マリーンズ戦記2026 5月20日 ライオンズ戦(埼玉県営大宮公園野球場) サブロー監督「成長したなあと思う」
動いたのは九回。先頭が相手の失策で出塁すると勝負を決める分水嶺はここぞとばかりにサブロー監督は勝利のために立ち上がり、激しいタクトを振るった。
一塁の代走に宮崎竜成内野手。そして代打に和田康士朗外野手。和田は追い込まれながらも必死にバントを決め一死二塁。スコアリングポジションに走者を進めた。
「狙い通りというか普通の野球をしただけ。試合は終盤で先頭が塁に出た。なんとしても送りたかった。絶対に送って得点圏に進めたかった」とサブロー監督は試合後、メディアに狙いを口にした。
2度、バントに失敗し、追い込まれたカウントになっても迷いなどない。サインを変えなかった。3バント。和田はベンチの強い想いを組んで、食らいついた。練習時から入念にバント練習を繰り返してきた男はここぞの場面でしっかりと決めた。フェアゾーンにしっかり転がした。強烈な重圧に逃げず、仕事を全うした。
ここからは寺地隆成捕手と友杉篤輝内野手と続く打順。指揮官は、ずっと試合前練習を見てきている中で「寺地はだいぶ調子を戻してきている。友杉も状態はいい。この2人で得点圏。2人で2打席。2度、チャンスがあると考えて、どちらかが走者を返してくれると思った」とサブロー監督。
読み通り、寺地が左前打で一、三塁とチャンスを拡大。ここで打席に友杉が入った。勝負の最大の分かれ目となる場面が訪れた。相手守備陣が執拗にスクイズを警戒する中でボールを2つ挟み、少しずつカウントを有利にすると見事、三塁線にスクイズを決めた。この回、相手失策でさらに1点。徹底的に重圧をかけ相手の隙をイッキに突いた。
「成長したなあと思う」。この場面の話を振られると、サブロー監督は目を細めて喜んだ。友杉が自身の判断で警戒を強める一塁線ではなく三塁線に転がしたことだ。見事に期待に応えてくれたことが嬉しかった。
「機転を利かせて彼が自分の判断で三塁線にやった。なにがなんでも一塁側にやらないといけないわけではないわけだから」とベンチでコーチ陣たちと目を合わせながら、チーム一丸、必死にもぎ取った1点を喜んだ。
思えば4月5日のホークス戦(ZOZOマリンスタジアム)では1点ビハインドの九回一死一、三塁で友杉がスクイズ失敗。チャンスが一転、試合終了となるゲームがあった。そこから友杉は必死に練習を重ねてきた。そして指揮官も粘り強く起用し続けた。事あるごとに「若い選手には成功体験をして成長をしてほしい」と語り、成長を期待した。あれからまだ一ヶ月が過ぎたばかり。その中で戦いながら友杉は大きく成長しようとしている。攻守でチームに貢献し続けている。
「失敗もあったから、その経験を糧に彼も成長しているし、ボクも学んだことがある。今日は彼の成長が本当に嬉しかった。こういうのを見るとやっぱり嬉しいし、楽しいですよね。若い選手の成長を見るのは本当に楽しい」とサブロー監督。メディア対応では普段は冷静な口調で話す指揮官が珍しく表情を緩め、今の感情を素直に口にした。それほど嬉しい一日となった。
投手陣の奮闘も忘れてはいけない。先発の毛利海大投手は6回を1失点。絶対に勝ち越されるかと気持ちのこもったピッチングをみせると、その後は中森俊介投手、鈴木昭汰投手、横山陸人投手と自慢のブルペン陣が無失点でつなぎ、勝利を呼び込んだ。
「毛利よかったですね。勝ちをつけてあげたかった。相手もよかったので仕方がないけど、きょうの試合は毛利から始まった投手陣が頑張ってくれたからこその勝利。彼らの想いが導いてくれたと思っている」とサブロー監督は投手陣にも敬意を評した。
4月、ここ大宮で連敗を脱出した。この日は最下位を脱出した。そしてなによりもチームとしての成長が見えた忘れられない貴重なゲームとなった。ペナントレースはちょうど残り100試合となった。ヤングマリーンズは日々、少しではなく大きく成長しながら勝っていく。その成長していく姿から目が離せない、
文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原 紀章
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