日本代表が目指すべきは、モロッコの育成とチーム作り
【これはnoteに投稿されたtabubuさんによる記事です。】
モロッコは二大会連続でW杯8強入りを果たした。もはや、偶然ではなく、実力といっていい。このモロッコの躍進を支えているのは、二つある。ハキミのようなモロッコをルーツにもつ欧州クラブで育成された個の力を持った選手のスカウトと「国立アカデミー」が支える技術と戦術眼をもった選手育成の二つの要因である。モロッコは、現状のこの二つのルーツの選手で、チームが構成されている。
モロッコの組織力とチーム内での意思統一
モロッコの長所は、技術が高いので、狭いエリア内でも連携でかわし、カウンターにもっていける。なので、中途半端なプレスは効かない。初戦のブラジル戦以外、モロッコの支配率が相手より上回っている。理由は、狭いエリアでも適切な距離感とパスの正確さで、プレスを回避できる。そうなると相手チームはディフェンスラインを下げるしかなくなってしまう。しかも、90%前後のパス成功率をキープできているので、ミスもしない。
ポゼッションだけではない、縦に速いカウンターもできる変幻さ
だが、モロッコの良さはそこではない。守ってロングボールでの攻撃もできる。しかも、サボらないので、隙がなく、守り切る事もできる。決して出来が良くない試合でも勝ち上がれるのは、試合の流れに応じてチーム全体で状況判断を間違えてないからだろう。だから、彼らは負けにくいのだ。オランダ戦はPKだったが、試合内容ではオランダは負けていた試合で、GKフェルブルッヘンがいたから引き分けた試合だった。カナダ戦は、攻め込んでくる相手を守備で受け止め、カウンターで着実にしとめた。
究極のモロッコらしい選手、ハキミ。
基本モロッコの選手は、戦術眼が高い。試合の流れを把握できているので、パニックになる事がないし、守っていても常に攻め手を見つける事ができる。そして、この究極系がハキミである。モロッコは組織力が売りのチームではある。が、どうしてもそれだけでは、破壊できない時が出てくる。相手チームが組織的で隙がない場合である。そういう時にこそ、ハキミなのだ。彼は相手チームが嫌がるスペースを見つけ、侵入する事で、相手の組織を破壊する。彼がモロッコだと一段と自由になるのは、それが武器になると考え、そのフォローをモロッコの他の選手が全体埋めているからであり、その信頼関係はモロッコらしい。ハキミという個の能力を発揮する組織をモロッコはもっている。
世界大会を勝ち切る経験を持っている監督がいる事
そして、監督もワールドユースで優勝したモハメド・ワハビがスライドして、フル代表の監督になった。そのため、選手の特性も理解でき、世界大会の難しさも経験済みだから、適切な手が打てる。つまり、世界大会で勝つ事を知っている監督なので、その経験から勝つためのやるべき事がわかっているのだ。選手も自分の役割を把握できているので、交代してもその役割を全うできる。そこは経験したものでしか分からないし、世界大会でしか味わえないものでもある。その成功体験は何より大きい。
日本はここ20年、ワールドユース、U-17でベスト8どまり
一方で、日本の育成は成功していると言われる。確かに海外クラブで活躍する選手も増えた。だが、結果だけ見てみると、そうだろうか?小野伸二、稲本、高原がいたワールドユース準優勝以来、ベスト4すらいけてない現実がある。世界大会でのトーナメントの経験不足は、この段階からあるのではないか。そして、どの世代の監督も同じように世界大会のトーナメントを勝ち上がれないという事実は、モロッコをみると、どうしても成功しているように見えない。
日本の絶対的エースの育成と活かすための戦術
森保監督は誰がでても変わらないチームを目指すとした。だが、それだけでは勝ち上がれないのは、証明された。今大会のベスト8をみると、絶対的エースがエースらしい活躍をしたチームが残っている。エムバペのフランス、メッシのアルゼンチン、ハーランドのノルウェー、ケインのイングランド、ヤマルのスペインである。彼らは攻撃で違いを出せる選手だ。前述したハキミもしかりである。そして、彼らを最大限活かす事で、結果を出している。
日本の育成とチーム作りの限界点
日本の育成は、優秀な技術を持った選手は育てられているし、規律も守るので、世界でも活躍はできる選手は輩出している。だが、一人でゴールをこじ開けれる選手までは作れていない。もしブラジル戦の後半に、ヤマルのようなドリブルで仕掛け、ラインを下げれるような選手がいたら、全然違う結果になっただろうし、日本は彼に預ければ安心という保険ができたはずだ。そういう選手を育てるためには、世界大会で活躍できる選手をまず育てる事を主眼に置くべきではないだろうか?
女子の谷川萌々子のような存在を、男子でも作りたい
日本の女子サッカーは、アンダー年代で大成功している。U-17、ワールドユースでも優勝しているし、谷川萌々子のような若いが圧倒的な才能も出てきている。男子もできないはずはない。だからこそ、もう一度、育成の根本を見直すべきだと思うし、世界大会を育成の場ではなく、勝負の場として捉える方針をとって欲しい。その中で磨かれた個は絶対、ギリギリの勝負で役立つ。モロッコはそうやって強くなっている。この現象は、日本でもできるはずだし、やって欲しい事でもある。
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