ソト選手 NPB通算200号本塁打 おめでとう。そしてその先へ。マリーンズ通訳による選手コラム 

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200本塁打記念ボードを手にするネフタリ・ソト内野手 【画像提供 千葉ロッテマリーンズ広報室】

 2026年6月5日、東京ドームで行われたジャイアンツ戦。8点ビハインドで迎えた九回二死一塁、カウント2-2からネフタリ・ソト内野手が放った打球は、打った瞬間にホームランと分かる一撃だった。声を枯らして応援してくれていたマリーンズファンの待つレフトスタンドへ、記念すべき200号ホームランが届いた。まさに感謝の一打だった。

 来日9年目。今年から日本人枠となり、キャプテンとしてもチームを牽引している。しかし、200号ホームランを達成するまでの道のりは、月並みな言葉になってしまうが、決して楽なものではなかった。日本でのキャリアは、横浜DeNAベイスターズの練習生から始まった苦労人だ。

 「アメリカにいる頃から、日本に来てプレーできる機会を探していたんだ。ベイスターズから『実際にプレーしているところを見たい』と言われ、2017年の10月末に日本へ来てトライアウトを受けたんだよ。打撃練習はもちろん、三塁や外野の守備も見てもらった。トライアウトの結果は良かった。プエルトリコに帰国してから連絡があって、契約を結ぶことができたんだ。日本でプレーするチャンスをもらえて、本当に嬉しかったし、感謝したのを今でも覚えているよ」。ソトはその当時のことを思い出しながら、懐かしそうに微笑んで語ってくれた。

 来日当初は、食事や文化に慣れるまで苦労した。異国の地でプレーするのは想像以上に難しい。もちろん本人の並々ならぬ努力があってのことだが、多くの人の支えがあったからこそ、今こうしてグラウンドで元気にプレーできている。ソト自身もこう振り返る。

 「日本で長くプレーしたかったんだ。食事は最初苦労したけれど、いろんなものを食べるようにして少しずつ慣れていったよ。言葉の壁にも苦労したけれど、ベイスターズの通訳たちが本当に助けてくれた。そして何より、ロペス先輩の存在が大きかった。彼は本当にたくさんのことを教えてくれたよ。日本がどういう場所か、日本人はどんな人たちか、文化や日本の野球、さらには遠征先の美味しいレストランまで。ロペス先輩に教わってから、日本での生活がとても楽になったんだ。最初は何も知らなくて不安しかなかったけれど、ロペス先輩とベイスターズの通訳のみんなに助けてもらったからこそ今がある。心から感謝しているよ」とソト。2013〜2014年読売ジャイアンツ、2015〜2020年横浜DeNAベイスターズで活躍したホセ・ロペスとサポートしてくれた周囲に感謝をする。

 そんなソトに、これまでの200本の中で最も思い出深いホームランを尋ねると、即座に「NPBでの1本目だね」という答えが返ってきた。

 2018年、シーズン開幕直前の練習中に負傷し、開幕を一軍で迎えることができなかった。苦しい時期を過ごしたが、リハビリ期間を経て一軍に昇格すると、初めて迎えたNPB公式戦に2番・ライトで先発出場。第1打席でレフトへタイムリーツーベースを放ち来日初打点を挙げると、続く第2打席で、待望の来日初ホームランを放ったのだ。思えば、そのゲームもジャイアンツ戦だった。

 「今でも鮮明に覚えているよ。本当に嬉しかった。まさかあの1本から始まって、NPBで200本もホームランを打てるなんて、当時は夢にも思わなかったね」

 スタメンから外れる日であっても、ソトが準備を怠らない姿を私は見ている。全体の打撃練習が終わると室内練習場へと足を運び、打撃フォーム、打球の質、ボールの見極めを確認しながら、ひたすらバットを振り込む。自分が納得するまで、何百スイングと重ねるのだ。昨年は打てずに調子が上がらない時期もあった。しかし、そんな時でも彼は常に前を向き、自分ができることに集中していた。オフの日であってもZOZOマリンスタジアムを訪れ、黙々と打撃練習に励んでいた。


 通算1000試合出場という記録も、残り数試合と迫っている。順調にいけばZOZOマリンスタジアムでの古巣 ベイスターズとの交流戦期間に達成となる。次なる記録に向けて、ソトは語る。

 「1000試合まであと数試合だけど、達成できるように毎日を頑張るだけさ。常に思っているのは、チームが勝てるように、一試合一試合で全力を尽くすということだけだよ」


 ここまでNPBで積み上げてきた経歴は輝かしいものだ。しかし、彼は過去の栄光に甘んじることなく、決して驕らず、常に「今」にフォーカスしている。妥協を許さないその背中は、近くで見ていて本当に格好いい。マリーンズを勝利へと導き、ファンの前で優勝の歓喜を味わう姿を、私たちは心待ちにしている。キャプテン・ソト、200号ホームラン本当におめでとう。そしてこれからも、勝利を貪欲に追い求める熱い姿を見せ続けて欲しい。

文 千葉ロッテマリーンズ通訳 阿久津 英之
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