「仲間のために、自分にできることを」東北学院大・武藤主将、新チーム初戦をコールド白星で飾り語った覚悟と誓い
春季リーグ王者・東北学院大学は、初戦の福島大学戦を7-0の7回コールドで制し、新チーム最初の公式戦を白星で飾った。
新チームが発足してから、まだ2週間。試合後、グラウンドで話を聞いた武藤就貴主将(3年=仙台城南)は、頼もしい表情で言葉を紡いでいた。
仲間のために、自分にできることを
「試合に出る機会がなかなかなくて、ベンチでずっとチームを見てきたんです。その中で、試合に出られない選手をどうやったらまとめていけるか、そして試合に出ている選手が気持ちよくプレーできるようにサポートしたい、という思いがありました」
試合に出る側ではなく、ベンチからチームを見続けてきたからこそ、見えてきたものがある。
試合に出られない悔しさ。
それでもチームのために声を出し続ける仲間の姿。
その両方を知っているからこそ、武藤は「自分にできること」でチームを支えようとした。
そして、もうひとつ。武藤には、ずっと追いかけてきた背中があった。
「一番大きかったのは、まれさんの背中を見てきたことです。同じショートというポジションで、ああいうキャプテンになりたいって思ったのが一番の理由でした」
野球に真摯に向き合い、時に厳しく、時に優しくチームを引っ張ってきた米倉希胤(まれつぐ)前々主将。その背中が、武藤の心に火をつけた。
不安を抱えながら、それでも手を挙げた
主将に立候補した当時を振り返り、武藤はそう語った。
「自分は試合にあまり出ていなかった。そんな自分がキャプテンとして言葉を発して、みんなが聞いてくれるのかなって。説得力があるのかな、っていうのが、正直一番の不安でした」
それでも、手を挙げた。
「試合での活躍とは違う面で、自分にできるチームへの貢献の仕方でやっていきたい」
その覚悟を胸に、主将としての一歩を踏み出した。
主将になってから、自身の中で変わったことを聞くと、答えはシンプルだった。
「自分のことだけ考えてはダメだと思うようになりました。常にチームのことを考えないといけない。それが一番変わったことです」
自分のためだけではなく、チームのために。
その意識こそが、武藤の新たな原動力になっている。
選手宣誓に込めた、東北への思い
「東北の準硬式をもっと盛り上げていけるように、という思いを込めて宣誓しました」
その言葉には、東北学院大学の主将としてだけではなく、東北の準硬式野球を盛り上げていく一人としての思いが込められていた。
さらに、来年の全日本選手権は宮城県で開催される。東北学院大学にとっては、地元・宮城で全国の舞台に挑むチャンスでもある。
「琳空さんの代が16年ぶりにベスト8を成し遂げてくれた。その結果を追い越せるように。プレッシャーはもちろんあります。でも、やってやるぞという気持ちも燃えています」
プレッシャーと闘志。その両方を隠すことなく語る言葉から、主将としての覚悟がにじむ。
大好きな仲間たちと、全員野球で全勝優勝を
「大好きな仲間たちと全勝して優勝したい。学年問わず、全員野球で戦っていきたいです」
主将としての言葉であると同時に、一人のチームメイトとしての素直な思いだった。
保護者やOB、そして日頃から応援してくれる人たちへのメッセージを求めると、武藤は真っ直ぐな目でこう答えた。
「応援してくれている方々がいるということへの感謝を忘れず、全員でプレーして、全勝優勝という形で恩返しができたらいいなと思います」
新チーム発足から、わずか2週間あまり。
その最初の公式戦で、東北学院大学は7回コールドという形で白星をつかんだ。
「仲間のために、自分にできることを」。
その思いを胸に、武藤就貴主将と東北学院大学の秋が始まった。
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