【西村 陸】イースタン・リーグ歴代最多タイの62登板で得た学び。チームを支える火消し役の思い

【オイシックス新潟アルビレックスBC】

2024年シーズンにイースタン・リーグ歴代最多タイとなる62登板を記録した鉄腕・西村陸。「年がら年中半袖で野球をしている」という独自のスタイルを貫く西村が、安定したパフォーマンスへのこだわりと今後の展望を語ります。

火消しとして、チームを支える中継ぎピッチャーの役割

【オイシックス新潟アルビレックスBC】

ポジションは、ピッチャーで、メインは中継ぎをしています。
特にランナーがいる場面で起用される、いわゆる「火消し」の役割を昨シーズンは担っていました。

自分の強みは気持ちの強さだと思っています。
プレースタイルとしては、年がら年中半袖で野球をやっていることですかね(笑)。
中学時代はピッチャーは長袖を着るのが強制だったんですが、もともと肘回りや手首の辺りに何か触れているのが嫌いで、半袖が一番投げやすいんです。寒くても半袖を貫いていますね。

火消し役を担う上では、「いかに投球内容のムラを作らないか」が大事だと思っています。
安定したパフォーマンスを行うことを重要視していますね。

昨シーズンは途中で投球フォームを変更する経験もしました。一時期アンダースローに挑戦したんですが、シーズン後半には元々投げていた肘の位置に戻しました。
アンダースローへの挑戦がダメだったとは思っていなくて、その経験も活かしたピッチングがシーズン後半はできた部分もあったかなと思います。

春季キャンプには、自分は中継ぎに徹する気持ちで来ているので、連投しても疲れない投げ方、体の使い方の部分を見直して取り組んでいます。
ピッチャーとして基本的な、アウトの取り方、自分に何が必要なのかという部分は桑田真澄CBOや小林慶祐コーチ、間曽晃平コーチに教わっています。

このオフからは上半身、腕だけに頼って投げない投球フォームに取り組んでいます。
下半身の大きい筋肉から、末端のリリースポイントまで力を最大限に伝えられるように、そして、その再現性を高くできるようにしたいと思っています。
感覚ですが、「最低限この部分を押さえとけば自分の欲しい出力はある程度のところまでは出るよね」というイメージでしょうか。
体作りの面では柔軟性を高めて、モビリティ(可動性)を高めるトレーニングに注力しています。

コーチの皆さんもオフの時には和気藹々とできる雰囲気を作ってくださっていて、ルーキーの選手も含めてやりやすい環境だなと思っています。
投手陣は先輩後輩といった壁も取り払って、親しい感じで練習できていて、良い雰囲気ですね。

野球人生のターニングポイントとなったサイドスロー転向

【オイシックス新潟アルビレックスBC】

野球を始めたきっかけは、2つ上の兄の影響でした。兄が小学1年生で野球を習い始めたのをきっかけに、自分も球遊びみたいなところからスタートしました。本格的にユニフォームを着たのは年中の頃からで、小学校ではピッチャーやショート、時にはキャッチャーをやっていました。

自分の学生時代を振り返って、ターニングポイントは中学2年生の秋かなと思います。
それまでオーバースローで投げていた私に、クラブチームのコーチが「サイドスローにしてみたらどうだ」と提案してくださったんです。そこまでもメンバーには入ったり、試合にもちょくちょく投げていて、試合に出られなくて悩んでいたとかそういうわけではないのですが、サイドスローに変更して中学3年生の時にすごい活躍ができて手応えがありました。
全国大会で準優勝することができ、個人タイトルとしてもベストナインの投手部門に選んでもらうことができました。
中学の時にサイドスローに転向するのを決めたことは、自分の野球人生の中でもターニングポイントですね。

中央学院高校に入学してからは、2年生の夏まではベンチには入れているが試合ではほとんど投げないという立場でした。そして自分たちの代になった時に、外野手でも試合に出るようになりました。
外野手をやったことで、バッター目線でいかに投球術でかわすピッチングができるかという、投手目線ではなく打者目線で考えられるようになりました。
そのおかげで大事な試合でも投げさせてもらえるようになったので、高校の時に野手をやったのは良い経験でした。

