「20代最後で、キャリア10年目の『G1』です。今年こそ初優勝したいという気持ちは強いですし、“夏男”という勲章がほしいです!」海野翔太に直撃インタビュー!!
前シリーズでIWGP GLOBALヘビー級王座からは陥落してしまったものの、優勝候補の一角として期待を集める海野翔太選手にロングインタビュー!
聞き手/鈴木佑
撮影/タイコウクニヨシ
■『新日カードランブル presents G1 CLIMAX 36』
アメリカ・NOW ARENA (シカゴ)<開幕戦>
現地時間:7月11日 (土) 17:30開場 19:00開始
日本時間:7月12日 (日)朝9:00開始
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■ボクからすれば「結局、AEWに入ってたいして活躍できてないから、新日本にちょっかい出しに来てるんだろ?」としか思えない
海野 ああいうかたちで負けて、ベルトが流出してしまったのはメチャクチャくやしいです。でも、いままでもくやしい思いはずっとしてきましたし、そのたびに立ち上がってきたので、絶対にアイツからベルトを取り戻したいです。
海野 許せないですね。IWGPというのは新日本プロレスの象徴であり、いろんな選手たちの血と汗と涙、いろんな思いが詰まっているわけで、それを汚すような態度は絶対に許せないです。
――かつて「シンニホン、イチバン!」と新日本愛を公言していたゲイブ選手が、「プロレスの最高峰はAEWだ!」と叫び、あのように変わり果ててしまったことはどう受け止めていますか?
海野 “深い愛は憎しみに変わる”みたいなことを言う人もいますけど、ボクからすれば「結局、AEWに入ってたいして活躍できてないから、新日本にちょっかい出しに来てるんだろ?」としか思えないです。
こっちとしてはベルトを初戴冠した直後に乱入されて泥を塗られ、さらに今回の防衛戦でもあんなムチャクチャなことをされて。ゲイブとは若手時代から切磋琢磨してきた中ですけど、いまはただ怒りしかないですね。
――そのゲイブ選手とは今回の『G1 CLIMAX』で同じBブロックとなり、8.8横浜大会で激突することになりました。
あの後楽園のとき、ベルトが雑に扱われて社長が殴られて、新日本の選手が誰も出てこなかったのはちょっと疑問に思う部分はあったんですけど、やっぱりボクが『G1』でアイツに勝って、ベルトを取り戻しにいくのが筋かなと思ってます。
――ちなみに今回の『G1』は海野選手にとって、20代最後の『G1』になりますね。
海野 そうですね、20代最後で、キャリア10年目の『G1』です。去年は初めて決勝トーナメントまでいきましたけど、準々決勝で辻陽太に負けてるんで、今年こそ初優勝したいという気持ちは強いですし、“夏男”という勲章がほしいです。
――海野選手の中で“夏男”というと?
海野 やっぱり蝶野(正洋)さんであり、天山(広吉)さんのイメージは強いですよね。あとは2008年に優勝した後藤(洋央紀)さんや2009年の真壁(刀義)さん、2010年の小島(聡)さんと、ボクは小学生の頃からずっと決勝の熱狂を両国国技館で実際に観てきているので。『G1』の決勝の舞台というのは、東京ドームのメインと同じぐらい価値あるものだと思ってます。
――昨年の決勝は有明アリーナでしたが、今年は再び両国で開催されます。今回は両国2連戦となり、初日には天山選手の引退試合も予定されています。
海野 天山さんには小さい頃から本当にかわいがってもらいましたし、いろいろな思いがありますね。そのあたりはボクのPodcast(※『パラダイムキャスト』)でもお話しているので、聴いていただけたらうれしいです。
■アメリカのファンの前でザックと戦えるのは楽しみですね。「これが新日本だよ。日本のプロレスは熱いだろ?」というのを見せるには、持ってこいの選手
――やはりザック選手にはそれだけのリスペクトがあると?
海野 実力者として一番認めている選手ですし、戦いの中で常々勉強させてもらってます。そういう選手に開幕戦で勝てば、きっと波に乗れると思うので、きっちり勝利をつかみにいきます。
■ちょっと強気なこと言わせてもらうと、たとえオリンピックの金メダリストだろうと、ここは新日本のリングなので、ボクはただブッ潰すっていうだけです
海野 年が近いのもあってか、わりと気が合うタイプというか、プライベートで飲みに行ったこともあります。ただ、対戦するとなると未知数というか、タッグでも当たったことがないので。
――ウルフ選手とはプロレスに関する話もされていますか?
