マリーンズ戦記2026 7月15日 ライオンズ戦(ベルーナドーム) 蓮始開
試合は初回に1点を先制される形でスタートした。しかし、三回に山口航輝外野手がシュートを中前に弾き返す同点適時打。山口は「なんでもいいので、ランナーを還そうと思っていた」と吠えた。三回に勝ち越されるが六回に再び山口のバットが吠えた。13号ソロで同点に追いついた。山口の本塁打は6月30日以来。今月初本塁打となった。山口は「甘く入ってきた球を1球で仕留めました」と胸を張った。
この日の先発の河村説人投手とライオンズ先発は同じ北海道出身。同じ大学出身選手の投げ合いとして注目されたが、両者、勝敗つかず、五回を投げ終えるとマウンドを降りた。そして勝利の使者 八木彬投手が六回から2番手のマウンドに上がリ1回を無失点に抑えると、潮目が変わった。
その直後、七回の攻撃。サブロー監督が動いた。一死から代打に安田尚憲内野手を起用。「代打だったので、思い切って振った結果」と安田。ライトスタンドに豪快な3号ソロを突き刺した。安田は6月7日のジャイアンツ戦(東京ドーム)で九回二死から起死回生の同点本塁打を打って以来の一発。さすがの勝負強さを発揮した。
しかしだった。七回裏、3番手のホセ・カスティーヨ投手に獅子が襲いかかってきた。2つの失策も絡み塁を埋められると降板。しかし後続の投手陣も流れを止める事はできなかった。一死から犠飛で同点に追いつかれ、さらに2点の勝ち越しを許した。八回にも2失点。勝負は決した。
「ずっとカスティーヨがよかった。だから今日から、いいところで投げさせようかなというプランだった。左も続くのでいかせた」と試合後のサブロー監督は渋い表情で流れが行ったり来たりしたゲームを振り返った。
ただ打線は反発力があった。指揮官も「昨日とは、うってかわって、少ないヒット数で点が入った。改めて長打の大きさを感じた。打線はよかったと思う」と認めた。
4連敗。好調を維持していたチームが突如、暗いトンネルに迷いこんでしまった。明日のライオンズ3連戦3戦目の先発はルーキーの毛利海大投手。開幕投手を任せ、ライオンズ戦2勝を挙げている若者に連敗ストッパーを託す。
「開幕の頃を思い出してほしい。ちゃんとストライクがとれて、ちゃんと彼が力を力通りに出せば、勝てる投手。勝てると思う。ファームでやってきたことをそのまま出してくれたらいいなあと思います」とサブロー監督は若き左腕への期待を口にして、関係者駐車場につながる階段を強い足取りで一歩ずつ登り始めた。
毛利が前回、勝ち投手になったのは5月3日のライオンズ戦。あの時もカード2連敗した3戦目で先発し、最後に一矢報いた。ライオンズ戦の対戦防御率は0・50。今回も敵地で若き左腕に期待が集まる。縁もある。母親の実家はすぐ近く。子供の時、何度も夏休みに野球観戦に訪れたこの地で背番号「13」が躍動する。
この時期は、池の蓮が静かに花を開き始めることから、一年を72の季節の移ろいで現した七十二候では蓮始開と言われている。蓮は土や泥の中でじっくりと根を張りながら、力強く水面に現れると、美しい花を咲かせることから、逆境の中でも花開く力の象徴とも言われる。ドラフト2位左腕が逆境の中でマウンドに上がる。縁深き地で、持っている本来の力を発揮し、勝利の花を咲かせる。開幕投手に指名をしてくれた指揮官の期待に応えてみせる。
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