高校時代に苦労したのは、体づくりでした。当時は体がすごく細くて、体重を増やすのには苦労しました。1ヶ月練習せずに体重を増やすことだけに専念しろ、と言われることもあったのですが、その時はどうすれば体重が増えるのか、食事やトレーニングについてたくさん勉強しましたね。

2024年は毎日投げている感覚ーーその中で得られた大きな経験

【オイシックス新潟アルビレックスBC】

アルビBCでは最初入った時はBCリーグで、2年目にオイシックスになってファーム・リーグでプレーすることになったのですが、対戦する選手のレベルは格段に上がったと感じました。
同時に、誰もが知っているような選手、それこそNPBでタイトルをとっているような選手がオイシックスに入団してきて、今まで聞けなかったような話だったりを聞けるようになり、環境の変化を感じましたね。

NPBファームリーグに参入してからは、本当に多くの経験を積むことができました。
2024年シーズン62登板という数字を記録することができました(イースタン・リーグ歴代最多登板タイ)。実際にはブルペンで肩を作って、あと一歩で登板というところまで行った試合も含めると、体感的には100試合くらいで、ほぼ毎日投げている感覚でした(笑)。
NPBのプロの選手と一番対戦させてもらえたので、他の選手よりも経験という部分では良い思いをさせていただいたと思います。疲れはもちろんありましたが、自分の中では1年通してとても楽しかったです。

昨年はアンダースローを試す中で、フォームが固まり切らない状態でシーズンが初めってしまい、序盤はなかなか抑えられない試合が続いたので、他の選手と比べても遅れや焦りを感じていました。
また、右足を怪我してしまい、5月はまるまる1ヶ月登板できなかったりと、シーズン中の離脱も含めて心残りのあるシーズンだったかなと思います。

昨年のドラフト会議は、自分の指名は100%ないと思っていたので、チームメイトたちが指名されることを願いながら見ていました。
結果的に3人が指名され、ずっと直向きに頑張っていた知念大成選手と、自分と同じピッチャーとして昨シーズン活躍した能登嵩都選手、牧野憲伸選手が指名されたのは本当に嬉しかったですね。

目指すのは「何を投げているかわからないピッチャー」。その理由と、目指す最多登板記録

【オイシックス新潟アルビレックスBC】

今シーズンの目標は、今年からイースタン・リーグ、ウエスタン・リーグという区分がなくなって3地区制になったので、「ファーム・リーグの3地区のなかで、一番多く投げる」という気持ちでいます。

自分の中では火消し役の仕事をたくさん経験させてもらって、ランナーがいてもいなくてもメンタル的に同じ気持ちで行ける部分が強みなのかなと思います。

まずは怪我をしないというのは大前提として、とにかくチームに貢献する1年にしたいです。

自分としては、「何を投げているかわからないピッチャー」になりたいなと思っています。
変化球はもちろんですが、ストレートだけでも3〜4種類くらいの投げ分けを実戦で試していて、そのあたりは昨年から進化している部分かなと。

バッター目線で、「自分は何を打ったのかよくわからない」と思わせることができればすごく面白いなと思っています。
たとえば、真っ直ぐが普段140キロくらいだとしたら、あえてまっすぐを130キロくらいの変化球と同じ球速帯にしてみることで、「打者がスライダーやカットボールのスピードだと思ったら、その軌道でボールは来ていない」、みたいなピッチングができると、自分の大きな武器になるなと思っています。

実は「ふくしまボール」という、高校の時の部長さんと試行錯誤して投げられるようになった変化球があります。
シーズンではほとんど投げてなかった球なのですが、今年メイン球種として使えると面白いなと思っているので、ぜひ気にして見ていただきたいです。すごく特殊な球なので(笑)。

サポーターの皆さんには、試合を観に来た時に「また西村が投げてるな」って思われるくらいの登板数を目指したいと思っています。
ブルペンから存在感を発揮していくので、温かく見守っていただけたら嬉しいです。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

新着記事

お知らせ

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント