前半はマインツが圧倒も、後半はバイエルンが非情なまでの決定力を発揮
主導権を握った前半のマインツ、容赦なく仕留めた後半のバイエルン
ドミニク・コール、パウル・ネーベル、そしてシェラルド・ベッカーのゴールで超満員のホームスタジアムは熱狂の渦に包まれたが、その後バイエルンのニコラス・ジャクソン、マイケル・オリーズ、ジャマル・ムシアラ、そしてハリー・ケインに次々とネットを揺らされ、鮮やかな逆転劇を許した。マインツは後半の猛攻を前に打つ手なしといった状況だったが、シーズン残り3試合となった現時点で、1部残留に向けた足取りは依然として堅実だ。
ウルス・フィッシャー監督は、ドローに終わった前節メンヒェングラートバッハ戦からスタメンを2枚変更。ニコラス・ヴェラチュニヒとアントニ・カシに代え、シルヴァン・ヴィドマーとフィリップ・ムウェネを起用して大一番に臨んだ。
試合序盤は多くの予想通り、バイエルンがボールを支配し、マインツがプレスからのカウンターを狙う展開となった。最初の15分間、両チームともエリア付近で見せ場を作れずにいたが、マインツがセットプレーから均衡を破る。アミリのコーナーキックをGKヨナス・ウルビヒが弾くも、素早く反応した佐野海舟がクロスを供給。これをコールがボレーで叩き込み、マインツが先制に成功した(15分)。週明けにパリ・サンジェルマンとのチャンピオンズリーグ準決勝を控えるバイエルンは、スタメンを大幅に入れ替えて臨んだものの、マインツのアグレッシブな姿勢に苦戦を強いられる。18分にはムウェネに決定機が訪れるも、ウルビヒが阻止。その後もバイエルン守護神は多忙を極め、ベッカーとアミリの決定的なシュートをダブルセーブで防ぐなど、防戦一方の展開が続いた。マインツの追加点は時間の問題かと思われたが、30分を前に現実となる。佐野が自陣でボールを奪い返してショートカウンターを発動。アミリのシュートは一度GKに阻まれたものの、こぼれ球に反応したネーベルが豪快にネットを揺らし、リードを2点に広げた(29分)。完全に試合を掌握したマインツの勢いに、MEWAアレーナのボルテージは最高潮に達した。
反撃に出たいバイエルンは40分、ライマーのパスを受けたアルフォンソ・デイヴィスがファーサイドでチャンスを迎えるが、トラップが乱れシュートはサイドネットへ。すると前半終了間際、再びマインツが牙をむく。またも佐野を起点に裏へ抜け出したアミリが強烈なシュートを放つと、そのこぼれ球をベッカーが至近距離から押し込み、3-0。マインツが完璧な内容で前半を折り返した。
試合の様相は前半とは一変した。王者のプライドを懸けて敗戦を拒むバイエルンが、マインツを自陣深くへと釘付けにする時間が続く。マインツも集中した守備で決定機こそ許さなかったが、最終的にはバイエルンの「個の力」が勝負を分けた。73分、フィリップ・ムウェネが右サイドでマイケル・オリーズに一瞬の隙を与えてしまう。カットインから得意の左足で放たれたシュートは、かつての名手アリエン・ロッベンを彷彿とさせる鮮やかな軌道を描いてゴールネットを揺らし、ついに1点差に。交代策で状況を打開したいマインツだったが、猛攻を前に運動量が低下。すると、わずか2分間のうちに悪夢の逆転劇を許してしまう。ムシアラとケインにそれぞれ不運な形からネットを揺らされ、一気に試合をひっくり返された。終盤、ウィリアム・ボーヴィングとネルソン・ヴァイパーを投入して決死の反撃を試みたマインツ。後半アディショナルタイムの96分には、佐野海舟がゴールを強襲するシュートを放ったが、惜しくもポストをかすめて外れた。マインツの奮闘も及ばず、3-4でタイムアップ。勝利を目前にしながら、手痛い逆転負けを喫した。
この敗戦により、マインツの残留は数学上まだ確定していない。しかし、次節に控えるFCザンクト・パウリとの直接対決を前に、その立ち位置は依然として優位だ。残り3試合という状況で、入れ替え戦圏内に沈む相手との勝ち点差は「8」。残留に向けたセーフティリードは十分に保たれており、マインツの残留決定はほぼ確実と言っていいだろう。
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