【スキー】内藤選手がW杯初優勝! ジャンプ界を驚かせ続ける東京育ち市役所勤務の33歳「信じ難い。さすがに優勝は考えたことがなかった」

チーム・協会
 スキージャンプのワールドカップ(W杯)男子は15日、ノルウェー・オスロで個人第26戦が行われ、内藤智文選手(山形市役所)が初優勝!
 初めてW杯フル参戦中の33歳は出場38試合目で表彰台の一番上に上がると、「やりました!」と力強くガッツポーズしていました。

歓声に応えながら表彰台に上がる内藤選手 【FIS/Action Press/Julia Piatkowska】

聖地ホルメンコーレンで初優勝

 ノルディックスキーの聖地、ホルメンコーレンの試合は強い風が吹く中で進行。内藤選手は2番目の飛距離となる131.5メートルを飛び、2位に0.1点差の1位で折り返すと、2回目が強風でキャンセル。1回目の結果で順位が確定しました。

 風がおさまる気配は全くなく、1回目の全選手が飛び終わるとまわりの選手から「勝ったね!」と声をかけられたものの、それを信じ切れず2回目の準備をしていたそうで、表彰式が終わっても「ちょっと実感がない。信じ難い1勝」。どこか落ち着かない様子で話しながらも、「ここに来てからいいジャンプが出せていたので、その流れに乗れた。あそこまで飛べると気持ちいい」と嬉しそうでした。

劇的な展開を呼び込む東京育ちの33歳

 東京生まれで、中学卒業後に名ジャンパーを数多く輩出している北海道・下川商業にジャンプ留学。東海大学卒業後は、競技を続ける道を模索しながらW杯出場を目指し、現在は山形市役所の職員としてフルタイム働きながら日本代表として転戦している異色の選手です。

 2シーズン前は初めて開幕戦からの遠征メンバー入りを果たすも、上位30人に与えられるW杯得点のハードルは高く、シーズン途中で下部大会を回ることに。それでも下部大会の熾烈なW杯国別出場枠争いを勝ち抜き、何度も最高峰の舞台に戻ってきました。
 今季もわずか1点差で序盤戦の出場枠を勝ち取ると、開幕戦は31位とあと一歩のところでW杯初得点に届かなかったものの、第2戦30位でついにW杯初得点を獲得。ただ、五輪代表を巡る争いは「苦しく、しんどい戦い」であり、目に見えて成績が安定したのはその重圧から解放されてから。1月末のフライング世界選手権では日本初の団体金メダルに貢献。五輪期間中には衆議院選挙関連の業務をこなすと、W杯再開初戦のフライングヒル・クルム大会(オーストリア)では、飛行機の遅延と荷物紛失のトラブルにも負けず、フランス選手のスキー板を借りて自己ベストを20メートルも更新する242.5メートルの大飛行で4位!表彰台までは0.3点、飛距離換算でわずか25センチでした。

 この日もわずか0.1点差で優勝。W杯出場枠争いから始まって、とにかくドラマチックな展開を呼び込んでしまう内藤選手。歩んできた長く苦しい道のりもヨーロッパの熱心なジャンプファンにはよく知られた話で、この日も表彰式後にはポーランドのファンから「ナイト!ナイト!」の歓声が上がっていました。


W杯ジャンプ公式Xも内藤選手の歩みにはびっくり!
 「ジャンプが好き。年々上手くなっている手応えがあった」から続けてきたものの、「さすがに勝つのは全く考えたことなかった」。予想を超える嬉しい出来事の連続には「怖いですね」と苦笑いでしたが、これまで苦しんだ分こうして一気に報われてもいいはず。

 前日は、開幕前にともにW杯出場枠を勝ち取ったスイスのデシュバンデン選手が35歳で初優勝。それを見て「35歳までは頑張りたいな」。まずは激動の今シーズンを戦い抜きます。

〇第26戦結果

優勝 内藤智文
4位 中村直幹(Flying Laboratory SC)
18位 二階堂蓮(日本ビールスキー部)
31位 佐藤幸椰(雪印メグミルクスキー部)
32位 小林陵侑(TEAM ROY)

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著者プロフィール

公益財団法人全日本スキー連盟は、日本におけるスキー・スノーボード競技を統括すると同時に、普及・振興の役割も担う競技団体。設立は1925年、2025年には設立100周年を迎える。スキージャンプ、ノルディック複合、クロスカントリー、アルペン、フリースタイル、スノーボードの6競技において、世界で戦う選手たち「SNOW JAPAN」の情報や、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップなどの大会情報をお届けします。

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