は過去にいない。残るは、日本女子オープンのみとなり、前人未到の偉業へ向けた挑戦は続いていく。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