屈強な体の裏にある素直な思い。33歳になっても「ずっとチャレンジャー」

コベルコ神戸スティーラーズ 小瀧選手 【🄫ジャパンラグビー リーグワン】

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン1 第17節(リーグ戦)カンファレンスB2026年5月2日(土)14:30 東大阪市花園ラグビー場 (大阪府)コベルコ神戸スティーラーズ vs 三重ホンダヒート

コベルコ神戸スティーラーズ(D1)

194cm/111kg。「屈強」という言葉を絵に描いたような男から、想像もできない言葉が聞こえてきた。
「今まで、あまり自信をもてずに来ています」
コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)の小瀧尚弘。「(帝京大学から東芝ブレイブルーパス[当時]に加入した)1年目はほぼ試合に出ましたし、怖いものがありませんでした。(トップリーグ)新人賞ももらいましたし、そこが僕のラグビープレーヤーとしてのピークですね」。6月で34歳を迎えるロックは、苦笑まじりに振り返る。
小瀧がラグビーを始めたきっかけは、中学時代に所属したサッカー部の先生から渡された一本のビデオテープ。伏見工業高等学校(当時)対東福岡高等学校の試合映像だった。
「東福岡の正海智大さんっていうウイングが、裏にボーンと蹴って、走って、トライして。『これ、カッコいい!』って思いました」
憧れをもって進んだ鹿児島実業高等学校。「足が速かった」小瀧の希望はもちろん、ウイングだったが、「気づいたらプロップの間に頭が挟まって、ロックやってました」と笑う。当時はいまと同じ身長ながら体重は70㎏以下。コンタクトが「怖くて仕方がなかった」。それでも厳しい練習をこなし、ラグビーに熱中する立派なフォワードに成長した。
高校時代には、日本代表で98キャップを数える大野均さんらに会う機会もあった。「こんな人になりたい」「ジャパンになりたい」と羨望の念を抱き、のちに日本代表にも選ばれた小瀧は一つの夢を叶えた。だが、「喜びと同時に落胆した気持ちもありました」。現実が立ちはだかった。
「ピーク」と語った大卒1年目を経て、2年目以降は「逆にうまくいかなくなった」という小瀧。2021年に加入した神戸Sでは、5シーズンで35試合出場にとどまり、「正直、悔しい」と率直だ。順風満帆ではない。ただ、決してネガティブなわけではない。
「神戸Sには感謝しています。周りの選手はすごいし、コーチたちも飽きずにずっと面倒を見てくださいます。ラグビー選手としてレベルアップしていると思っています。あぐらをかくことなく、この歳になっても、ずっとチャレンジャーの気持ちでいられています」
「自信をもてずに来ている」と話した小瀧だが、それは、自分という存在を素直に受け入れ、苦しくとも目の前のことと誠実に向き合う者だけが口にできる言葉だ。
「器用なタイプでもないし、派手なことができるタイプでもないので、目の前のことを精一杯やるだけなんです。できないならできないなりに泥臭くやろうと思っています」
最後に聞いた。プレーヤーとしてのピーク。今季、それを更新することは――。小瀧は「試合の出場数ではもう無理ですけど」と笑顔を見せながら、こう話してくれた。
「1年目ぐらいのインパクトを出せるように頑張りたいですね」
(小野慶太)
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