【オリックス】笑顔なし、白一色で引き出した新たな魅力 オリ姫デービジュアル制作の舞台裏
◆原点回帰
オリメン投票で上位に選ばれた選手による撮り下ろしビジュアルは、2019年から毎年続いてきた。カフェ、アウトドア、アイドル、ミュージシャン、そして昨年の架空のセレクトショップ「MAISON ORIHIME」。色彩豊かな衣装や小道具で、ユニフォーム姿とは異なる一面を発信してきた。
「オリ姫デービジュアルでお見せしたいのは、選手たちの新たな魅力。毎年さまざまなテーマで撮影する中で、飾らないありのままの姿でもその魅力を十二分に伝えられるのではないかと思うようになりました」
選手そのものを主役に据えるなら、衣装が前面に出すぎてはいけない。そこで選んだのが白だった。特定のイメージを与えにくく、身に着ける人によって印象も変わる。
「余計なものを削ぎ落とし、白一色でビジュアルを統一すれば、これまで以上にインパクトのあるビジュアルになるはず」。思い切った決断に至った。
◆白って200色あんねん
「白なら衣装も探しやすいと思っていました」。担当したデザイナーは苦笑しながら、でも、と続ける。「ネットでこれだと思った服を見つけても、届いて確認すると色味が全然違うんです。思ったより黄味がかっていたり、グレーっぽく見えたり。想像以上に難しかったです」
白は、わずかな色味の違いで大きく印象が変わる。日焼けした肌か色白かによっても選手に似合う白は変わる。
「白って200色あんねん」。デザイナーはいたずらっぽく笑う。
国内の店舗を回った後、デザイナーは韓国へ渡り、実際に素材や色味を確かめながら衣装を探した。集まったシャツやパンツ、靴は約70~80点に上った。
衣装をそろえた後も、コーディネートはすぐには決まらなかった。床いっぱいに並べた衣装を前に、選手一人ひとりのイメージやサイズ、白の色味を見比べながら、何度も組み替えた。「宗佑磨選手は、すっきりしたシルエットの方が映える」「宮城大弥投手は足元で変化をつけよう」。細かな調整を重ね、11人それぞれに最も似合う組み合わせが導き出された。
◆消え去った不安
モニターに最初の一枚が映し出されると、スタッフから声が上がった。「いい!いける」「想像以上」「雰囲気あるね!」
色も小物もない初めての試み。一抹の不安はあったが、すぐに消え去った。
笑顔を求めなかった一方で、自然にこぼれた表情は、その選手らしさとして写真に残した。特に宮城投手は撮影中に照れ笑いを浮かべる場面が多くあり、カメラマンはそんな一瞬も逃さなかった。そのカットはオリ姫デーグッズに採用されている。
自然体へのこだわりは、ヘアセットとメイクアップにも貫かれていた。山崎颯一郎投手や太田椋選手はお風呂上がりを思わせるような自然な濡れ感をつくり、中川圭太選手は柔らかな髪がつぶれないよう、何度も手を入れながら毛束を整えた。肌はファンデーションで日焼けを消しつつツヤ感を残し、素肌のように仕上げた。作り込んでいないように見せるため、一人ひとりに合わせて最適なアレンジを加えていた。
◆「過去イチ」の声も
若月健矢選手は衣装の白いスニーカーを気に入り「ちょうど白い靴がほしかったんですよね」。撮影後、その一足はプレゼントされた。
後藤部長は大きな手応えを口にする。「実際に撮影してみると、同じ白の衣装にもかかわらず、それぞれに全く違う魅力がありました。ファンの方から『過去イチ』という声をいただくこともあり、これまでにないビジュアルに挑戦できたと思います」
新たな表現に挑んだ今年のオリ姫デービジュアル。白一色で浮かび上がったのは、十人十色の個性だった。
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