2026ドラフト、遊撃手を本当に必要としている球団はどこか

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チーム・協会
【これはnoteに投稿されたNPBドラフト会議室さんによる記事です。】
ドラフトでいちばん評価が難しいポジションのひとつが、遊撃手だと思う。

打てる一塁手、打てる三塁手は分かりやすい。
打てる外野手も、ある程度は打撃成績から見える。

でも遊撃手は少し違う。

プロで遊撃に残れるのか。
二塁に回るのか。
三塁まで含めた「内野手」として評価されるのか。

この見立てだけで、同じ選手でも指名順位がかなり変わる。

さらに球団側も、「今の正遊撃がいるか」だけでは判断できない。正遊撃が30代なのか、二軍に次の候補がいるのか、一軍が併用になっているのか。そこまで見ないと、本当に遊撃手を欲しがる球団は見えてこない。

今回はNPB公式の2026年5月30日現在の一軍・二軍守備成績、打撃成績、選手一覧をもとに、12球団の遊撃事情を整理した。そこに大学・社会人の2026ドラフト候補を重ねて、「どの球団が、どの順位で、誰を欲しがりそうか」を考えてみる。

まず結論

2026年ドラフトの大学・社会人遊撃手は、1位から2位で何人も奪い合う年ではないと思う。

全体評価が高い二遊間型はいる。
純粋な遊撃手として見やすい候補もいる。
社会人の即戦力ショートもいる。

ただ、今年は「絶対に上位で遊撃手を取らないといけない球団」が多いわけではない。だから候補の順位も、球団の必要度も、少し冷静に見たほうがいい。


遊撃手を中位以上で本気で考えたいのは、DeNA、阪神、ソフトバンク。
その次に、西武、巨人、ロッテ、広島。
ヤクルト、中日、日本ハム、オリックス、楽天は、少なくとも上位で遊撃手を取りに行く理由は薄い。

候補側では、岡田啓吾は全体の内野手評価なら2位から4位。ただし、遊撃補強というより二塁を含めた二遊間評価で見たい。
純粋に遊撃手として置きやすいのは光弘帆高。そこに島袋皓平、下川邊隼人、石橋昂樹、上加世田頼希、熊田任洋が続く。

今年の遊撃手指名は、上位で無理に突っ込むより、3位後半から6位あたりで球団ごとの型に合う選手を拾う年だと思う。

12球団の遊撃手需要

需要がいちばんはっきりしているのはDeNAだ。

一軍では京田陽太が32歳で、石上泰輝、宮下朝陽も遊撃に入っている。若い候補はいるが、正遊撃として固定された状態ではない。さらに三塁の宮崎敏郎が38歳。つまりDeNAは、遊撃だけでなく三遊間全体の更新を考えたい球団になる。

この事情を考えると、DeNAは純粋な遊撃手だけでなく、三塁にも回せる三遊間型が合う。下川邊隼人、上加世田頼希のようなタイプは、まさにここに引っかかる。

阪神も遊撃手を考えたい球団だ。

一軍では小幡竜平と木浪聖也の併用。小幡はまだ26歳なので年齢的な問題はないが、現時点で絶対的な正遊撃として固定されているわけではない。木浪は32歳。二軍では山田脩也が遊撃で出ている。

だから阪神は「枚数がない」わけではない。欲しいのは守備だけの控えではなく、小幡と競争できる正遊撃候補だと思う。ここで光弘帆高や島袋皓平が3位から5位に残るなら、かなり自然に見える。

ソフトバンクは今宮健太の後継問題がある。

今宮は35歳。一軍では庄子雄大、二軍では石見颯真、イヒネ・イツアもいる。若い候補はいるので、上位で慌てる必要はない。ただ、次の5年を考えるなら、大学・社会人の遊撃手を中位で足す意味はある。

ソフトバンクに合うのは、社会人の純遊撃。島袋皓平、石橋昂樹、相羽寛太あたりだと思う。

一方で、西武は少し慎重に見たい。

源田壮亮は33歳なので、後継テーマは当然ある。ただ、滝澤夏央が一軍で使われ、齋藤大翔が二軍で40試合遊撃に入っている。ここを「高需要」と言い切ると、少し強すぎる。西武は4位から6位で残っている遊撃候補を拾う形がしっくり来る。

