【FC町田ゼルビア】~THIS IS MY GAME~小池万次郎さん(地域振興部)
「スタンプラリーはこちらです!!」
4月11日(土)、明治安田J1百年構想リーグ第10節・柏レイソル戦。クラブの試合イベントとして昨年まで実施していた『まちだ感謝祭』から『まちだフェス』へとリニューアルされ、今年も町田にまつわるさまざまな催しがピッチ内外で開催された。
そして、この『まちだフェス』のプロジェクトリーダーとして取り仕切ったのが小池万次郎だ。町田市内54地区のご当地ゼルビーステッカーをプレゼントするスタンプラリーの実施や54地区の代表者が試合直前のピッチに入場して会場を彩る企画など、初の試みは大好評だった。
「これまで実施していた『まちだ感謝祭』からのリニューアルとして実施をするにあたり、町田に関わるすべての人々が、町田への期待や使命感を感じられるようなイベントにしたかった。『町田市民だから、まちだフェスだからこの試合は行かなきゃ』あるいは『町田ってやっぱ良いな』と思ってもらえるようなコンテンツができたらと意識していました」
入社5年目の28歳。2年目の時に『ゼルビアこどもまつり』のリーダーを務めたが、当時の苦い経験が彼を奮い立たせた。
「初めてリーダーを務めた際は、企画進行や推進の点では自身の力不足もありなかなか思うようにいかなかった印象でした。数年経ち今回のリーダーになりましたが、イベントに対する想いをメンバーに伝えることや実際にイベントを形として体現していくのは改めて難しいことだなと感じました。
ただ、その中でも今回は新しい試みとして、『ご当地ゼルビーシール』とそれに付随して町田市内を54地区に分けて代表者を募集するなど、町田に特化したイベントを企画しました。『ご当地ゼルビーシール』のブースでは、自分の住んでいる町、通勤通学している町や、スタジアムに意識をもち(町田GIONスタジアムがある)野津田町を選ぶ姿を見て、ファン・サポーターの皆さまから町田愛、町田プライドを感じました。様々な方のご協力もあり、少なからずクラブを通して町田を表現することはできたのではないかと思っています」
クラブのアカデミーで中学校と高校の6年間を過ごしていた中、目標としていたのはもちろんFC町田ゼルビアでのトップ昇格。その願いはかなわなかったが、「いつかはゼルビアに戻りたい」と大阪の大学でもサッカーを続けて夢を追い続けた。
結果的に大学卒業後は、サッカーの実業団チームを持つ企業に就職。仕事をしながらプレーに打ち込む選択をしたものの、不測の事態が小池を襲った。新型コロナウイルスである。
「大学を卒業するタイミングでコロナ禍に入ったような状況でした。そこから世間的にもコロナで規制が厳しくなり、サッカーの活動も会社の社員なので、会社から『No』と言われるとまったく活動ができない。実業団に入ったものの、プレーができない。練習もなければ、試合もできない状況でした」
サッカーがしたくてもできないモヤモヤとした日々。転職しようにもまだ大学を卒業して日が浅い小池には、ツテもなければコネクションもない。だが、運命とは不思議なもので、ここで大きな転機が訪れる。ゼルビアからの社員としてのオファーだ。
「僕からのアクションではないので偶然としか言いようがないのですが、アカデミーOBということもありゼルビアユース時代の恩師である竹中穣さんから声をかけていただき面接を経て、入社する運びとなりました」
2022年1月、小池のゼルビアでの時計の針が再び動き出した。
「いつかは、どんな形でも良いから、ゼルビアに戻りたいと思っていました。もちろん、一番は選手としてですが、まさかこういう形で戻ることになるとは想像していませんでした。それが叶ったのは、縁があると言うか、すごく嬉しかったのを覚えていますね」
地域から愛される存在へ
配属されたのは、マーケティング部地域振興課(※現在は地域振興部 地域振興課)。前職ではPCに携わる機会がほとんど無かったため、入社当初は慣れるのに苦労したが、持ち前の明るいキャラクターを生かせることや人との交流が好きな性格が地域振興の仕事に合っていた。1年目から町田市内の小学校に訪問してサッカー教室などを実施するだけでなく、市内でのイベント、店舗へ直接出向いてはゼルビアのポスター掲出のお願いに奔走する日々を送った。
体を使う地道な活動だが、暑い日も寒い日も積極的に外に出ては地域の人たちや小学生と交流し、ゼルビアを浸透させる仕事の効果は年を重ねるごとに実感していく。
「地域の方ももちろんですが、特に学校では、先生や子どもたちがゼルビアのウェアを着て登校してくれたり、授業を行ってくれているのが、目に見えて増えているのが分かる。チームが残してくれている成績やこれまでの取り組みが積み重なった結果だと思いますし、自分が今までやってきたことも一つの貢献になっているのかなと感じます」
今や試合日にスタジアム外のイベント会場を歩けば、ゼルビアのファン・サポーターや子どもから「万次郎さん!」、「万次郎コーチ!」と声をかけられることも多い。それも彼がこれまで実直に明るく地域と向き合ってきた成果だ。
「地域振興の業務で関わる人々にはファン・サポーターの方、地域住民、子どもたちや学校の先生など様々な方々がいます。皆さまと日々交流するうえで、クラブを背負って会う以上は、僕を通してクラブを好きになってほしいし、興味、関心を持ってもらうことを心がけています。僕はコーチと言えるほどコーチではないですが、子どもたちが『万次郎コーチ』と声をかけてくれるのは嬉しいですね」
だが、小池のようなクラブスタッフが地域に出向き、触れ合い、溶け込んでいき、ゼルビアの存在を身近に感じてもらうことも重要な役割だ。それがファンを増やすことにも繋がっていく。『町田=FC町田ゼルビア』と言われるために、本人はまだまだ満足していない。
「これまでしっかりとステップアップして、FC町田ゼルビアとして子どもたちあるいは教育機関の中での存在感が増してきていると思っています。街づくり、健康、福祉、環境という分野ではまだまだできること、やらないといけないことがあると思っています。子どもたちのところで今はある程度の成果が出せていると思うので、そこは継続しながら他の分野でもさらにクラブが貢献できる活動やイベントを推進していきたいと思っています」
本人が大事にしていることは、やはり町田のため、地域を盛り上げることだ。
「僕たちはホームタウンが町田市のみだからこそ、活動の打ちやすさがありつつも、町田市の人々にどう届けていくか、そのためにどうすれば良いかを常に考えないといけない。
イベントを企画する時には目的や意義をブラさないことが大事だと思っています。単純にクラブをPRするだけでなく、例えば町田市の人々が健康になるきっかけ、町田を好きになるきっかけなどを付け足して活動することを意識しています」
社内でも随一のムードメーカー。今後の目標もやはり明快だ。
「僕のストロングは『元気』。社内外を問わず、明るくいられること。言葉や文字では当たり前に思われるかもしれませんが、意外と難しいと思っています。日々、仕事や生活をする中でもちろん嫌なこともあるし、うまくいかないこともあるけれども、それを飲み込んで、周りの人に明るくできるのは一つの武器だと思っています。今後もクラブや自分自身の状況は常に変化していくと思いますが、クラブの『元気印』を目指して頑張ります。
もう一つは、より多くの人々に自分を通してFC町田ゼルビアの存在価値を知ってもらい、自分自身も信頼されるクラブスタッフになっていけたらと思います」
地域を愛し、愛される存在へ──
町田市民の日常にFC町田ゼルビアが寄り添えるように、小池のその足は今日も町田のどこかへ向かっている。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