不安と迷いの体験ストーリー 大阪体育大学・河野稟(こうの・りん)さん 「華やかな競技実績がない自分が、体育系大学に行っていいのか」
できない経験があるからこそ、できることがある
体育系大学に、自分が行っていいのか
とはいえ、なんとなく総合大学に流れることへの怖さの方が勝っていた。目標のないまま4年間を過ごしたくなかった。自分とその将来に本気で向き合える環境に身を置きたかった。その気持ちが、背中を押した。
競技実績じゃなく、「好き」と「なりたい」があれば来ていい場所なんだと、入学してから気づいた。
「支える側」という選択
部活は、高校とは違うポジションを選んだ。プレーヤーではなく、アルティメット部のマネージャー。「人を支える側」を経験してみたかったからだ。やりがいはあったが、先輩が卒業してからはマネージャーが自分一人になった。試合の日は、右手でビデオカメラを構えながら、スマートフォンでスコアを入力し、首から下げたタイマーも操作していた。体がいくつあっても足りないような日々だった。
そんな中で、選手たちからかけてもらった言葉が強く残っている。
「一人で大変なのに、ありがとう」
その瞬間、自分の役割を初めて実感できた。競技実績ではなく、自分にしかできない形でチームを支えることができている。
三点倒立ができなかった
そのとき気づいたことがある。できない子の気持ちが、わかるようになった、と。別の日の水泳の授業では、泳げる子が泳げない子に教える場面があった。先生との距離も近く、わからないことを素直に聞ける雰囲気がある。大体大だからこそ、「できる」「できない」の両側から学べる環境があった。
できない子の気持ちに寄り添える先生へ
「競技実績じゃなくて、できない経験がある人が、教壇に立てると思う」。体育が苦手な生徒の隣に立てる先生になりたいと、河野さんは言う。
MESSAGE TO YOU
運動が得意じゃなくても、大体大に来ていい。むしろそういう人が先生になってくれたら、救われる子どもがたくさんいると思う。「好き」と「なりたい」があれば、それで十分です。
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