巨人、ロッテ、広島は、遊撃専というより二遊間の厚みを作りたい球団だ。

巨人は泉口友汰、浦田俊輔、小濱佑斗、石塚裕惺と枚数が多い。ロッテは友杉篤輝と小川龍成で一軍は形がある。広島は小園海斗と矢野雅哉が若い。
ただし、どの球団も「打てる二遊間」や「複数ポジション型」なら取る理由はある。岡田啓吾や熊田任洋のような選手は、このあたりの球団で評価が上がりやすい。

中日、日本ハム、オリックス、楽天、ヤクルトは優先度が低い。

中日は村松開人が遊撃49試合でOPS0.836。日本ハムは水野達稀が44試合でOPS0.736。オリックスは紅林弘太郎が24歳で遊撃47試合。楽天は村林一輝が51試合でOPS0.753。ヤクルトも長岡秀樹を中心に若い内野手がいる。
このあたりは、遊撃手を上位で取りに行くより、投手や長打力のある野手を優先するほうが自然だ。

候補の順位感

今年の候補を見るときに大事なのは、「全体評価」と「遊撃手としての評価」を分けることだ。

【NPBドラフト会議室】

岡田啓吾は、全体の内野手評価ならかなり上に置いていい。高校野球ドットコムの上位36人予想では2位候補に入っていて、週刊ベースボールONLINEの大学生野手11人にも名前がある。走力があり、左打ちで、二遊間を守れる。プロが好きな要素は多い。

ただし、岡田は遊撃補強の本命というより、二塁を含めた二遊間候補として見るほうが自然だと思う。巨人、広島、楽天のように、二遊間全体を厚くしたい球団なら評価が上がる。

純粋な遊撃手として置きやすいのは光弘帆高だ。

明治大の左打ち遊撃で、守備評価があり、打撃の形もある。全体の派手さでは岡田ほどではないかもしれないが、「遊撃手が欲しい球団のリスト」に置くなら、光弘のほうが分かりやすい。

島袋皓平は、社会人の即戦力遊撃として見やすい。

大阪ガスの右打ち遊撃で、大学時代から打撃実績があり、走力もある。守備で一軍に近い社会人ショートを探すなら、阪神、ソフトバンク、西武に合う。とはいえ、社会人遊撃を3位以内で強く見るには、都市対抗予選や本戦でかなり目立つ必要がある。現時点では4位から6位が中心だと思う。

下川邊隼人は、打てる三遊間候補。

立教大で遊撃と三塁を守る右打者。打撃で浮上する余地はあるが、プロで遊撃一本と見るには、もう少し守備位置と出場機会の裏付けが欲しい。DeNAや阪神には合うが、現時点で2位から3位と決め打ちするのは高すぎる。

上加世田頼希も似ている。

打撃型の三遊間としては面白い。ただ、遊撃補強の本線というより、三塁も含めた内野手評価になりやすい。前に見たときより順位は下げて、5位から7位くらいで考えたい。

石橋昂樹、熊田任洋、相羽寛太、中津大和、山里宝、福谷宇楽あたりは、球団の好みでかなり見え方が変わる。
大型遊撃が欲しいなら石橋。複数ポジションの即戦力なら熊田。守備型社会人遊撃なら相羽。走れる左打者なら中津。下位のユーティリティなら山里や福谷。ここは上位候補というより、下位から中位で編成の穴に合わせるグループだと思う。

球団別の指名イメージ

【NPBドラフト会議室】

一番きれいなのは、DeNAが3位から5位で三遊間候補を取る形だと思う。

下川邊隼人、光弘帆高、島袋皓平、上加世田頼希。
このあたりなら、遊撃だけでなく三塁の将来像まで含めて説明できる。DeNAは「純粋な守備型ショート」より、「遊撃も三塁も見られる内野手」のほうが記事としても納得感が出る。