海野 ボクがエルボーのアッパーカットをよく使うので、やりかたを教えたことはありますね。デビューしてからここまでのウルフを見ていて思うのは、本人もプロレスというものに触れて日々模索しているとは思うんですけど、さすがエリート・アスリートというか飲み込みが早いですね。デビューして1年も経ってないのに、『G1』に出ること自体がすごいですし。
海野 ただ、ちょっと強気なこと言わせてもらうと、たとえオリンピックの金メダリストだろうと、ここは新日本のリングなので、ボクはただブッ潰すっていうだけですね。本隊同士で熱い試合をした上で、「プロレスはそんな甘くねえよ」っていうのを見せられれば。
■(成田は)関節技の入りかたとか細かい技術はズバ抜けていて、いまの姿がどうであろうと、たとえ道は違えど、ボクは同期として誇りを持ってます。
海野 来ましたね……。成田とは去年の『G1』公式戦(7.26大田区)で当たって以来ですね。
――そのときは成田選手がダーティーファイトで、初めてシングルで海野選手から勝利を収めました。成田選手は今年、HOUSE OF TORTUREの新リーダーを襲名し、さらにNEVER無差別級のベルトも戴冠したりと存在感を高めていますが、海野選手の目にはどう映っていますか?
――それだけ思い入れがある選手ということですね。
海野 あっちはそんな感情は持ってないと思いますけど、ボクにとってはこれからも切磋琢磨しながら成長していくライバルということに変わりはないので。今回の舞台が長岡というのも個人的には楽しみですね。
――長岡にも思い入れがあると?
海野 はい。わりとこれまでメインやセミで重要なシングルをやることが多かったんですよ。3年前の『G1』公式戦ではNOAHの清宮海斗選手とやりましたし、去年は『NEW JAPAN CUP』決勝でデビッド・フィンレー、『G1』公式戦ではザックとメインで戦って。今年の『NEW JAPAN CUP』の準決勝でカラム(・ニューマン)とやったときもメインでしたね。
――今回の成田戦もメインで組まれました。
海野 特別な場所で特別な相手と試合できるっていうのは、ボクからしたら楽しみでしょうがないです。
■もともと、ボクたちは仲良しこよしするためにタッグを組んだわけでもないですし、お互いが一番を目指している中で、ひさびさに本隊同士の熱い戦いができるのかなと
海野 そうですね、お互い海外修行から凱旋帰国してからは初めてで。正直、「ここで当たるんだ」っていう気持ちはありますね。ボクはもうちょっとvs上村っていうのは、温めてよかったんじゃないのかなとも思うので。
――ただ、期待値の高いカードがいきなり実現するのも『G1』の醍醐味であり、そこからまたストーリーも生まれるのかなと。あらためて、上村選手への思いというのを伺えれば。
海野 正直、上村優也に対して思うことはいろいろあったんですよ。彼がLA DOJO入りをアピールしたときの大会で(※2021年8.14ロサンゼルス)、ライオンマークのTシャツを投げる姿を見て、当時は「何があっても、ライオンマークを投げるっていうのはどうなの?」っていう不信感があったりもしたので。
海野 本人の意思としては、ヤングライオンを卒業してこれから上りつめるっていう意味合いだったのかなとは思うんですけど、やっぱりボクの中では違和感があって。
去年の6月にJust 4 Guysが解散になって本隊に合流したときも、最初は違和感しかなかったですね。「コイツと一緒にやっていく自信ないな」って思いましたし、彼は少し天然なところがあって、何考えてるか正直わからないというか(苦笑)。
――最初は溝があったわけですね。
海野 でも、同じリングに立つ中で熱い男だというのがわかって、徐々にお互いを理解するようになっていって。もともと、ボクたちは仲良しこよしするためにタッグを組んだわけでもないですし、お互いが一番を目指している中で、ひさびさに本隊同士の熱い戦いができるのかなって思ってます。
『G1』決勝でやった棚橋弘至vs飯伏幸太(※2018年)のような、そういうカードにしていきたいなと思いますし、上村とだったらできる自信がありますね。
■HENAREもボクにとっては道場時代の同期で、今回の『G1』で個人的に一番楽しみなのがこの一戦なんです
海野 HENAREもボクにとっては道場時代の同期で、今回の『G1』で個人的に一番楽しみなのがこの一戦なんです。ボクにとってはよき仲間であり、よきライバルで、お互い辛いときにそばにいて、一緒に乗り越えてきたというか。なんか、HENAREもわりと“ボク寄り”だと思うんですよね(苦笑)。
――紆余曲折のキャリアということですね(笑)。たしかにHENARE選手はケガに泣かされたり、リングネームを何度か変更したりと、試行錯誤が伺えるというか。
――タイプ的には真っ向から勝負ができる相手というか。
海野 たしかにHENAREはおもいきりやりあえる相手だと思いますし、今後もずっと競い合っていきたいです。
■ポテンシャルを持ってる選手だとは思ってましたけど、あの若さでここまでの存在になるとは、正直思ってなかったです。
海野 ボクにとっては今年の『NEW JAPAN CUP』準決勝で負けてるので、なんとしてもリベンジしたいです。彼はIWGPヘビーを手放しましたけど、勢いがあるのは間違いないですし、やっぱりスピードとパワーがあるのに加えて技も多彩なので、警戒して臨みたいと思います。
――もともと海野選手はイギリス修行時代に、カラム選手と接点はあったのでしょうか?
海野 彼が17歳くらいの頃から知ってますし、当時からボクはずっと「オマエ、新日本に来いよ」って言ってたんですよね。一緒に練習しこともありますし、イギリスで試合したこともありました。その頃からポテンシャルを持ってる選手だとは思ってましたけど、あの若さでここまでの存在になるとは、正直思ってなかったです。
――ただ、カラム選手は6.14大阪城で右肩を負傷しているので、その回復の具合が気になるというか。
海野 たしかにそこは気になります。 まあでも、ケガがどうだとか言っていられないのが 『G1』なので。カラムにとってはさらにレスラーとして大きくなれるのかどうか、正念場の戦いになるんじゃないですかね。
■OSKARに関しては、あの伸びきった鼻をヘシ折ってやりますよ。それだけです。
海野 OSKARに関しては、あの伸びきった鼻をヘシ折ってやりますよ。それだけです。
――怒りが伝わってきますが、OSKAR選手も海野選手にとっては因縁の相手ですよね。昨年の10.6後楽園大会のシングルマッチではOSKAR選手から勝利するも、10.13両国大会のIWGPタッグ王座戦で敗北。さらに今年の2.11大阪大会のベルトを懸けた再戦でも敗れています。何よりOSKAR選手は海野選手に挑発三昧というか。
海野 本当に鼻が伸びてんなって思いますね。K.O.Bは人気もあって、タッグとしてはすばらしいものを見せてるかもしれないですけど、シングルはまた違いますし、彼はまだ実績を残していないので。
――OSKAR選手はあの規格外の体格が武器ですが、そこはどう捉えていますか?
海野 たしかに体格差はありますけど、ボクはこれまでヒクレオとかランス・アーチャーとか、いろいろデケエ相手と戦ってきてるんで、そこに関する不安は一切ないです。もう一回、去年の後楽園と同じ目に遭わせて、二度と調子に乗った口を利けないようにしてやります。
■モロニーはイギリス出身なんで細かい技術も持ってますし、さらにスピードもある。そして、感情をぶつけるタイプで、ボクと似ている部分がある
海野 モロニーは本当にいいヤツだと思いますし、あの大阪城の試合後も握手をしましたけど、ボクが一番IWGP GLOBALのタイトルマッチをやりたかったのは彼だったんですよね。それは彼が大阪城で直接勝敗に関わっていないというのもありますし、新日本プロレスを選んで残っているという思いに応えたい気持ちもあったので。今回、ベルトは懸かってないですけど、気持ちがいいぶつかり合いをしたいです。
――海野選手はイギリス修行時代にモロニー選手に二度勝利されているそうですが、昨年の『G1』公式戦(※7.20札幌大会)では、Second Chapterを狙ったところをドリラ・キラーで切り替えされて敗北を喫しています。
■凱旋帰国してからボクは辻に『G1』で二度負けて、まだ一度も勝てていないので、大きな舞台でやり返したいと思ってます
海野 辻陽太です。IWGPヘビー級王者というのもありますし、あとは去年の 『G1』の決勝トーナメントで負けているので。いまの新日本の先頭を走っている選手を倒して、『G1』を獲りたいっていう思いは強いです。
――辻選手に同じ質問をしたところ、辻選手も海野選手の名前を挙げていました。かねてより、辻選手は海野選手のことを“現世代”のキーパーソンとして気になっているそうで、何より一番“華”があると。
海野 単純にうれしいですよ、褒められて嫌な思いはしないので(笑)。でも、ボクからすれば「オマエも華あるやん?」って思いますけどね。
――辻選手は積極的に自分が思っていることを発信し、ときに物議を醸すこともありますが、そのあたり海野選手はどうご覧になっていますか?
――辻選手と海外修行時代に夢見て会話していたとのことですが、今回の『G1』は顔ぶれ的に若い選手たちが中心というか。
海野 そうですね。あと10年、15年はやっていけるメンバーだと思いますし、これが一つの『G1』のかたちになって、そこから今後どんな変化が生まれていくのか楽しみです。
――それでは最後に応援するファンへのメッセージをいただければ。
海野 今年こそ自分が“夏男”になる姿を見せます! ボクもずっとしんどい思いをしてきて、そういうときは自分だけじゃなく、応援してくれるファンのかたがたもつらかったと思うんですよね。ボクはファンのみなさんを一緒に一喜一憂できる仲間だと思っていて、ときに本気で喜び、ときに本気で悔しがり、ときに本気で泣いて。
不器用な自分を支えてくれる仲間たちと共に成長していきたいですし、そういう方々にいいものを見せたいです。波乱万丈な海野翔太のレスラー人生に、これからもついてきてください!(了)
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