エキサイティングで行こう!2026-27クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、始動!!
新しいシーズンが、はじまるよー!
2025-26シーズンプレーオフトーナメント、2位…。
……悔しいですっ!!
こうして、2シーズン続けて「日本一悔しい経験」をしてきたクボタスピアーズ船橋・東京ベイ。
しかし、結果は出た瞬間に過去のものとなる。
忘れてないけど、引きずってはいない。
未だ成長の余地ありとポジティブに翻訳し、上を目指すだけのこと!
と言うわけで。
2026-27シーズンのクボタスピアーズは8月17日に始動したのだが、初日はミーティングに多くの時間を割いたとのことで、メディアに練習が公開されたのは始動2日目の8月18日となった。
先にグラウンドに出てきたのはリーグトップクラスの戦力を誇るフォワード陣。
和気あいあいとした雰囲気の中、各々じっくりと楽しみながらウォーミングアップ。
屈強極まりない男たちが野太い笑い声をグラウンドに響かせわちゃわちゃしている姿は
「ギャップ萌え」の資料映像として今すぐ使えるレベルの微笑ましさであった。
しかし。残念ながらホンワカムードはここまで。
フォワード陣に課されたのは、THE 基本。つまり「スクラム」である。
山村コーチのかけ声で始まる1on1のスクラム。向き合ってお互いの肩に首を入れ合ってガチっと形成された背中のラインはため息が出るほど真っ直ぐで美しい。
…くっ!
んーっ!!
漏れ聞こえてくるリアルなうめき声。視線の先に青い空は広がらず緑の芝生が迫る。
ド派手なトレーニングシャツを身にまとい、果てしなく地道なトレーニングセッションが描くコントラスト。広いグラウンドの片隅で静かに繰り広げられるハードコア。
その濃度と強度と迫力に圧倒されるばかり。ラグビーという格闘技がそこにあった。
各々自分の体の調子を確認するかのようにラン、キック、パスを繰り返す。
グラウンドを広く使ったゲーム形式のトレーニングではリラックスした雰囲気の中、遊び心あふれたパスやチャレンジングなキック、大胆なランが数多く披露された。
実質初日とは言え、さすがのキレ味。ラグビーという球技がそこにあった。
…にしても、である。
同じラグビーというスポーツでありながら、ボールを使わないフォワードとボールを使うバックス。ポジションによってここまで練習内容が異なるスポーツもなかなかない。それでいて、いざ試合になると見事なマリアージュを見せるのだから本当に面白い。
今シーズンは試合前のウォーミングアップからしっかり見ようと思った次第。
きっとそこには新しい発見があると思います!
練習後にはフランHCと新入団選手・スタッフ記者会見が
「とても良いスタートが切れました!過去4シーズンで3度のプレーオフ決勝進出という成績はこれまでのチームの取り組みを証明してくれていると思います。昨シーズンは攻撃面、ディフェンス面でリーグ2位という数字でしたが、もっと上を狙っていく必要があるでしょう。長年在籍した選手たちが積み重ねてきてくれたものを継続しながら、若い選手たちがどれだけエキサイティングなプレーをチョイスできるかにかかっていると思います。ディフェンスコーチのスコット・マクラウドが抜けた部分をどうケアするかという課題はありますが、コーチ陣は自らのタスクを理解しているので心配してはいません。これまでチームで築き上げてきた土台が8割。そこに新加入の2人のコーチが新しい2割を積み重ねてくれると思います。選手たちに目を向けると、現在、日本代表の活動に参加している選手たちは"超速ラグビー"を経験していますし、NPC (ニュージーランド州代表選手権)に参加している若手たちはタフなレベル、タフな環境の中、得難い経験をして大きく成長して帰ってきくれると思います。彼らが合流したとき、多くのものをチームに還元してくれることでしょう」
35歳という若さながら、前U 20ニュージーランド代表コーチという経歴を持つジェームス・レンチースコーチ。
「チームに来て間もないのですが、昨シーズンのプレーオフトーナメント決勝や、過去5年ほどの成績を見ても強いチームであることはわかります。また、選手たちを見ても初日から明らかにフィットしているので、これから良い準備をして開幕を迎えられたらと思います。チームには前任のマクラウドコーチから引き継がれているものがあって、すでにうまく機能している部分があります。仲間への“ケア”があるディフェンスはできあがっているので、ここにディフェンスコーチとして私の新しい色を追加できるか、ということになると思います。
私の強みは若さ。現役からそう離れていないので、そのイメージを持って選手たちに伝えていけると思います。時にはベテラン選手たちからもアドバイスをもらいながら、チームを成長させていきたいと思います」
そして、現役時代にはクボタスピアーズで4シーズンプレーし、立川選手と一緒にプレーしていた“帰ってきた男”セイララ・マプスアコーチ。指導者としてはサモア代表HCとして2023ワールドカップに参加した経験を有する。
「ミナサンコンニチワ!今のクボタスピアーズは、私が在籍していた当時と比べると、パフォーマンスのレベルが大きく上がっていて、とても喜ばしく思っています。そんな中でも、チームを想う気持ち、仲間を想う気持ち、クボタという会社への感謝、スタッフへの敬意といった"クボタスピアーズの文化"は変わっていなくて、その中でまた一緒にやっていけることを嬉しく思います。
コーチとしてはチーム全体のスキルを底上げしたいと思っていますが、まずは選手たちとしっかりとコネクトしたいですね。そうすることで選手たちの助けになることがたくさんあると思うので。良い選手を育てるのはもちろんですが、選手たちを人間としても成長させたいと思っています」
ヴァンスターダン選手の23歳もフレッシュなんだが、トゥルー選手に至っては20歳と更にフレッシュ!プロレスラーのような雰囲気のヴァンスターダン選手はハキハキとした語り口から溢れる意欲を感じさせ、トゥルー選手は13人制の「リーグラグビー」出身で、身長2mオーバーながら抜群の走力を武器にバックスで活躍していたという選手だ。
「オーストラリア・ブリスベン出身のベイリー・トゥルーです。“トゥルリー”と呼ばれていました。日本に来ることができて光栄です。13人制のナショナルラグビーリーグのブロンコスやラビットーズでプレーしていて、今年から15人制のラグビーに転向しました。バックスをやっていたので強みはランとスピードですが、身長も高いので、コンテストキックなどの空中戦ではチームに貢献できると思います。日本では新しいポジションにチャレンジしていますが、そこからステップアップして良い選手になりたいと思っています。
チームにはタイトルを獲るという目標があると思いますが、私自身はそのような環境の中でどれだけラグビーを楽しめるかが大切だと思っていて、送り出してくれた家族のため頑張るというのも私の強いモチベーションになっています。
練習はとてもハードですが、タイトルを狙うのであればそうあるべきだと思っていますし、その中で自分自身がどれだけ頑張れるかが大切になってくるでしょう。選手として人間として成長するためには居心地の良い場所から抜け出し、早い段階でワールドクラスの選手たちと一緒にプレーできることや、コーチングを受ける必要があると考えていました。その環境が整っているクボタスピアーズでプレーする機会をいただけたことをとても嬉しく思います。
日本での生活は、到着して初めて自分のアパートに案内されたときに靴を脱ぐことを知らずにそのまま部屋に上がってしまったりしていました(笑)。今はそういう文化の違いを教えてもらいながら新しい生活に慣れようとしているところです」
「キーラン・ヴァンスターダンです。愛称はキーランの短縮で“キーザ”とか“ケザ”と呼ばれていました。生まれはインドネシアで、南アフリカでの生活を経て、2016年にニュージーランドに引越しました。ハミルトンボーイズ高出身でチーフスアカデミー在籍時にU18NZ代表に選出されました。NPC (ニュージーランド州代表選手権)では年間最優秀選手にも選ばれ、その後、チーフスでプレーしていたタイミングで、日本でプレーするチャンスがあるという話をいただきました。実は高校卒業後に日本の大学でプレーするプランもあって、それ以来、常に日本でプレーすることは頭の中にありました。日本は美しい国で、素晴らしい人たちがたくさんいることは知っていたので、今回クボタスピアーズからこのお話をいただいたとき、これはもう行くしかないと思いました。
目標はチームの優勝です。私の周りの人たちやクボタという会社、ファンの方たちのためにも頑張りたいですけれども、個人的にはワールドクラスのコーチや選手たちから学べることを楽しみにしています。日本のラグビーはニュージーランドのラグビーとは違ってスピーディーで展開も多彩なのですが、私はいろんなプレーにたくさん動いて関わることが好きなので自分に合っていると思っています。体の強さを武器にしているので、それを活かしてチームに貢献したいです。コーチ陣からはきめ細かい指導を受けていて、低く下から突き上げる日本のスクラムはニュージーランドとは真逆のスタイルなのですが、これを身につけることで、より高いレベルの選手にステップアップしていくことにつながると思います。
グラウンド以外の生活面では、サポートしてくれるスタッフや会社・チームとしてバックアップしてくれる姿勢に”家族”のような心強さを感じました。実は、すでにトイレの入口で10回くらい頭をぶつけていて、今は日本のサイズ感に体の動きを合わせようとしているところです。あと一つ言いたいのは、日本のコンビニのおにぎりは素晴らしいということです(笑)」
頑張れトゥルリー! 頑張れケザ!
新しいシーズンの始まりに
正直に言えば、その寂しさと心細さはある。
しかし、多くの関係者が口にするのは「若手が育ってきている」という言葉だ。
その言葉の通り、やってやるぞと自らに期待し突き上げを図る若手。
それを「はいそうですか」と簡単に譲る気は全くない中堅。
そして、俺たちを忘れたわけではないだろう?と腕撫すベテラン。
これだけでもすでに面白い今季のスピアーズ。
フランHCが良く口にする「エキサイティング」という言葉は、それだけでも十分に意味が伝わる言葉なのだが、あえて訳すと「ワクワクする」という日本語になる。
それを踏まえて、今シーズンのスピアーズはどうだろう?
最高にワクワクするチームじゃないか!?
さぁ、新しいシーズンが始まった。
エキサイティングにいこう!
写真:チームフォトグラファー 福島宏治
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