【物語りVol.180】リーグワン第14節レビュー 札幌でラビリンスから脱出
東芝ブレイブルーパス東京では、多くの皆さまにクラブのことをより知っていただくために、今シーズンもライターの戸塚啓さんにご協力いただき、選手・スタッフ一人ひとりの「物語り」を発信しています。
■「北海道ラグビーの日」を誰もが楽しんで
NTTジャパンラグビーリーグワン2025-26 第14節、浦安DR戦が26年4月5日に大和ハウス プレミストドーム(北海道)で行なわれました。
この試合は東芝ブレイブルーパス東京のホストゲームです。『北海道ラグビーの日』のコンセプトに基づいて、キックオフ前からイベントが目白押しです。
まずは11時から、オープニングゲームとして女子7人制ラグビーが行なわれました。北海道高校女子選抜対ブレイブルーヴ ユース、北海道バーバリアンズディアナ対ブレイブルーヴの2試合です。10時30分開場のスタンドには、すでにお客さんが詰め駆けています。選手たちのプレーに、歓声と拍手が送られました。クラブOBで事業運営部の望月雄太氏がゲームの解説を務め、試合を盛り上げました。
ドーム内のコンコースには、ホストゲームでお馴染みのラグビー体験コーナーがあります。リーチ マイケル選手、伊藤鐘平選手の母校である札幌山の手高校の選手たちが、ラインアウトのリフトなどで活躍してくれました。
11時45分からは、GARUCOLE(ガルコレ)のダンスパフォーマンスがピッチを彩りました。GARUCOLEのパフォーマンスは、ハーフタイムにもスタジアムを盛り上げました。
さらには、チーム歌『王者 猛勇狼士』の生歌唱もありました。井上雅人さんの力強い歌声が、試合前のドームに響き渡りました。
こうしたイベントと並行して、ルーパス君がコンコースで来場者と交流しました。あちらこちらでお子さんや女性に囲まれ、即席の写真撮影会となっていました。
試合後にはもちろん、ファミリーロードが開催されています。普段からホストゲームに足を運んでいる方も、年に一度の札幌でのホストゲームを楽しみにしていた方も、試合前から試合後まで笑顔で過ごすことのできる時間となりました。
■「全員が1週間の準備に心血を注いだ」
13時にキックオフされた試合は、10分のセタ・タマニバル選手のトライで動きます。13分には小川高廣選手が今シーズン初トライをあげ、リードを広げていきます。30分にジェイコブ・ピアス選手が第3節以来のトライを決め、前半は19対7でまとめました。
後半開始早々に2本のトライを許しますが、10分にタマニバル選手のトライとリッチー・モウンガ選手のコンバージョンキックで、26対17と突き放します。その後2点差まで詰め寄られますが、27分にタマニバル選手が自身3本目のトライをゲットします。
33分にはリザーブから出場の眞壁照男選手が、相手のタックルを受けながらもトライゾーンへ飛び込みました。モウンガ選手が合計5本のコンバージョンキックを成功させ、東芝ブレイブルーパス東京は40対24で勝利をつかみました。プレーヤー・オブ・ザ・マッチには、ハットトリック達成のタマニバル選手が選ばれました。
東芝ブレイブルーパス東京は連敗を「7」で止め、6勝8敗の勝点30で6位となっています。後方からトヨタVと三重Hが勝点1差で迫っていますが、5位のBR東京とは勝点6差です。まだまだ順位を上げることは可能です。
試合後の記者会見でトッド・ブラックアダーHCは、「チーム全員がこの試合へ向けた1週間の準備に心血を注いだ。それがこのような形になったことが誇らしい」と、選手、スタッフの取り組みを讃えました。
凱旋試合を勝利で飾ったリーチ主将は、「たくさんの方の協力があって、ここで試合ができたことに感謝します」とお礼を述べました。続けて、「北海道で連敗を止めたことがとても嬉しいです。久しぶりにチームメートの笑顔を見ることができて、ちょっとホッとしています」と、自身も久しぶりの笑顔をこぼしました。
■「最後まで走り切れて良かったです」
モウンガ選手は「ここに来ることを楽しみにしていたし、北海道にゆかりのある選手たちもいる。自分たちが示すべきものを見せる試合になると思っていました」と、8試合ぶりの勝利を振り返りました。
在籍7年目の眞壁選手は、「公式戦では初めて」となるトライをあげました。記者会見でこのシーンに触れたリーチ主将は、「ビッグスクリーンで見たときに、テルが一生懸命に走る姿が面白かったです」と愛情たっぷりに祝福し、「チームとしてああいうトライができて良かったです」と、この日のアタックを評価しました。
眞壁選手自身は、「もう必死でした」と話します。
「マイキー(マイケル・ストーバーグ)とジェイコブが、後ろで僕の名前を呼びながら走ってくれて、相手がそっちへつられるのが見えたので、逆側へ走って。もういくしかないという気持ちで、最後まで走り切れて良かったです」
誰もが待ち望んだ勝利です。眞壁選手は試合メンバー外選手のK9の献身をあげ、チーム全体がハードワークしてきたことを言葉にします。
「ここまでいい準備をしてきて、でも結果がついてこなかったなかで、今週も練習でK9からいいプレッシャーをもらっていました。それがしっかり結果につながったのは、すごく嬉しいです」
次節はバイウィークを挟んで4月18日の開催となります。相模原DBとのビジターゲームです。
「ここまで勝てていなかった間も、個人個人の意識が高くなっていると感じていました。それでしっかり結果を出すことができました。バイウォークだからといってここで休むことはなく、全員が動き続けると思う。次の試合へ向けて、練習からしっかりやっていきます」
プレーオフ出場圏の6位以内をキープするためには、負けられない戦いが続きます。モウンガ選手は「トップ6に残るために、何をしなければならないのかは分かっています」と、表情を引き締めます。リーチ主将も「この勝利を勢いにして、今週の準備で良かった点をベースにして、またチームを作り上げていきます」と、言葉に力を込めました。
ラビリンスから抜け出したチームは、再びギアをシフトアップしていくのでしょう。まずは残り4試合を駆け抜けます。
(文中敬称略)
(ライター・戸塚啓)
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