マリーンズ戦記2026 7月10日 バファローズ戦(ZOZOマリンスタジアム) 249セーブ目
そしてこの日のクライマックスは4点リードの最終回に訪れた。若き守護神が2点差まで詰め寄られると、ベンチからサブロー監督が球審の方へと歩みを進めた。「ピッチャー 益田」。若き守護神から、ここまで248セーブを挙げている大ベテランへのリレー。名前がコールされるとスタンドは、熱狂に包まれた。2点リードの1死一塁。まずは先頭打者を一邪飛に打ち取る。続く打者は四球で二死一、二塁。一発が出れば逆転を許す場面でも数々の修羅場をくぐり抜けてきた38歳大ベテランは自分のボールを信じた。低めのストレートにバットがぶつかる。打球が右翼に飛ぶ。スタンドが、ベンチが、グラウンドの全員が祈る。右翼手・藤原恭大外野手がフェンスに接近する。そしてグラブを出した。白球が収まると、地鳴りのような大歓声が沸き起こった。大ピンチをしのぎ249セーブ目。ついに偉業まであと1セーブとした。
周囲が興奮に包まれる中、試合後のサブロー監督はいたって冷静だった。勝利監督インタビューボード前でもいつも通りのクールな雰囲気で現れた。
「間隔が空いていたので調整登板の意味もあったのですけど、ちょっと横山がグズグズしていた。あそこは益田に賭けた。あそこは益田以外にいなかった」とコメントした。
最初はブルペンで作っていなかったが無死二、三塁から準備に入った。「急きょ、作ってもらった」と指揮官はその時の状況を説明した。「3点差になったくらいに益田をちょっと作ってもらおうとお願いをした。彼は肩が出来上がるのは早くはないので、ちょっと指示が遅かったかなあと思ったけど、きっちりと合わせてくれた」とスクランブル登板となった状況を解説した。
指揮官は、ずっと大ベテランの様子を見てきた。昨秋は宮崎県都城市での秋季キャンプにも参加をした。誰よりも実績を持つが、誰よりも声を出し、通常メニューを必死にこなす姿があった。特別、声をかけることはしなかったが、その姿を観察していた。「秋のキャンプで一番、頑張っていた」と目を細める。シーズンに入ってからはストッパーの座は横山陸人投手が担った。ブルペンでしっかりとバックアップ。いつもなにかあった時のために肩を作り、スタンバイを続ける毎日を過ごした。どんな場面での登板も厭わない姿勢をいつも見せてくれた。「どんなところでも、文句を言わずに投げてくれる。ボクは信頼している」とサブロー監督は胸を張る。そして「最近、調子がいい。チャンスがあれば、益田で行こうと思う」と記録の後押しを約束した。
いろいろあったゲーム。野球というスポーツ、マリーンズの魅力が詰まったゲームだった。ただし指揮官は最後に試合の流れを変えた選手の名前を口にするのを忘れなかった。1点ビハインドでなおピンチから2番手として打者2人を抑え、さらなる追加点を許さなかったホセ・カスティーヨ投手のピッチング。「8勝目をあげた八木はもちろんよかった。山口も完全に痛みがとれていないと思うけど、しっかりと打ってくれた。頼もしかった。小川、藤原も素晴らしかった。でもボクの中では一番大きかったのはカスティーヨ。あそこで0点に抑えてくれたから、この流れが来た」とお立ち台に上がることはなかった影の功労者を褒めた。
さあ、4位浮上で首位までは7ゲーム差。偉業達成には王手がかかり、あと一つだ。チームの雰囲気も最高潮に達している。本格的な真夏に向けて、どんどん熱くなる。マリーンズが熱を帯びてきた。
文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原 紀章
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