完封がチームを強くする―ベテランの存在感と“無失点”が生み出す勝利のリズム―2026JDリーグ第8節投手総括 女子ソフトボール

庄司奈々の円熟味あふれる投球、
長谷川鈴夏・山本すみれ・アラナ・バウターの完封劇。
無失点がもたらす価値を改めて考える。

庄司奈々投手(伊予銀行) 【©️JD.LEAGUE】

昨年の経験を生かし、 さらにレベルアップ ベテランエース健在

― プレイオフを知る庄司奈々が今年も伊予銀行を支える ―

昨年創部初のプレイオフ進出を決めた伊予銀行。
チームを引っ張ってきた安川裕美や黒木美紀が有終の美として引退を決める中、今年も戦う覚悟を決めた1人のベテランがいた。

昨季は12年目にして自己最多の9勝を挙げ、チームのプレイオフ進出に大きく貢献した庄司奈々だ。

土曜日のビックカメラ戦で先発登板。
5回を投げ被安打5、1失点でマウンドを田内愛絵里に渡し、完投リレー
味方の援護もあり、この試合での勝利投手となった。

針に糸を通すようなコントロールと、手元で動く変化球で相手バッターの狙いを絞らせない。どんな状況でも顔色を変えずたんたんと投げ続ける姿は、若手の良い手本になっていることだろう。今年もレベルアップし続けるベテランの姿に注目したい。

庄司奈々投手と平岡花捕手(伊予銀行) 【©️JD.LEAGUE】

『完封』の価値

― 無失点が生み出す攻撃への好循環 ―

今節行われた計16試合の中で完封している試合はわずか3試合。
昔はもっと多かったように感じるが、ここ最近では完封にこだわらなくなってきている風潮もある。

いずれにせよJDリーグになってから試合数が増え、毎週のようにやってくる試合で『絶対に無失点に抑えよう』とこだわっていたら、29試合などとても戦えないように思う。だが、完封がチームにもたらす力は思っているよりも大きいのではないか、と感じる。

■長谷川鈴夏が作った“攻撃に集中できる時間”
― 日立を連勝へ導いた完封勝利 ―


土曜日のSHIONOGIvs日立。長谷川鈴夏がSHIONOGI打線に対し被安打2、与四球3、奪三振6の完封勝利。ここまで中々自分たちの試合運びができていない日立にとって、久々に攻撃に集中できる試合になったのではないか。続く日曜日にも11点を取り快勝した。

長谷川鈴夏投手(日立) 【©️JD.LEAGUE】

■山本すみれが生み出したNECの好循環
― 完封リレーで掴んだ連勝への流れ ―


同じく土曜日の小牧ラウンド。
NECvs日本精工では山本すみれが先発登板。8節までの防御率は2.33、勝利数5。危なげない投球で6回を投げ切り、被安打4、与四死球3、奪三振4の好投、バトンを大塲亜莉菜に渡すと最終回も0で抑え、完封リレー。NECもいい流れを作り出し日曜日も快勝となった。

山本すみれ投手(NEC) 【©️JD.LEAGUE】

■アラナ・バウターが見せた王者封じ
― トヨタ打線を1安打に抑える圧巻の投球 ―


日曜のトヨタvsデンソーでは、アラナ・バウターが王者トヨタ打線をわずか1安打に抑え四死球0、奪三振8と圧巻の投球を披露した。勢いに乗るデンソーは、打線も好調。ジェイリン・フォード、メーガン・ファライモから9安打で6得点を挙げ、完封勝利を収めた。

Alana Vawter投手(デンソー) 【©️JD.LEAGUE】

■“完封”が持つ本当の価値
― 攻撃のリズムを生み出す最高の投球 ―


おわかりいただけただろうか。完封ペースで試合を進められれば、攻撃に集中できる。そうすることでリズムが勝手に作り出されるのだ。これこそが、『完封』の価値なのではないかと思う。

第8節終了時 投手成績

第8節終了時(規定投球回数36)
試合数:18試合

防御率 ベスト10
1位 Kathryn Sandercock(SGH) 0.83
2位 後藤希友(戸田中央) 1.13
3位 Alana Vawter(デンソー) 1.15
4位 三輪さくら(SHIONOGI) 1.56
5位 Carley Hoover(ビックカメラ高崎) 1.59
6位 Georgina Corrick(日本精工) 1.67
7位 Jailyn Ford(トヨタ) 1.74
8位 Ally Carda(ホンダ) 1.78
9位 Madison Penta(日本精工) 1.98
10位 Megan Faraimo(トヨタ) 2.15

勝利数 ベスト10
1位 Carley Hoover(ビックカメラ高崎) 10勝
2位 Kathryn Sandercock(SGH) 8勝
3位 Alana Vawter(デンソー) 7勝
3位 Jailyn Ford(トヨタ) 7勝
5位 Georgina Corrick(日本精工) 6勝
6位 後藤希友(戸田中央) 5勝
6位 三輪さくら(SHIONOGI) 5勝
6位 山本すみれ(NEC) 5勝
6位 Megan Faraimo(トヨタ) 5勝
6位 長谷川鈴夏(日立) 5勝
6位 山下千世(豊田自動織機) 5勝
6位 Lexi Kilfoyl(豊田自動織機) 5勝
6位 庄司奈々(伊予銀行) 5勝

奪三振 ベスト10
1位 Carley Hoover(ビックカメラ高崎) 110
2位 Georgina Corrick(日本精工) 74
3位 Jailyn Ford(トヨタ) 70
4位 Madison Penta(日本精工) 68
5位 Kathryn Sandercock(SGH) 64
6位 後藤希友(戸田中央) 58
7位 三輪さくら(SHIONOGI) 47
7位 山下千世(豊田自動織機) 47
9位 Eva Voortman(大垣ミナモ) 45
9位 坂本実桜(日立) 45
9位 長谷川鈴夏(日立) 45

※リンク先は外部サイトの場合があります

(記事:虹色ソフトボール)

虹色トピック 【nijiirosoftball.com】

  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

女子ソフトボール新リーグ JD.LEAGUE(JDリーグ)の公式情報をお届けします。世界最高峰のプレーと、選手たちの魅力を発信していきます。

当サイトには一部アフィリエイトリンクが含まれています。

リンクから商品・サービスをご購入いただいた場合、スポーツナビに収益が発生することがあります。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント