JDリーグは“完投時代”の終わりへ 勝敗を左右するリリーフ陣の重要性 2026JDリーグ第4節投手総括 女子ソフトボール

中邨花菜、伊藤瑠莉らが好投。 過密日程の中で求められる“継投力”とは!

伊藤瑠璃投手(タカギ)、中邨花菜投手(SHIONOGI)、坪野三咲投手(デンソー) 【©️JD.LEAGUE】

“完投時代”は終わりつつある — JDリーグで進む投手分業化

今節も3日間で17試合が行われた。今節取り上げたいのは『リリーフ陣の役割』。
先発するピッチャーが完投する時代は変わりつつある。

過密日程が投手運用を変えた
— 29試合時代に求められる“継投力”


リーグの形がJDリーグに変わってから試合数が22試合から29試合に増え、休む間もなく毎週試合が行われることから7イニング投げた投手が回復するのに時間がかかることは明らかだ。疲れが抜けず、怪我に繋がるリスクも増える。

数年前のようにチームのエースが当たり前に2連投することは現在どこのチームもしていないように思う。
各チームにおいて2枚目の投手が独り立ちしてもらうことは必要不可欠である。

豊田自動織機 山下投手を筆頭に日本人投手の役割が重要 (左より)山下千世投手・浅井茉琳投手・堀脇千鶴投手 【©️JD.LEAGUE】

「いつ投げるかわからない」難しさ
— 中継ぎ投手に必要なメンタル


今回注目したいのは、リリーフ
先発ピッチャーと違い、いつ登板するのか、どんな状況で登板するのかわからない状況で試合を任されることは想像以上に過酷なことである。
野球では後ろを任されれば任されるほどプレッシャーが増すことから、気持ちの強い投手がセットアッパー、クローザーを任される。

ソフトボールにおいても然りだ。野手が死ぬ気で取った1点を自分が投じた1球で簡単に帳消しにしてしまうから、回が後ろに進むにつれ、生半可な気持ちでマウンドには立てない。

トヨタ3人目の外人のような髪色になった成瀬結衣投手(左)とリーグ2年目で初マスクの浦川美緒捕手 【©️JD.LEAGUE】

東海理化戦最終回で今季初登板となったSHIONOGI信田沙南投手 【©️JD.LEAGUE】

1球で試合が変わる
— 後ろを任される投手の重圧

ビックカメラ高崎ルーキー藤原真優美投手 第1節の戸田戦に続き4節誘電戦でも最終回を任される 【©️JD.LEAGUE】

SHIONOGIを救った中邨花菜の三者凡退 “流れを渡さない投球”が逆転劇を呼び込む

土曜日のSHIONOGI対伊予銀行戦、4回表にエース三輪さくらが3点を許し、3-1伊予銀行リードの状況で5回からマウンドに上がったのは中邨花菜。5回6回を4奪三振を含む三者凡退に抑えると、7回は走者を背負いながらも無失点で切り抜けた。

すると7回裏、チームは見事サヨナラ勝ちを収める。ここでのポイントは、三者凡退がチームの攻撃の流れを作ることに繋がっているということ。野手陣が攻撃に集中することができる、ということである。

リリーフの役割は「抑える」だけではない
野手が攻撃に集中できる空気を作る存在

SHIONOGI中邨花菜投手 【©️JD.LEAGUE】

ルーキー伊藤瑠莉が示した可能性  SGH打線相手に堂々のロングリリーフ

同じく土曜日SGホールディングス対タカギの試合では、SGホールディングスが初回に4点を取り大味な展開が予想されたが、2回2アウト満塁から上村紗輝に代わりルーキー伊藤瑠莉が登板。この回を0で抑えると3回以降もランナーを出しながらも無失点で抑え、SGホールディングス打線に対し堂々のピッチング。

