合同アイスショーで集大成の演技を披露「THE ICE UNION:日本大学×東洋大学」を初開催

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【日本大学】

2026年3月8日(土)、日本大学スケート部と東洋大学スケート部の両フィギュア部門がコラボして初の試みとなる合同アイスショー「THE ICE UNION:日本大学×東洋大学」が東京・西東京市にあるダイドードリンコアイスアリーナで開催された。総勢46名(本学30名、東洋大15名、専修大からのゲスト1名)が演技を披露した約2時間のアイスショーは、両大学の4年生11名にとって学生フィギュアスケーターとして最後の晴れ舞台となり、滑走を終えた選手一人一人に、観客と後輩たちから惜しみない拍手が贈られた。
(取材:2026年3月8日)

苦労を乗り越え、初めてのアイスショー開催へ

毎シーズン、年明け早々に開催される全日本インカレフィギュアをもって4年生部員は引退となる。他大学では、その後に1年間の集大成としてアイスショーを催しているところもあるが、本学スケート部フィギュア部門ではこれまで、そうしたイベントは行われていなかった。

しかし昨年4月、大学時代に全日本選手権へ2度出場しているOBの日下匡力氏がフィギュア部門の監督に就任すると、旧知の野上由樹絵氏が監督を務める東洋大からアイスショーの合同開催の打診があったという。
「とても良い企画だし、『卒業生を称える場としても、こういう機会があったほうがいいよね』ということで開催することになりました」と話す日下監督。「大学の枠を超えて同じリンクに立つことは、選手たちにとって大きな刺激になります。日々積み重ねてきた努力や想いを込めた演技の披露を通じ、卒業生には敬意と感謝を表すとともに、現役部員にとっては成長した姿を見ていただける機会として企画しました」

ミラノ・コルティナ2026冬季五輪ではフィギュア日本代表コーチも務めた日下監督 【日本大学】

主将を務める杉原舞香(スポーツ科4・冲学園)も、「他大学が合同でアイスショーを開催していたので、以前からやってみたいと思っていました。私たちが引退する時に初めて挑戦できようになり、とてもうれしく思いました」と、喜びを感じていたという。

プロジェクトは両校の学生たちが主体となって準備を進めてきた。しかし、初めての試みゆえにスムーズにいかないことも多かった。
卒業生が個人演技を行う合間に、両校の各学年で披露するグループナンバーは、学生たちが意見を出し合い音楽を決めるところからスタートしたが、「東洋大学の選手の中にはこれまで会ったことがない人もたくさんいましたし、意見がまとまらない時もあって、そこが一番大変でした」と、副主将の宮本藍里(スポーツ科4・北海)は振り返った。
「音楽や衣装をはじめ、すべてのことでたくさん話し合いをしてきて、みんなの同意のもとで決めたかったのですが、上手く同意が取れなかったり、イメージしていたような衣装が届かずに買い直したりと、時間がない中で苦労したことも多かったです」

振付けはフィギュアスケートの第一線で活躍する日大OB・OGたちの協力により仕上がったが、ふだんは練習拠点が個人個人で違うため、「合同練習を行うスケート場に移動してくるのがすごく大変な人もいて、全員が集まるのもなかなか難しかった」(日下監督)。メンバーが揃わない中でも練習を重ね、参加できない選手には動画を共有するなどしてイメージの連携を図り、この日に向けてクオリティを高めていった。
「記念すべき第1回目というのもありますし、日本大学のスケート部フィギュア部門は部員数が日本で一番多いと思いますが、保護者の方々からも『全員が集まれる機会は試合でもなかなかないので、すごく楽しみにしています』という声が聞かれました」と話す日下監督。開演前の最終リハーサルを見守り、「氷上での練習時間は限られていたので、陸上での練習にもたくさん時間を掛けて作り上げてきました。かなり完成度の高いショーをお見せできるのではないかと思っています」と、選手たちのパフォーマンスに自信をのぞかせていた。

当日に配布された公演パンフレットも、学生たちが制作に携わってきた。 【日本大学】

演者にも観客にも、笑顔があふれて

午前11時、MCを務める日下監督が開演を宣言すると、選手たちの保護者や関係者、友人、スケートファンなどが大勢詰めかけた会場に、大きな拍手が湧き起こる。そして、クイーンの名曲「I Was Born To Love You」が流れる中、金銀の衣装を身に纏った出演者全員が登場し、リンクをいっぱいに使ったスピーディーな群舞でオープニングを盛り上げた。

初々しい演技を見せた1年生によるグループナンバーに続いて、いよいよ卒業生によるソロ演技が3グループに分かれてスタート。選手が登場するたびに、リンク上のスクリーンに担当コーチからのビデオメッセージが流れるという演出があり、労いと激励の言葉に背中を押され、選手たちはラストダンスに挑んでいく。

水上彩弥(商4・杉並学院)、青木実保(経済4・千葉経済大学附属)ら第1グループ4人が笑顔とともに滑り終えると、2年生によるグループナンバー「La La Land」が始まった。1年生のグループナンバーに続き、振付けは、1月の四大陸選手権(北京)のフリーで同曲を滑り、初出場初優勝を飾ったOGの青木祐奈さん(2024年・スポーツ科学部卒)が担当。映画の世界観を表現する躍動感あふれる演技と、観客からの手拍子が一体となり、会場は大いに盛り上がった。

