「アイツの得意な“真っ向勝負”に付き合ってやってもいい。だが、最後はタカギがオレの王冠にキスすることになる」5月4日 (月・祝) 福岡の初防衛戦を前に、“史上最年少IWGP王者”カラム・ニューマンに直撃インタビュー!
瞬く間に新日本プロレスの頂点に立った、最強最速の“プリンス”は、いま何を思うのか?直撃ロングインタビュー!
聞き手/鈴木佑
撮影/山本正二
■『ナッツRV Presents レスリングどんたく 2026』
5月03日 (日) 16:30開場 18:00開始
福岡・福岡国際センター
福岡・福岡国際センター
※「ロイヤルシート」は完売
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■4.4両国の勝因?ツジの言葉を借りるなら“覚悟”なんじゃないか?
カラム 正直、タフな試合の連続で身体中が痛いよ。ヒジに背中、とくに手首のダメージが大きい。でも、このベルトの王者として人生で一番大きな幸せを感じているから、こんな痛みぐらいはどうってことないね。
――手首のダメージは何が原因で?
カラム おそらく『NJC』決勝のウエムラ(上村優也)との試合だと思う。最後にMAKE WAYを決めたときに、やりなれていないニューフィニッシャーということもあってか、痛めた可能性が高い。ウエムラを叩きつけた瞬間かもしれないな。でも、あの一発で強烈な技だというのを知らしめることができたと思う。
――『NJC』では準決勝で海野翔太選手、優勝決定戦で上村優也選手、そして4.4両国で辻陽太選手と、新世代と呼ばれる選手たちをなぎ倒して栄冠をつかんだことについては?
――4.4両国、辻戦の勝因はなんだと思いますか?
カラム ツジの言葉を借りるなら“覚悟”なんじゃないか? オレは試合前日の記者会見で言ったとおり、このベルトを獲るためにはどんなことでもする覚悟があった。その覚悟の差が結果に表れたと思っている。
――辻選手とは昨年の『G1 CLIMAX』公式戦で敗れて以来のシングルでしたが、そのときと比べていかがでしたか?
カラム ツジは才能にあふれたレスラーだし、実際にIWGPヘビーのすばらしいチャンピオンだった思う。ただ、ツジは前回『G1』で戦ったときから、とくに変化を感じる部分はなかった。強いていえば、IWGPヘビーとIWGP GLOBALヘビーのダブルチャンピオンとなり、周りに持ち上げられるがあまり、自信過剰になっていたのかもな。そこにアイツのスキが生まれた。
――そこが勝負の分かれ目になったんじゃないかと。
――ただ、辻選手が繰り出した断崖式のカーブ・ストンプで、カラム選手の動きが止まる場面もありましたが、さすがにあれはダメージが大きかったのでは?
カラム たしかに強烈だったな。場外マットに激突する瞬間、少しでもディフェンスしようと腕でガードを固めたが、汗ですべって頭をモロに打ちつけてしまった。そのあと、しばらく意識が朦朧としていたが、なんとかリカバリーすることができた。
――フィニッシュはMAKE WAYでしたが、その直前に急所蹴りを繰り出したことについて、一部から批判の声もあるようですが?
――前哨戦では見せなかったダーティーファイトを、勝負どころで繰り出したと。
カラム でも、レフェリーは見ていなかった。つまりオレのほうがツジよりクレバーだったってことさ。まあ、プロレスファンは好き放題にいえばいい。そもそも、オレはこれまでファンにはさんざん「オマエは若すぎる、まだ早い」と見下され、SNSで罵声を浴びせられてきた。どんなこと言われたか、ここじゃ言えない。子どもたちが読むかもしれないしな(笑)。
――厳しい意見を乗り越えての王座戴冠ということですね。
カラム とにかくオレは、いまさら周囲に何を言われようが気にならないし、むしろイラ立つのがおもしろいとさえ思ってる。オレはこれからも自分のやりたいことをやり続けるだけだ。
――新日本マットでダーティーファイトを使うユニットとしてはHOUSE OF TORTUREもいますが、何か思うことは?
カラム オレはアイツらとは何もかも違うと思ってるし、UNITED EMPIREのすべてがHOUSE OF TORTUREのすべてよりも優れている。オレたちはそれぞれ異なるレスリングスタイルを持っているが、アイツらは似たり寄ったりだ。何人もメンバーを乱入させたり、何人もレフェリーが変わったりするような試合を、オレたちはしないし、一緒にされたら困るよ。
■15歳の頃からオスプレイに厳しく指導されてきたが、彼としては自分から学んだ技術でツジを仕留めてほしかったようだ
カラム オレは15歳の頃からオスプレイに厳しく指導されてきたが、彼としては自分から学んだ技術でツジを仕留めてほしかったようだ。戦前にオスプレイはオレを100%サポートすると言っていたから、止められた瞬間は腑に落ちない部分もあったが、ベルトを巻いたいまとなっては、べつに大きなわだかまりはない。
――実際に試合後はオスプレイ選手と抱擁し、共に涙を流し喜びをわかちあっていましたね。
――カラム選手は以前、新日本マット復帰を宣言したオスプレイ選手に対し、複雑な感情を持っているというお話をされていましたが、氷解したかたちでしょうか?
カラム ああ……どうなんだろうな。今回、リョーゴクまで駆けつけてくれたことで、気持ちが変わったのは間違いない。そもそもオスプレイはニュージャパンに戻って来ることを、オレに知らせていなかったんだ。オレはUNITED EMPIREのリーダーであるオスプレイがいなくなってから、ユニットを立て直すためにどんな思いでリングに上がってきたのか、それを無視されたような気持ちになった。
――オスプレイ選手が1.5大田区総合体育館でUNITED EMPIREへのサポートを申し出たときは、微妙な反応をされていました。
――そういえばオスプレイ選手が両国のバックステージでUNITED EMPIREのメンバーたちに「じつは仕事でトラブルに巻き込まれた、手を貸してほしい」とお願いすると、カラム選手は「バーに行こう」と持ちかけていましたね。
カラム そのトラブルが何かっていうのは、じきにわかるはずだ(※両国大会から3日後、カラムとHENARE&フランシスコ・アキラがAEWに参戦し、オスプレイとタッグを結成。オスプレイと因縁深いデスライダーズのジョン・モクスリー&クラウディオ・カスタニョーリ&PAC&ウィーラー・ユウタ組から勝利を収めている)。
カラム オスプレイがオレの“兄貴分”であるのは絶対に変わらないよ。でも、いまのUNITED EMPIREのリーダーはまぎれもなくオレだ。とはいえ、初期メンバーであるグレート-O-カーンやHENAREにとって、オスプレイは特別な存在なのは間違いないだろう。今後のオスプレイとUNITED EMPIREのありかたについては、もう一度話し合う必要があるとは思っている。
■プロレスファンだった頃からDRAGONGATEをよく観ていて、とくにシンゴ・タカギのスピーディーでパワフルなファイトに魅力を感じた
カラム べつにAEWを悪くいうつもりはない。ただ、会社の規模はともかくリング上に関していえば、基本的にオレはニュージャパンのほうがAEWよりも優れているとは思っている。IWGPヘビー級王者のオレがいま言えるのは、そのくらいだな。
――頂点のベルトを巻く王者として、新日本のほうがレベルは上だと言いたいと。そして、そのベルトの初防衛戦として5.4福岡国際センター『レスリングどんたく 2026』では、鷹木信悟選手を迎え撃つことになりました。
カラム シンゴ・タカギ……、オレにとっては思い入れのある選手の一人だ。
カラム オレはプロレスファンだった頃からDRAGONGATEをよく観ていて、とくにシンゴ・タカギというレスラーのスピーディーでパワフルなファイトに魅力を感じたし、彼がニュージャパンに移籍してからのキャリアもずっと追ってきた。
――カラム選手がDRAGONGATE好きなのは有名ですね。
