【週刊グランドスラム369】『がんばろう! 熊本』を胸に東京ドームへ乗り込むHonda熊本のルーキー・トリオ
まずは、長打力が魅力の松永知大。専修大3年秋に打率.347をマークして首位打者に輝き、外野手と指名打者で計3回のベストナインを獲得した。8月7日に行なわれた全日本ジュニア強化合宿の打撃測定では、他の選手が動きを止めて見入るほど。大きな放物線を描いて外野フェンスを越える打球には、感嘆の声が聞かれた。
「4月の練習でフルスイングをして、右脇腹を痛めてしまいました。身体がスイングについていかなかったみたいで……。その影響もあってシーズン序盤は出遅れましたが、もう大丈夫です。普段の打撃練習では、稲垣翔太さんや山本卓弥さん、古寺宏輝さんらの鋭い打球に驚かされます。でも、ロングティーの飛距離は負けていません。東京ドームでも、しっかり発揮できるように練習しています」
左打ちの外野手はライバルが多いが、指名打者での出番も狙ってバットを振り続ける。
平井宏幸は、上武大で捕手として大学選手権に出場した。社会人では内野手登録となり、主に一塁手としてプレー。選球眼がよく、つなぎ役としての期待値が高い。都市対抗九州二次予選では、3試合に出場するも1安打に終わり、「緊張もありましたが、力不足を実感しました」と振り返る。持ち前のミート力に磨きをかけ、本大会ではしっかりと戦力になるつもりだ。
「キャプテンの片山(雄貴)さんを中心に、『日本一になるために』と東京ドームを想定した練習をしているところです。たくさんのお客さんの前でプレーするのは楽しみ」と笑みをこぼす。
「新人に正林輝大ら2年目の選手も含め、若手の調子がいい。これまでチームを牽引してきたベテラン陣もうかうかしていられない状況ですよ」と、渡辺正健監督は言う。オープン戦では新たな打順を組み、これまで以上の強力打線が完成しつつあるというから面白い。
3人揃って全日本ジュニア強化合宿とU-23日本代表選考合宿に
「まずは状態を戻すことが最優先ですが、以前の真っ直ぐではなく、より上のレベルを目指しています。ウエイト・トレーニングで下半身を鍛え、コントロールも磨いているところ。実戦登板で手応えは感じています」
その表情からは自信が伺える。登板機会が楽しみだ。
Honda熊本は、7月28日に最大震度7を観測した地震により、広島大会の決勝を辞退して帰熊し、8月1日から全体練習を再開した。九州地区連盟の加盟チームは、今年の公式戦で『がんばろう! 熊本』のステッカーをヘルメットに貼付して戦う。松永は力強く言う。
「熊本を勇気づけるという新たな目標もできました」
揃って全日本ジュニア強化合宿とU-23日本代表選考合宿に招集されたルーキー・トリオは、日本一を目指すチームにいい刺激を与えている。都市対抗一回戦は、8月31日第2試合で東京都・鷺宮製作所と対戦する。それぞれの持ち味を存分に発揮して、黒獅子旗まで駆け上がってほしい。
取材・文=古江美奈子
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