[RUGGERSコラム] 第27回全国高校選抜大会 1回戦から準決勝までの道のり

RUGGERS(ラガーズ)
チーム・協会

【ラグビーアプリ「RUGGERS」】

 どうも、オニギリです。
 3月もあっという間に終わりを迎えます。桜も満開宣言が発表されましたね。
 みなさん花見はいきましたか?
 昨日は花見とラグビー観戦にはもってこいの気持ち良い陽気な日中でしたね。

 今回のコラムは、只今絶賛開催中でございます「第27回全国高校選抜ラグビー大会」について、1回戦から準決勝までのレビューと決勝の展望について、オニギリ's eye!!しちゃいたいと思います。

 第27回全国高校選抜ラグビーフットボール大会は「勢いの春」というよりも、「完成度の高い春」と呼びたくなるような大会になっていますね。各地の代表校が持ち味をぶつけ合いながらも、最後に勝ち残ったのは、東の桐蔭学園と西の東福岡。ともに関東と九州1位として臨み、その期待どおりに決勝まで勝ち上がった構図は、今の高校ラグビーの頂点をそのまま示していると言っていいですね。

 まず1回戦で大会の熱を一気に高めたのが大阪桐蔭対目黒学院です。
 花園でもおなじみの大阪桐蔭に対し、目黒学院は臆することなく真正面からぶつかった低いタックル。ラック周辺でも執拗に絡み続け、序盤は大阪桐蔭が思うように前進できない展開に。それでも大阪桐蔭は、ここで慌てて大展開に走らず、あくまでエリア(陣地)を意識したキックと、FWの着実なゲインでじわじわと試合を支配していきます。セットプレーの安定感と、PGを確実にスコアに結びつける“勝ち方のうまさ”は、さすが常連校という内容でした。ただ、関西1位をノートライに抑えた目黒学院も素晴らしかったです。

 続いて注目していました長崎北陽台対桐蔭学園も、序盤戦のハイライトと言えました。
 長崎北陽台は、九州勢らしいランニングラグビーで前半からテンポよくボールを動かし、桐蔭学園のディフェンスラインに揺さぶりをかけていました。何度か「これはトライか」と思わせる場面も作りましたが、桐蔭学園は最後のところで踏ん張り続けました。素早いラインセットと前に出るタックル、内側からのカバーリング。長く守らされても集中を切らさず、奪ったボールはすぐさまカウンターにつなげていきます。
 攻める長崎北陽台と受け止めてから仕留める桐蔭学園は最終的に桐蔭学園に軍配が上がりました。

 2回戦では、名の知れた強豪同士のぶつかり合いが続きました。
 國學院栃木と常翔学園の一戦は、スクラムやラインアウトといったセットプレーを軸に、どちらがより“試合を作れるか”がテーマになりました。常翔学園が個々の突破力と展開力で揺さぶりをかけるのに対し、國學院栃木はキックとディフェンスで冷静にエリアを取り返し、敵陣での時間を増やしていきます。派手なトライ合戦ではなくとも、「どこで勝負し、どこで我慢するか」というラグビーの本質が伝わる好ゲーム。最後までディフェンスで守り切り、インターセプトからそのままトライを決めた國學院栃木が勝利しました。

 佐賀工業対報徳学園は、伝統校同士の“意地の試合”。佐賀工業の前に出るタックルと運動量、報徳学園の規律の高い守備とモールワーク。スコア以上にぶつかり合いの激しさが際立ち、ペナルティ一つの重みが観ている側にもひしひしと伝わってきました。“大きな流れを呼び込むのは、トライだけではない”、地味なようでいて、ひとつのタックル、ひとつのキックが、試合全体を動かしていきました。最終的に、佐賀工業が勝利しましたが、報徳も派手さはありませんが安定した力を発揮していました。
 今年も兵庫県内のレベルは高く、関西学院と報徳学園のどちらが花園に出場するのか楽しみです。

 大分東明と茗溪学園の一戦は、「春の選抜らしさ」があふれるカードでした。
 大分東明は今大会No1と言われる大型FWの攻撃で前へ前へとボールを運び、茗溪学園は伝統の展開力で応戦。ボールがよく動き、両チームとも積極的にスペースへ仕掛けていくリスクを恐れない姿勢と、それを支えるスキルの高さに、近年の高校ラグビー全体のレベルアップがはっきり表れていました。最後まで茗溪学園が攻め続けましたが、大分東明が勝利を掴みました。

 準々決勝に進んだのが、関東1位の桐蔭学園と國學院栃木、関西からは大阪桐蔭、京都工学院、東海大仰星、九州から東福岡、大分東明、佐賀工業の8校が揃い、抽選をした結果、以下の対戦が決まりました。

・國學院栃木vs佐賀工業
・京都工学院vs桐蔭学園
・東福岡vs大分東明
・東海大仰星vs大阪桐蔭

 國學院栃木は、全国常連に名前を連ねてきた中、佐賀工業とどのように戦うのか。
 昨年王者の桐蔭学園に対して、京都工学院がどう戦うのか。
 九州大会の決勝でも戦った2校が選抜大会でどのように対戦するのか。
 こちらも関西大会の準決勝で当たった両校。東海大仰星のリベンジとなるか。
 試合はさらに「勝ち切る力」が問われます。

