ジャパンパラ全勝優勝の車いすラグビー日本代表、「全員ラグビー」の結束力を強め再び世界一へ!
決勝は序盤からリード
中谷英樹ヘッドコーチ(HC)は、今大会の強化ポイントの一つとして立ち上がりの強化を挙げていた。
迎えた決勝戦。数あるラインナップの中から、池透暢(3.0)、池崎大輔(3.0)、乗松聖矢(1.5)、長谷川勇基(0.5)の4人を先発としてコートへ送り出す。日本はアメリカのキープレーヤーであるサラ・アダム(2.5F)の進路を封じ、いきなりターンオーバーを奪うことに成功した。
激しいディフェンスで主導権を握った日本は、その後も橋本勝也(3.5)や小川仁士(1.0)らを擁するラインで攻撃の手を緩めることなく応酬。第1ピリオドを14-10とし、大きなリードを奪う理想的な展開を見せた。
もう一つは、パリ大会後のルール改正——「コート上4選手の合計持ち点8.0点以内」という制限に対し、女子ローポインター(0.5-1.5)起用時の0.5点加点はそのままに、女子2.0点以上の選手起用時に1.0点の加点が認められる新ルールを最大限に活用したラインナップの強化だ。
エースの橋本は、中町俊耶(2.0)、西村柚菜(2.5F)、小川仁士(1.0)もしくは若山英史(1.0)で構成されるラインに、未完成ながらも確かな手応えを感じていると語る。
共同バイスキャプテンの小川は、現状を「もうちょっと流れをうまく作れたらよかった。(とくにオフェンスで)チグハグな部分がある。一瞬の迷いで(動きが遅れてしまい)相手にいいディフェンスをされてしまう」と厳しく振り返りつつも、さらなる伸びしろがあることを強調した。
新しいラインの可能性
この新ラインにおいても、決勝の先発ラインにおいても、欠かせない存在が豊富な運動量を備える乗松だ。コート外でもリーダーシップを発揮し、「チャレンジした上でのミスは全然大丈夫」と、若手の潜在能力を引き出そうとしている。
さらに注目すべきは、これまで大黒柱として日本代表を牽引してきた池が、アシスタントコーチとしての役割も担うようになったことだ。池は選手として第一線でプレーしながら、戦術を執るコーチ陣のひとりとして不可欠な存在となっている。
「日本にはすべてを担ってくれる素晴らしい中谷HCがいるので、アシスタントとしての役割には自分自身も迷いながらやっている。ただ、(HCの)目が届かない部分のケアや、若手選手のメンタルを整え、いい状態でコートへ送り出すための言葉かけなど、選手(兼任)の立場だからこそできることから取り組んでいるところです。もしものときに中谷さんの代わりを務め、少しでもチームを助けられるよう、これからも学んでいきたいと思っています」
新ルールの戦略的活用による女子選手や若手の台頭、そして池のアシスタントコーチ就任といった新たな体制構築は、すべて2年後のパラリンピック連覇、そして目前に控える世界選手権での王座奪還という明確な目標に向けられている。
text by Asuka Senaga
photo by X-1, Atsushi Mihara
※本記事はパラサポWEBに2026年5月に掲載されたものです。
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