「Once More」を演じた水上選手 【日本大学】

「シカゴ」を演じた青木選手 【日本大学】

両校の2年生による「La La Land」 【日本大学】

小成日和(スポーツ科4・市立船橋)、三枝知香子(法4・千葉日大一)が演技を披露した第2グループでは、ゲストスケーターとして専修大学の梶本将太選手が出場。日下監督は、「専修大は4年生が1人だけですし、個人スポーツでありながらも、一緒に練習したり試合をしている仲間なので、ゲストスケーターとして迎えることができて、こちらもうれしいです」と、大学生としての最後の舞台へ招いたという。

整氷をはさんでの後半は、OBの唐川常人さん(2021年・スポーツ科学部卒)と佐藤由基さん(2024年・スポーツ科学部卒)が振付けをした3年生のグループナンバー「Break Free」から。結束力がある3年生たちがスケートの楽しさを存分に表現して観客を湧かせ、再び会場の雰囲気が盛り上がってきた。

「フリーク」を演じた小成選手 【日本大学】

「ニュー・シネマ・パラダイス」を演じた三枝選手 【日本大学】

そして個人演技の最終グループでは、宮本が「トワイライト・ワルツ」を優雅に、杉原が「愛の讃歌」を華麗に、北村凌大(経済4・わせがく)が「Adiós」を力強く滑り切って観客を魅了した。
最終滑走の東洋大・大中惟吹選手が休む間もなく始まった卒業生のグループナンバーは、唐川さん・佐藤さんが「それぞれの道に進み、希望や不安を抱える彼らに、ありのままの姿で大丈夫という意味合いで振付けを考えた」という「Let It Be」。今日の日が大学4年間の最後というだけではなく、競技者としての最後、あるいは子どもの頃からのスケート人生の集大成とする選手もいて、それぞれ万感の思いを胸に氷上を舞った。

さらにフィナーレは、順番に全員が登場して「Seasons of Love」を熱演。フィニッシュと同時に、会場には喝采の拍手が一際大きく鳴り響き、手を振ってそれに応える選手たちの誰しもが、充実感に満ちあふれた表情を浮かべていた。

「トワイライト・ワルツ」を演じた宮本選手 【日本大学】

「愛の讃歌」を演じた杉原選手 【日本大学】

「Adiós」を演じた北村選手 【日本大学】

両校の4年生による「Let It Be」 【日本大学】

現役生から卒業生へ花束贈呈のセレモニー 【日本大学】

4年間の思い出とともに大学フィギュアを卒業 【日本大学】

アイスショーに向け団結力が深まっていった

「両大学の監督やOB・OGの方々にも協力していただいてここまで作り上げることができたので、感謝の気持ちでいっぱいです」と、念願だったアイスショーを振り返った主将の杉原。「練習では何回も動画を撮って、ここを直そう、こうしようとか、各学年で試行錯誤してやってきました。今日の演技を見たら、みんなとても楽しそうに滑っていたし、これまでで一番いい演技をしていましたね。またぜひ来年も、開催してほしいなと思います」と言葉を弾ませた。

宮本副主将も「第1回ということで不安な点もたくさんありましたが、大勢の方々に見守っていただき、温かい声援もいただきました。その中で、大好きな同期のみんなと一緒に滑ることができて、本当に幸せな気持ちです」と、喜びを噛み締めた。2人とも競技は一区切りとし、今後はアイスショーへの出演を目指しチャレンジしていくという。

取材に応える宮本副主将、杉原主将、北村選手 【日本大学】

「東京にいないことが多く、練習にもあまり参加できなかったので、グループナンバーは動画を見て練習しました」という北村は、「今日初めてみんなと合わせたのですが、なんとか上手くできたと思います」と胸を張った。「試合とは全然違う雰囲気でしたが、失敗しても大丈夫なので気楽に滑ることができたし、観客の皆さんからもすごい温かい声援を送っていただいて、本当にうれしかったです」
現役続行を決めていた北村は、後日、シングルからアイスダンスに転向することを表明した。

約10ヶ月をかけて準備してきた初めてのアイスショーの成功に、日下監督は「伝統ある、日本大学と東洋大学の両校が一緒に協力してここまで来られたことをものすごくうれしく、誇りに思います」と語りながら、その視線はもう次に向けていた。
「今回やってきた中で、いろいろ課題も見えてきました。それを生かして、第2回、第3回と今後も東洋大学さんと組んで、一緒にやっていきたいと思います。また、今回の梶本選手のようにゲストスケーターを迎えて、アイスショーをもっと盛り上げていけるような展開ができたらいいなと思っています」

また日下監督は、「アイスショーに向けて、チームの団結力が深まっていった」とも言う。「各個人の競技でありながら、1つのチームとして全員を応援する形が生まれ、それが演技向上にもつながっていると思います。アイスショーに向かっていく学生たちの姿勢を見ていて、それぞれの成長を感じました」とうなずいた。

アイスショーの経験を通じて、卒業生・現役生それぞれに得たものがある。それをこれからの道、これからの活動、これからのパフォーマンスにおける糧として、さらに成長していくことを期待して止まない。

アイスショーに参加した日本大学・東洋大学の選手たち 【日本大学】

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著者プロフィール

日本大学は「日本大学競技スポーツ宣言」を競技部活動の根幹に据え,競技部に関わる者が行動規範を遵守し,活動を通じた人間形成の場を提供してきました。 今後も引き続き,日本オリンピック委員会を始めとする各中央競技団体と連携を図り,学生アスリートとともに本学の競技スポーツの発展に向けて積極的なコミュニケーションおよび情報共有,指導体制の見直しおよび向上を目的とした研修会の実施,学生の生活・健康・就学面のサポート強化,地域やスポーツ界等の社会への貢献を行っていきます

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