【柏レイソルアカデミー】 日立台の芝生を利活用!アカデミー選手による『田植え体験』活動レポート

柏レイソル
チーム・協会

【©️KASHIWA REYSOL】

柏レイソルが取り組む循環型農業プロジェクト

 5月5日、柏市内の田んぼに、柏レイソルアカデミーU-10(小学4年生)、U-11(小学5年生)の選手たちの元気な声が響いた。ゴールデンウィークの青空の下で行われたのは、柏レイソルが取り組む循環型農業プロジェクトの一環として実施された田植え体験だ。

 裸足で田んぼに入った子どもたちは、最初こそ泥の感触に戸惑いながらも、少しずつ慣れ、仲間たちと笑顔を交わしながら苗を植えていった。
 レイソルU-11の猪股飛雄馬選手は、「最初は、地面が柔らかくて、苗を最初に入れた瞬間、抜けちゃうかなと思いました。だんだん慣れていったけど、結構難しかったです」と振り返る。

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 今回の取り組みの特徴は、単なる田植え体験にとどまらない点にある。実は、この田んぼには、ホームスタジアムの三協フロンテア柏スタジアムや練習場で刈り取られた芝生を活用した堆肥が使用されている。
 スタジアムの芝を管理するグリーンテック株式会社では、2018年から、スタジアムや練習場で発生する芝生残渣を、株式会社柏染谷農場の協力のもとで堆肥として再利用してきた。これまで産業廃棄物として処理されていた芝は、柏染谷農場へ運ばれ、食品残渣や籾殻、糠、牛糞堆肥などと混ぜ合わせ、発酵させることで肥料として活用される運びとなった。

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 グリーンテック代表取締役の張ヶ谷政喜さんは、「練習場とスタジアムの両方で、毎日のように芝刈り機は動いており、年間300回ほど運んでいます」と、日々の芝管理について説明する。
 さらに、「微生物が分解して、それが土になります。それをまた田んぼに戻すという作業を染谷さんがされていますが、1年ぐらいかかります」と話し、「きちんと田んぼに戻して、そこでまた作物を作って循環しているのは、私の知る限りでは聞いたことがないですね」と、この取り組みの特徴を語った。

 受け入れている芝は年間約40トンに及ぶという。柏染谷農場代表取締役の染谷茂さんは、「いろいろなものを混ぜた方が堆肥としてはいいんです」と説明しながら、田植えに取り組む子どもたちの様子を見守っていた。

「今はお金さえあればなんでも買えるので、食べ物には困りません。でも食べ物は大変な思いをしてできている、子どもたちにそれを感じてもらえたみたいでよかったです。今後、食料事情がどうなるかわかりませんが、子どもたちがいろいろと考えるきっかけになってくれればと思います」(染谷さん)

年間40トンもの芝生の残滓を1年かけて堆肥化する 【©️KASHIWA REYSOL】

アカデミー選手に「サステナビリティ」を学ぶ経験を

 今回植えられたのはコシヒカリ。収穫は9月頃を予定しており、収穫した米はクラブハウスの食堂でアカデミー選手たちに提供される予定だ。
 柏レイソルの山崎和伸代表取締役社長は、「レイソルアカデミーではサッカーを通じて、人格形成や体力面の向上を考えておりますが、サッカーだけではなくて、いろいろな体験を通じて、幅広く、知識や経験を身につけてもらいたいという趣旨で実施しました」と、今回のプロジェクトの狙いを説明した。

 また、「地域の皆さんのご協力を得て、いろいろな経験をさせていただいています」と感謝を口にし、「ピッチで刈った芝が堆肥として利用されているということを伺いまして、もう少し先のことも経験してみようということになりました」と、クラブの循環型農業への取り組みと同時に、アカデミーの子どもたちの田植え体験を実施した経緯を明かした。

3月にはスタジアムで農業体験への授業を実施 【©️KASHIWA REYSOL】

アカデミー選手たちにはサッカーだけでなく、さまざまな知識や経験を得られるような教育も続けている 【©️KASHIWA REYSOL】

 猪股選手も、今回の体験を通じて新たな気づきがあったという。
「今までは捨てられていた芝を、リサイクルして(肥料として)使うということを知りました」
 さらに、「僕は合宿に行ったときに、ご飯を残しちゃうことがあるのですが、こういう体験をして、残さずにご飯を食べようと思いました」と話していた。

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 環境への配慮、地域とのつながり、そして未来を担う子どもたちへの学び。今回の取り組みには、柏レイソルが掲げるサステナビリティの「環境」「人」「地域」という考え方が詰まっている。
 春に植えられた苗は、これから夏を越え、秋には実りの時を迎える。そして子どもたちは、自分たちの手で植えた米を収穫し、クラブハウスの食堂で味わうことになる。
 日立台の芝から始まった循環は、田んぼを経て、未来を担う子どもたちへとつながっていく。柏レイソルはこれからも、地域の協力を得ながら、サッカーの枠を超えたさまざまな活動を通じて、「環境」「人」「地域」と向き合っていく。

取材・文:鈴木 潤(柏レイソルオフィシャルライター)

左から「グリーンテック 張ヶ谷政喜さん」「日立柏レイソル 山崎和伸」「柏染谷農場 染谷茂さん」 【©️KASHIWA REYSOL】

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著者プロフィール

1940年に母体となる日立製作所サッカー部が創部、1995年にJリーグに参戦。1999年ナビスコカップでクラブ史上初タイトルを獲得。ネルシーニョ監督のもと、2010~2011年には史上初となるJ2優勝→J1昇格即優勝を成し遂げる。さらに2012年に天皇杯、2013年に2度目のナビスコカップ制覇。ホームタウンエリアは、柏市、野田市、流山市、我孫子市、松戸市、鎌ケ谷市、印西市、白井市の東葛8市。ホームスタジアムは、柏市日立台の「三協フロンテア柏スタジアム」。主な輩出選手は、明神智和、酒井宏樹、中山雄太。

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