夏のファン投票重賞!勢いある馬が3着内率81.8%と好成績/佐賀・吉野ヶ里記念データ分析
6月21日佐賀6レース 18時05分発走予定
昨年からファン投票で出走馬が選ばれることとなった吉野ヶ里記念。ファン投票上位馬に加え、記者選抜で出走馬が決まった。重賞勝ち馬や、注目の新人騎手が騎乗する馬など様々なメンバーが揃った。
ここでは2015年~2025年の過去10回のデータを元に分析する。
※2019年は大雨のためレース取りやめ
4年連続1番人気勝利
4番人気以内は2着も8回と、上位人気に信頼を置ける一方、3着に限ると6番人気以下が5回で入着しており、それによって3連単が万馬券となった年もある。一昨年の1万1350円(1番人気→3番人気→8番人気)、22年の2万7530円(1番人気→5番人気→7番人気)などがそうだった。
好位から上がり39秒4以下で上位入着
特に先行は3着内率が5割超えと高い好走率を誇る。好位から上がり3ハロン39秒4以下の末脚を使って抜け出した馬がほとんど。それ以上の上がりを要しながら3着以内に入ったのは1頭のみだった。
また、小回りながら差しも届くのが佐賀。差し・追い込みは4勝、2着2回、3着5回で、勝った4頭はいずれも上がり3ハロン37秒台の末脚を使った。また、2着、3着でも上がり3ハロンは39秒未満が求められる。
外枠の逃げ・先行
馬番と脚質の関連を見ると、逃げ・先行×外枠が好成績。8番より外から逃げ・先行した場合、【3,4,1,6】で勝率21.4%、連対率50.0%、3着内率57.1%だった。
4歳~5歳は高い好走率
3歳馬は過去10回で1頭のみの出走で、20年ミスカゴシマが勝った。今年は久しぶりに3歳馬の出走があり、ラウダーティオがどんな走りを見せるか注目だ。
若手騎手の「減量適用」の重賞レース
通例では重賞レースでは若手騎手は先輩騎手と同じ斤量で騎乗するが、佐賀競馬ではファン投票の重賞レースでは減量特典が適用されることがその理由だ。12月の佐賀版有馬記念ともいえる中島記念がそうで、昨年からファン投票で出走馬が選ばれることとなった吉野ヶ里記念も同様に減量が適用。
そうなると、若手騎手が騎乗していたけど重賞で乗り替わり、といった事例は減り、昨年は3走続けて長谷川蓮騎手(当時3kg減)が騎乗していたダイリンウルフに継続騎乗し、2着に入った。このようにお馴染みのコンビを重賞の舞台でも応援することができるほか、近走内容からコンビ相性を見ることもでき、予想する上でもやりやすくなるだろう。
今年は後藤武蔵騎手(3kg減)がミフネに騎乗で、斤量は古馬牡馬より3kg軽い52kgだ。
他に、騎手別の当レースでの成績は下表の通り。
石川慎将騎手がリーディング順位以上の活躍で3勝を挙げる。うち2勝はミスカゴシマによる連覇だった。
最近の勢いに注目
まずは「持ちタイム最速」。これは今回と同舞台の佐賀ダート1400mでの持ちタイムで、出走馬中最速だった馬は4勝、3着2回だった。持ちタイムについては地方競馬情報サイトの出馬表が見やすく、前走の左欄の最下部に同舞台での持ちタイム、その右に良馬場での持ちタイムが記載されている。今回は全馬場状態での佐賀1400m持ちタイムを対象とした。
次に調べたのは「直近半年の勝率1位」の馬の成績。近走でよく勝ち、勢いのある馬は当レースでも好成績で、連対率は6割超え、3着内率も8割超えとほとんどの馬が上位入着している。4着以下が2頭いるが、いずれも半年で5走以下と地方馬としては出走回数がかなり少なかった。コンスタントに走っていて勝率1位であれば、3着内率は100%に近いと言えるだろう。
3つ目の「前走1300-1400m(A1・A2混合以上)で2着以内」については、レース格の表記が「オープン」「A1」「A1・A2」が対象。「A2」や「A2・B」は対象外だ。
これら3つの条件のうち複数に該当する馬の成績が4行目。複数該当だと好走率がグッと上がるかと思いきやそうでもなかった。そうなると、重視すべきは「直近半年の勝率1位の馬」ということになるだろう。
データからの推奨馬は?
②4歳~5歳
③8番より外の逃げ・先行で、近走上がり3ハロン39秒4以下
④差し・追い込みで近走上がり3ハロン37秒台
⑤直近半年の勝率1位
4年連続で1番人気が勝っていることから①を好走条件に挙げたが、今年は混戦メンバー。1番人気を予想するのが難しい。
そのため、①は事前予想の時点ではナシということになる。
ラウダーティオは3歳馬。
当レースへの3歳の出走は久しぶりとなる。かつては3歳牝馬ミスカゴシマが勝っており、データ的には割引不要。
岩手時代にはネクストスター盛岡を勝ち、今年新設された佐賀3歳短距離三冠の一戦・佐賀かささぎスプリントを前走で勝利。3番手から上がり3ハロン38秒0の末脚で抜け出した。外めの8番に入り、③に該当。直近半年の勝率は2位タイの40.0%で悪くない。
⑤の直近半年の勝率1位はメイショウアイクで80.0%。
JRA未勝利から佐賀に移籍し、初戦のC2クラスから7連勝しており、下級クラスでの勝利が多く含まれる。
走破タイムを見ると、もう少し時計を詰める必要はありそうだが、近走の上がり3ハロンのタイムはいい。
4歳で、②⑤に当てはまる。
ツークフォーゲルはJRA3勝クラスから佐賀に移籍し4戦目。佐賀がばいスプリントで重賞制覇を果たしている。
移籍初戦は中団から上がり3ハロン37秒5の末脚を使い、重賞制覇時も5番手から37秒1の上がりをマーク。直近半年の勝率は2位タイの40.0%だ。
580kg前後の超大型馬とあって、内枠からのびのびと走ることができれば楽しみはさらに広がるだろう。
④に該当。
ロードミッドナイトは最内枠がカギ。
この枠ならスタートから出して先手を取る可能性もある。直近5走は全て先行して上がり38秒台の上がりでまとめており、③の後半部分に該当。
ガルヴァナイズは2~3走前に上がり37秒台の末脚を繰り出して差し切り勝ち。④に該当する。
文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「Number」「netkeiba.com」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