【日大準硬式野球部】世田谷区地域連携×東京農大一中軟式野球部との「合同練習」〜野球の魅力と伝えたい想い〜
普段から世田谷八幡山寮で練習に励む準硬式野球部にとって、地元の中学生とのコラボレーションは初めての試みだ。東京農大一中野球部部長と、日大準硬式野球部コーチの同世代ホットラインから実現した貴重な合同練習の風景を取材した。
自ら参加に手を挙げた7名の部員「練習メニューは学生主体で」
「普段、中学生に教える機会がないので、自分が教員になって教える立場になった時にこの経験が生きると思いました」
今回のメニューは主に守備練習に重きを置いたもの。野球の基本中の基本であるキャッチボールから始まり、投手、捕手、内野手、外野手とポジション別に分かれて細かい練習に入っていく。
練習を見ていると、特に「基礎の振り返り」に重点を置いているのが印象的だった。ボールの投げ方、捕球の際の体の動かし方、ストレッチの方法など、大学生は中学生と同じ目線に立ち、「なぜこの練習が必要なのか」「これが出来ればこんな事ができるようになる」と、ゆっくり丁寧に必要性を伝えていた。
全ての練習メニューは準硬式野球部員が自ら考えて実践している。普段から「学生主体」をモットーとする部員達の姿勢が、このような場でも存分に生きている。最初は少し距離を感じていた中学生も、大学生が熱心に語りかけるうちに少しずつ打ち解けていった。
投手班の藤芳は「成長期の中学生は怪我をしやすいので、それを防ぐためのストレッチの方法についても重点的に伝えました」と、中学生の体を気遣う。
練習を見ていて気がついたのは、特に「会話」に時間を使っていたことだ。練習の必要性と理由を、中学生が納得いくまで言葉で伝えながら丁寧に接している姿があった。
「何も考えずに教えられたことだけをやればいい」ではなく、「なぜこの練習が重要なのか、これで何が変わるのか」を言葉で理解させることで、練習の質は格段に上がる。練習が終わる頃には、中学生から進んで質問をする姿も見られるようになった。
捕手の清水僚太(スポーツ2・鹿島学園)は、2名の中学生に捕球の仕方やスローイングの基礎について、言葉を選びながら積極的に声をかけていた。中学生から「野球で一番大事にしていることは何ですか?」と問いかけられると、「正確で安定した守備を大事にしているよ」と真摯に答えていたという。
カテゴリーを超えた交流が生む「双方の学び」
「好きな野球で学んだ事が、勉学など他のことでも役に立つようにしたい。そして、教わったことを自分の言葉でアウトプット出来る力をつけてほしいと願っています。準硬式野球が学生主体で活動を行なっているのは知っていました。今日来てくれた7名も自分の意思で参加してくれたことに価値があります。教える側、教わる側、双方に学びのある時間になってくれたと思います」
千葉晃大さん(主将・捕手)
「大学生と練習が出来たことはとても大きな刺激になりました。僕は主将としてチームをまとめる立場ですが、『部員の個性を前向きに捉えてみたら』という精神的なアドバイスももらえて良かったです」
根岸桜真さん(中学生から野球を開始)
「野球が楽しいです!大学生が伝えてくれる言葉がわかりやすくて、すごくいい時間でした。これからの試合で生かしていきたいです」
樋浦環さん(チーム唯一の女子選手・投手)
「変化球の投げ方や投球フォーム、知らないストレッチについても教えてもらえました。また、大学生は普段の生活の中にも野球に繋がる部分があることを意識して実践していたので、私もそれを取り入れていきたいと思います。(野球を続けている理由は)上手くなったと実感できた時がとても楽しいからです」
価値ある合同練習という時間
宮崎の「自分の振り返りになります」という言葉が示すように、教える側の大学生達にとっても、自身の基礎や野球への姿勢を見つめ直す貴重な機会となったはずだ。
「野球の楽しさ」が世代を超えて伝播していく。地域連携によって生まれたこの時間は、双方にとって想像以上に大きな価値を生み出したに違いない。
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