味方の援護を待つが残念ながら得点には結び付けずに4-1でSGホールディングスの勝利となったが、十分に戦える内容だったのではないだろうか。

タカギのルーキー伊藤瑠莉投手 【©️JD.LEAGUE】

継投こそ首脳陣の腕の見せ所 勝負を分けるタイミングと決断

どんな試合展開でも、流れを変えられることこそが、リリーフピッチャーの役割だ。
もちろん良い方向にだけではなく、良くない方向に試合が進んでしまうこともある。

その采配こそ、首脳陣の腕の見せ所だ。
今後もどんな継投が見られるのか、送り出された投手がどんな投球をするのか、どう勝利に繋げられるのか、楽しみである。

これからのJDリーグは
“ブルペン”が鍵を握る
勝利を支えるリリーフ陣に注目したい

東海理化 伊藤加奈投手 トヨタ戦6回よりリリーフ 今季初登板 【©️JD.LEAGUE】

“継投時代”だからこそ光る完投能力 過密日程の中で増す“粘れる投手”の価値

山本すみれ、悔しさを力に変えた完投劇
— 前節の雪辱を果たす気迫の105球


継投の時代、とはいえ試合数の増加で過酷な戦いが続くことから、粘り強い投手も増えているように感じる。
土曜日の日立対NEC戦では山本すみれが日立を6安打1失点に抑え完投勝利。

前節の日立戦ではバッテリーエラーが決勝点となり敗戦投手になったが、その悔しさを晴らすかのような気迫あふれる投球を見せた。

中央のアイブラックが山本すみれ投手 【©️JD.LEAGUE】

曽根はん奈、9試合目で巡ってきた初先発 ベテラン左腕が145球の熱投で チームを救う

日曜のビック対太陽誘電では曽根はん奈が今季初先発。ここまで登板した4試合全てが一番後ろでの登板であり、9試合目にして初の先発。

緊張もあっただろうが持ち前の明るさとキレのあるボールで今節2連勝中のビックカメラ打線相手に1人で投げ抜き完投勝利

被安打8、4失点、6奪三振、球数は145球におよぶタフな内容となったがベテランがチームに勝ちをもたらした。

完投、継投、どちらも目が離せない。

力投する曽根はん奈投手 【©️JD.LEAGUE】

最後まで目が離せない“投手運用”
— 継投策と完投劇が
JDリーグをさらに面白くする

SGホールディングス 新井真奈投手 4節タカギ戦で先発が今季初登板 【©️JD.LEAGUE】

第4節終了時 投手成績

第4節終了時(規定投球回数18)
試合数:9試合
※ビックと戸田のみ10試合

防御率 ベスト10
1位 大島萌々子(戸田中央) 0.38
2位 後藤希友(戸田中央) 0.46
3位 Kathryn Sandercock(SGH) 0.59
4位 中邨花菜(SHIONOGI) 0.80
5位 Ally Carda(ホンダ) 1.28
5位 Alana Vawter(デンソー) 1.28
7位 Jailyn Ford(トヨタ) 1.43
8位 山本すみれ(NEC) 1.60
9位 Georgina Corrick(日本精工) 1.78
10位 Carley Hoover(ビックカメラ) 1.79

勝利数 ベスト10
1位 Jailyn Ford(トヨタ) 5勝
1位 Carley Hoover(ビックカメラ) 5勝
3位 後藤希友(戸田中央) 4勝
3位 Kathryn Sandercock(SGH) 4勝
3位 アラナ・バウター(デンソー) 4勝
6位 大島萌々子(戸田中央) 3勝
6位 中邨花菜(SHIONOGI) 3勝
6位 Ally Carda(ホンダ) 3勝
6位 三輪さくら(SHIONOGI) 3勝
10位 Georgina Corrick(日本精工) 2勝
10位 山本すみれ(NEC) 2勝
10位 上野由岐子(ビックカメラ) 2勝
10位 大塲亜莉菜(NEC) 2勝
10位 永井柚衣(SGH) 2勝
10位 Lexi Kilfoyl(豊田自動織機) 2勝
10位 Megan Faraimo(トヨタ) 2勝
10位 山下千世(豊田自動織機)2勝
10位 庄司奈々(伊予銀行) 2勝
10位 鹿野愛音(タカギ北九州)2勝
10位 長谷川鈴夏(日立) 2勝

奪三振 ベスト10
1位 Carley Hoover(ビックカメラ) 53
2位 Jailyn Ford(トヨタ) 43
3位 後藤希友(戸田中央) 31
3位 Kathryn Sandercock(SGH) 31
5位 Ally Carda(ホンダ) 30
5位 Madison Penta(日本精工) 30
7位 Georgina Corrick(日本精工) 28
7位 Megan Faraimo(トヨタ) 28
9位 三輪さくら(SHIONOGI) 27
9位 永井柚衣(SGH) 27
9位 坂本実桜(日立)27

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