阪神は、光弘帆高か島袋皓平が一番分かりやすい。

小幡と競争させるなら、プロで遊撃に残る可能性を重視したい。下川邊も合うが、三塁寄りに見られると阪神の優先度は少し下がる。2位で前倒しするより、3位から5位で残っていたら取りたい。

ソフトバンクは社会人遊撃。

今宮の後継を考えたい一方で、石見やイヒネもいる。だから大学生を上位で取りに行くより、島袋、石橋、相羽のような社会人を中位で入れて競争させる形が合う。

西武は、源田の後継を考えながらも上位で無理はしない。

滝澤と齋藤がいる以上、4位から6位で残っている候補を拾う形が自然。光弘、島袋、石橋、熊田あたりが候補になる。

巨人、広島、楽天は、岡田啓吾の扱いがポイントになる。

岡田が2位から4位のレンジで残っているなら、二遊間強化としてかなり魅力がある。ただ、どの球団も遊撃専の優先度が高いわけではない。岡田を取るなら「ショートが足りないから」ではなく、「打てる二遊間を増やしたいから」になる。

ロッテ、ヤクルト、中日、日本ハム、オリックスは、下位で内野の厚みを作るイメージだ。

このあたりは、今年の遊撃手を上位で追うより、他ポジションや投手を優先したほうが自然に見える。

最後に

【NPBドラフト会議室】

遊撃手の記事で大事なのは、候補を上げすぎないことだと思う。

「遊撃を守れる」というだけで順位を高くすると、実際のドラフト感からズレる。
でも逆に、遊撃手としてプロで残れる候補は、打撃成績だけでは測れない価値がある。

2026年の大学・社会人遊撃候補は、上位で何人も消える年というより、3位後半から6位に面白い選手が固まる年。
その中で、DeNA、阪神、ソフトバンクがどう動くか。西武、巨人、ロッテ、広島が中位以降でどう拾うか。

今年の遊撃手指名は、そこを見ていくとかなり面白い。

参考・データ元

NPB公式、2026年度個人打撃成績・個人守備成績・選手一覧(2026年5月30日現在)。集計は12球団分を同形式で取得。例: 阪神一軍打撃(https://npb.jp/bis/2026/stats/idb1_t.html)、阪神一軍守備(https://npb.jp/bis/2026/stats/idf1_t.html)、阪神二軍打撃(https://npb.jp/bis/2026/stats/idb2_t.html)、阪神二軍守備(https://npb.jp/bis/2026/stats/idf2_t.html)、阪神選手一覧(https://npb.jp/bis/teams/rst_t.html)
手元の2026ドラフト野手データベース: `draft_hitter_database_2026/public/data/players_export.csv`
Draft Repo候補一覧: 2026年ドラフト候補/大学生野手、2026年ドラフト候補(https://draft-repo.com/blog-entry-5807.html)/社会人野手(https://draft-repo.com/blog-entry-6497.html)
Draft Repo候補個別ページ: 岡田啓吾(https://draft-repo.com/blog-entry-6857.html)、光弘帆高(https://draft-repo.com/blog-entry-5562.html)、島袋皓平(https://draft-repo.com/blog-entry-6441.html)、下川邊隼人(https://draft-repo.com/blog-entry-5487.html)、上加世田頼希(https://draft-repo.com/blog-entry-5489.html)、石橋昂樹(https://draft-repo.com/blog-entry-4909.html)、熊田任洋(https://draft-repo.com/blog-entry-4013.html)、相羽寛太(https://draft-repo.com/blog-entry-4770.html)、中津大和(https://draft-repo.com/blog-entry-6430.html)、山里宝(https://draft-repo.com/blog-entry-5331.html)、福谷宇楽(https://draft-repo.com/blog-entry-6895.html)
週刊ベースボールONLINE: 大学生ドラフト候補の気になる評価は?(https://dir.sp.baseball.findfriends.jp/yakyumatome/detail.html?no=8727) 野手編、社会人ドラフト候補の気になる評価は?(https://dir.sp.baseball.findfriends.jp/yakyumatome/detail.html?no=8728)
高校野球ドットコム: 2026年ドラフト会議「上位指名36人」を予想(https://www.hb-nippon.com/articles/11203)

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