マリーンズ戦記2026 5月14日 ファイターズ戦(ZOZOマリンスタジアム) ベテランの意地が引き寄せた593日ぶり白星

千葉ロッテマリーンズ
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千葉ロッテマリーンズ サブロー監督 【画像提供 千葉ロッテマリーンズ広報室】

 5月14日。少し肌寒さを感じるナイターだった。先発のマウンドには2年ぶりの白星を目指す西野勇士投手が上がった。プロ18年目。今年35歳を迎えたベテランは「絶対に勝つ」と強い気持ちでマウンドに向かった。気持ちがボールに乗り移っているようだった。積極的にスイングしてくる強力ファイターズ打線相手に凡打の山を築いていった。勝利に導く魂のボールを次々と投げ込んだ。
 
 試合後、勝利監督インタビューボード前に姿を現したサブロー監督は開口一番、「西野投手、素晴らしかったですね。ベテランらしいというか。意地を見た投球内容でした」と絶賛した。そして「彼にとっても大きいし、チームにとっても大きい白星。打線も積極的に打って活発だった。それは西野のピッチングに勇気づけられたというのがある。もちろん、西野も初回から打ってもらって楽になったと思う」と安堵の表情を見せた。チームの連敗を3で止める勝利は西野自身にとっても嬉しい2年ぶり。実に593日ぶりの勝利。負ければ借金10となっていただけに、大きな、大きな勝利だ。
 
 最終回もマウンドに向かった。球数も80球にも満たず、完投勝利も見えていたが先頭に本塁打を打たれ、3点差となった時点で抑えの横山陸人投手を迷わず投入した。これは首脳陣が事前に決めていたプランに基づく起用だった。
 
 「決めていた。予定通りといえば、予定通り。完投させたいという思いはもちろんあったのですけど、横山が中4日あいていた。前回、1週間あけて失敗したので、セーブシチュエーションなど投げられる状況なら投げさせようと思っていた」と説明した。
 
 5月8日のホークス戦(みずほPayPayドーム)で横山になかなか登板する状況がなかったため、中8日をあけて投入もサヨナラ負けを喫した。指揮官の脳裏には悔しい想いが深く刻まれた。その時の反省から状況がそろえば、間隔があくのを避ける目的もあり、積極投入しようと決めていた。この日はその事前の取り決め通りの場面がやってきた。最後は2点差まで詰め寄られ、なおピンチの状況となったが最後の打者を空振り三振に仕留めた。勝利の瞬間、ベンチは喜びの絶叫に包まれた。
 
 打線も指揮官の思惑通りに躍動した。初回、1番に起用した髙部瑛斗外野手が左前打で出塁をするとすかさず二盗。一死後、西川 史礁外野手の右前適時打で1点を先制した。
 「藤原が離脱して誰を1番に起用するか考えた中で髙部がいい打撃をしてくれた。いい時の髙部。状態がいいなら彼が1番を打つべき。今はだいぶ良くなっている。だから1番にした」と振り返った。
 
 そして二死後、前日試合後にアドバイスを送った佐藤都志也捕手が5号2ラン。幸先よく2点を追加し初回に3点。試合を優位に進めることが出来た。「いいですね。(佐藤都志也は)初めてホークス戦以外で本塁打を打った」と笑った。そして「彼は打つとリードも冴える。ウチでは数少ない引っ張れるバッター。どうしても長打不足という課題の中で、頼もしい」と目を細めた。
 
 他にもこの試合の打のヒーローは多い。小川龍成内野手も3安打。「小川はずっと頑張っている。このまま、維持して欲しい」と指揮官も褒めた。まさに今年の打線のキーマンの一人だ。西川も明らかに打線が上向き。六回にレフトスタンドに2号ソロを放ち、突き放した。「きょうは思いっきり引っ張っていいよという話をした。あのホームランは彼も、嬉しかったんじゃないかな」と満足そうに口にした。
 
 ファイターズ戦2連敗と嫌な流れで迎えた試合。徳俵まで追い詰められながら、投打が意地を見せ、盛り返してみせた。「今日は本当にナイスゲーム。コーチとみんなで考えながらやって、今日はいい形で出来た。これを明日以降も続けていく」と会見を締め、力強く踵を返し明日へと向かった。苦しい戦いが続く5月。しかし苦しい中で、多くの学びやキッカケを得て、ヤングマリーンズは大きくなっている。肌寒い一日だったがグラウンドは熱く燃えていた。反転攻勢の始まりを予感させる一日だった。

文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原 紀章
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