 國學院栃木対佐賀工業は、キックとディフェンスを軸にした我慢比べ。互いに自陣での無理な展開を避け、敵陣に入ってからじっくり攻める。佐賀工業の粘り強いタックルとブレイクダウンでの圧が、徐々に國學院栃木のテンポを狂わせていきました。佐賀工業が、FWをうまく優位に立たせて、33-24で勝利しました。

 桐蔭学園対京都工学院は、システムの精度と選手層の厚さで桐蔭が一枚上手でした。京都工学院もコンタクトで簡単には引かず健闘はしましたが、桐蔭はフェーズを重ねても精度が落ちず、攻撃パターンも多彩。縦の圧力と外への展開を巧みに織り交ぜながら、相手ディフェンスを少しずつ削っていくあたりに、王者候補の風格が漂いました。桐蔭が京都工学院を完封に抑えて、36-0で桐蔭が勝利しました。

 東福岡と大分東明の九州対決も見応え十分。大分東明はこれまでどおりボールを動かし続けるスタイルで果敢に挑みますが、東福岡は接点の激しさとディフェンスラインの安定感でそれを受け止めます。ブレイクダウンでの圧力と、局面局面でのキックの精度。試合の「温度」をコントロールし続けたのは、やはり東福岡でした。圧倒的な攻撃力を見せ、57-28で東福岡が勝利しました。

 大阪桐蔭対東海大仰星は、関西屈指の強豪同士の意地のぶつかり合いです。お互いの特徴や癖を知り尽くした相手だけに、一瞬の隙が命取りになります。スクラムやラインアウト、さらにはキックオフの攻防まで、すべてのセットプレーに意味が生まれます。細かなミスとその後のリカバリー、その積み重ねが最終的な明暗を分け、14-7で東海大仰星が勝利しました。

 準決勝は、佐賀工業対桐蔭学園、東福岡対東海大仰星という、まさに“全国区”の顔ぶれとなりました。
 佐賀工業は桐蔭学園相手にも一歩も引かないタックルで食らいつきましたが、桐蔭はスコアが動かない時間帯にも焦らず、60分を通して自分たちのテンポを維持し続けました。後半にかけてのギアチェンジと、交代選手を含めた層の厚さが、勝負どころで光りましたね。

 東福岡と東海大仰星のカードは、まさに「一瞬の判断が試合を決める」ハイレベルな攻防。激しい当たりとキックの応酬の中で、東福岡はブレイクダウンの場面で一歩前に出続けました。相手にクリーンなボールをほとんど与えず、じわじわと主導権を握っていく姿には、名門としての経験値と自信が感じられました。

 こうして決勝に残ったのは、東西それぞれの1位校、桐蔭学園と東福岡。現在の高校ラグビーを代表する両者の対戦は、まさに“東西横綱決戦”です。

 決勝のポイントは、大きく3つあります。

 ひとつ目は、ハーフ団のゲームコントロールです。
 プレッシャーのかかる舞台で、蹴るべきか、攻めるべきかを冷静に判断できるかが問われます。これはお互いに言えることであり、序盤からテンポを上げるのか、それともエリア重視でじっくり入るのか、その選択が重要になります。ここでわずかでも落ち着きを失ったチームが、先に崩れる可能性が高いです。

 2つ目は、ブレイクダウンの攻防です。
 東福岡伝統の激しいタックルとジャッカルに対し、桐蔭学園がどれだけ素早いサポートで対抗し、クリーンな球出しを維持できるかが鍵となります。逆に、桐蔭学園が人数をかけてラックを制圧し始めれば、東福岡の“前へ出るラグビー”は威力を削がれます。レフリーの笛の基準をいち早くつかみ、無駄なペナルティを減らしたチームが、大きく前に出るでしょう。

 3つ目は、終盤の「25人の総合力」です。
 両校ともスタメンだけでなく、リザーブにも力のある選手が揃っています。後半に疲労がピークに達する時間帯に入ってから、交代選手がどれだけ運動量とタックル精度を保てるかが重要になります。FWの入れ替えによってスクラムの圧が変わり、BKの投入によって一気にテンポが上がることもあり得ます。

 東西の王者同士がぶつかる今大会の決勝は「気持ち」だけでなく、「賢さ」と「準備」が問われる60分になるはずです。トライの瞬間だけでなく、その前後のポジショニングやキックの意図、サポートの角度にまで目を向ければ、ラグビーの奥行きは何倍にも広がります。
 一般のラグビー好きの方にも、細かな駆け引きを味わいながら、この春最高峰の一戦を堪能してほしいです。

 以上、オニギリ's eye!!ですがいかがでしたでしょうか?
 今回はボリュームが多かったですが、今年の高校ラグビーは面白い選手が多かったです。決勝が待ち遠しいです。

 リーグワンも13節が行われました。
 埼玉WKと東京SGの試合が最後まで目が離せないくらいハラハラドキドキな試合でしたね。
 残り5節さぁ、プレーオフに進むチームはどこになるか!
 ワクワクは止まりません!
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著者プロフィール

「RUGGERS(ラガーズ)」は、日本ラグビーフットボール選手会が運営主体を務め、ファンと選手がつながる新しいラグビーアプリ(メディア)です。トップリーグ選手の投稿や、ラグビー関連の記事をまとめています。オリジナルコラムや動画も配信しています。アプリもぜひご覧ください。

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