カラム いま思うとおかしな話だが、オレは10代前半の頃はプロレスというものはイギリスにしかないと思っていたんだ(笑)。でも、ネットでプロレスリング・ノアと出会い、最初はマルフジ(丸藤正道)に夢中になった。それからジャパンのプロレスに興味を持つ中でDRAGONGATEを知り、時速100マイルでリングを駆け回る男たちに魅了された。タカギのほかにもB×Bハルク、マサト・ヨシノ(吉野正人)……。
――あなたのスピード感あふれるロープワークは、2021年に引退された吉野正人さんを彷彿させるというか。
カラム じつはヨシノサンには以前、オーサカ(大阪)で会ったことがあるんだ。彼に動きを参考にさせてもらっていると伝えると、「サイズの大きいキミのほうが、むしろ速いよ」と言ってもらえて光栄だった。
――“スピードスター”の異名を持った吉野さんのお墨付きだと。
カラム タカギもヘビー級の中ではオレには及ばないまでも、かなりのスピードを持っている。オレがニュージャパンに上がる前、タカギがオスプレイと『BEST OF THE SUPER Jr.』の優勝決定戦や、IWGP世界ヘビーを懸けて戦ってきた姿も興味深く見つめてきた。
――鷹木選手からも影響を受けた部分は大きそうですね。
カラム イギリスのインディー団体に上がってた頃のオレは、タカギのMADE IN JAPANをフィニッシャーとして使っていたし、駆け出しの頃は参考にさせてもらったものさ。
――では2年前の『G1 CLIMAX』公式戦(7.27長崎)で鷹木選手と初めてシングルで対戦したときは、思うものがあったのでは?
――鷹木選手からもお墨付きをもらったと。
カラム そもそもオレが21歳でオスプレイに連れられてニュージャパンに来たとき、初戦(※2023年9月8日・後楽園ホール)のタッグマッチの相手の中にタカギもいたんだ。まあ、当時のオレはUNITED EMPIREの見習い扱いで、何もできない感じだったけどな。
――その初来日から約2年半で、あなたは新日本の頂点のベルトを巻く王者として、鷹木選手を迎え撃つことになりました。
カラム くしくも5年前の同じ大会で、IWGP世界ヘビー級王者だったオスプレイがタカギを沈めているが、不思議な巡り合わせを感じるね。なんにせよ、いまのオレはタカギよりもパワフルかつスピーディーで、誰よりも優れた選手となった。
2年前の『G1』でタカギに勝ったときのオレは、自分がオスプレイの“弟分”であることを意識したファイトスタイルだったが、あの頃よりもさらに進化している。それをタカギは思い知ることになるだろう。
――2年前とはまた異なる試合展開となりそうですね。
カラム アイツの得意な“真っ向勝負”に付き合ってやるのもいいかもしれないな。タカギのパンピングボンバーは、おそらくニュージャパンでもっとも威力があるラリアットだと思っている。
でも、見てわかるとおり、オレの“Kiss the crown”(※カラムのラリアット)もドンドンと威力を増してきている。まあ、どんな試合展開になろうとも、最後はタカギがオレの王冠(※手首に施されたタトゥー)にキスをすることになる。
カラム 家族は守るべき存在なのは間違いないが、そんなことをあの場でわざわざ言う必要があったのか、きっとタカギは後悔することになるだろう。ワイフがいるのはけっこうなことだ、オレにはいないからな。でも、オレには守るべきベルトがあり、タカギが泣きながらワイフの元に帰るまで徹底的に痛めつけてやる。
――カラム選手は史上最年少王者として歴史に名を残したわけですが、最後に今後の野望を伺わせてください。
カラム これまでと同じく、オレは歴史を塗り替え続けていく。“THE PRINCE”は誰もなし得なかった道を作っていくんだ。どこまでこのベルトを保持するか、オレのことが嫌いなヤツはイライラしながら、その道をよく見とけ。(了)
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