<国内男子ゴルフ>震災から10年「熊本の役に立ちたい」アトムの願い
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熊本県出身の重永亜斗夢(しげなが・あとむ)は、千葉県長生郡睦沢町の「MZ GOLF CLUB」にいた。
次週の23日から本戦が始まる「前澤杯 MAEZAWA CUP」は、開幕まで10日間の超・ロングプロアマ戦が行われるのが大きな特徴だ。
重永は、うち7日間で参加。
12日に熊本を経ち、13日月曜から3日連続でプレーし、16日はいったん休んで、本戦までまた4日間、続けてラウンドする。
なかなかの過密日程だが、「僕は苦じゃない。むしろプロアマ好きなんで。プレーしながらお話するのが楽しいし、この出会いが今後の僕の人生に、どう左右するかわからないので」。
「アトムプロって、こんなに喋る人なんですね!」。
本戦に入ればやっぱり真剣勝負。
「怖い顔をして、無口で、っていう…。試合中は懸命ですからね。でも、なんならむちゃくちゃ喋るほうが僕の素なんで。そういうところも見せられて、楽しい、と言ってもらえてファンになってくださる方もいる、というのがプロアマ戦のだいご味です」。
中にはこのあと「ナイターゴルフに行く」というツワモノもいて、その熱量にも可能性を感じる。
「それほどゴルフを愛する方々に応援していただくことで、僕らの人生も豊かになる」。
まして昨年のQTはサードで敗退。ツアーの出場権もままならない今は、主催者推薦をいただく身。
「こんな機会をいただけることに感謝したい」と、渾身プレー。
アトムは本戦前から10万馬力だ。
いまから10年前。
震度7の大地震が最初に故郷を襲った4月14日は、開幕戦「東建ホームメイトカップ」の初日で首位発進した日。
さらに、2日後の16日に、再び震度7を観測。家族を案じて泣きながらプレーを続けて重永は4位、永野は3位と2人で粘った日のことは、今も忘れない。
そして、その2年後の2018年「東建ホームメイトカップ」で今度はツアー初優勝。
三重県の会場に駆けつけてくれた家族と最良の日を迎えたが、10年後の今は、出場権すら持たない。
故郷のために尽力したが、陥落中の今は、まず自分のことで精いっぱいの状況だ。
当時、重永の留守中に自宅で被災し、車中泊で不安な日々を経験した妻や娘たちは、10年経った今も少しの揺れでも身構えおびえる。
10年目の熊本市内の街並みも、もうほとんど当時の爪痕を残さないように見えても、まだ復興なかばのシンボル・熊本城を見上げるたびに、「当時の被害がいかに甚大だったかが思い起こされます」と重永。
持病の潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)は幸い小康状態でも、37歳の今は年齢からくる腰痛や、股関節痛に悩まされてなかなか思うがままにはならないが、「またいつか必ず復活して、熊本のために役立ちたいです」。
10年目の今も故郷への思いがアトムの原動力だ。
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