ミラノの銀盤に強さと美しを描いた女子フリー 〜鈴木明子さん解説と共に〜

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チーム・協会
【これはnoteに投稿されたn705さんによる記事です。】

2026年2月20日(金) 晴 2/-6℃

 昨日の札幌は想定外の大雪に見舞われた。気温が高く湿った雪が降り積もったその下は、ツルツルの氷となっていて、私は激しく横滑りの転倒をした!それはもう、2007-2008年シーズン、ヨーテボリの世界選手権で、3Aに挑もうとした浅田真央ちゃんが横滑りの転倒をしたのと同じくらい、スコーンと見事な横滑りであった。これは…オリンピック女子フリーを前にして、私が全選手の厄を払ったのではないか?真央ちゃんはその後の諦めない懸命な滑りで、初めて世界女王になった。最高の演技を目撃する準備は万端だ。

 団体戦から始まり、長かったフィギュアスケートもいよいよ最後のカテゴリー。会場には、戦いを終えた各国の選手や往年のオリンピアン達も集い、カメラに抜かれる。4年に1度の祭典もいよいよ大詰めの雰囲気。

リビア・カイザー スイス

 ボーカルの音楽を一緒に口ずさみながらスタート。169cmの長身から繰り出される3Lz-3Tはダイナミック!

キミー・レポンド スイス

 短調の調べにのり、ラベンダー色の衣装で。前半3つのジャンプで転倒が続いてしまい、客席からは後押しする大きな拍手。後半のジャンプで立て直し、滑らかなスケーティングも、今後に期待。

張瑞陽 中国

 長身の欧州人が続くとアジア人はひときわ小柄に見えるが、弾むゴム毬みたいなジャンプが素晴らしかった。最後までスピードが落ちず、潑剌と滑り切った。

エカテリーナ・クラコワ ポーランド

 小柄な体をしならせて、全身を大きく使って情感たっぷりにムーランルージュを演じ切った。くるくる変わる表情も魅力的。

ララ ナキ・グットマン イタリア

 氷上で演じるジョーズ。地元イタリアミラノのリンクの壁の深い藍色が、深海の色に見えてくる。最後まで力を出し切り、素晴らしかった。

オルガ・ミクティナ オーストリア

 すべての動きが滑らかで小気味良い。ロックをオーケストラで表現。

ユリア・ザウター ルーマニア

 淡いラベンダー色の衣装で滑らかに。ジャンプすべて決め、後半になるにつれ勢いとスピードを増し、フィニッシュポーズの前に思わずガッツポーズが入り込んだ。

イーラ・カルフネン フィンランド

 若さあふれる白鳥の湖。スピンの回転が早い。

シン・ジア 韓国

 真っ白なギフトを包み込むような衣装で、愛の夢を優しく舞う。ふわっと跳び上がるジャンプ、コレオに至るまで、すべてが優美だった。
 ここまで4人連続で自己ベスト更新の好演で、200点超え。

アンバー・グレン アメリカ

 失意のショートからの金メダル候補に、大きく温かい歓声が降り注ぐ。
 呼吸をするようにごく自然に3Aを決め、次々とシャープなジャンプを重ねてゆく。大きなガッツポーズが出て147点台を叩き出し、もちろん暫定首位。


 製氷待ちの時間、日本のスタジオから宮原知子ちゃんがゲストで、この時間の選手の過ごし方など、視聴者からの質問に答えていた。いつトイレに行けばいいんだ…。

ソフィア・サモデルキナ カザフスタン

 軸が細く回転が早い、質の高いジャンプを揃えてきた。スケーティングのスピードが増したら、まだまだ伸びそう。アンバー・グレンもスタンディングオベーションで讃える。

ニーナ・ピンザローネ ベルギー

 ゆったりとした音楽で、彼女の柔軟性を生かしたスピンやコレオをうっとりと堪能できるプログラム。

ニーナ・ペトロキナ エストニア

 ヨーロッパ女王もすべての要素をきっちりと決めた。

イ・ヘイン 韓国

 漆黒の衣装で舞うはカルメン。元世界選手権銀メダリストの意地をすべて出し尽くした。

イザボー・レヴィト アメリカ

 演技始まる前から大きな歓声が降り注ぐ。滑り出しから、フリーレッグの高さが素晴らしい。淡い水色の衣装で、しっとりと優しいニューシネマパラダイス。

ルナ・ヘンドリックス ベルギー

 とにかくタノジャンプを入れまくってきた!右足首の手術からの復帰。全盛期の演技ではなかったが、世界の舞台で再びルナヘンが見られて嬉しい。


 さあ、ここからいよいよ最終グループ。登場、6分間練習から大歓声が鳴り止まない。ボルテージはマックス。

アナスタシア・グバノワ ジョージア

 団体戦でも好演のフリー、日本がかなりアメリカを追い詰めることができた影の立役者。個人戦でもやってのけた。涙をこらえきれず感極まってリンクにうずくまったラストが胸にきた。

アデリア・ペトロシアン AIN(ロシア)

 冒頭4Tで転倒したものの、その後力強くしっかりと立て直したのはさすが強国ロシアが送り出してきてだけある。国際試合の経験が少ない中、これだけやってのけてのはお見事。

千葉百音 日本

 今日も濱田先生とジャンピングおでこごっつん。すっきりとしたブルーの衣装で清々しいロミオとジュリエットは、悲恋ではなく、自ら選んだ後悔のない人生を演じているよう。ショートで満点評価だった美しいレイバッグスピンでフィニッシュ。暫定首位。

アリサ・リウ アメリカ

 最初から最後まで、音楽が聞こえなくなるほどの大歓声と大拍手。アリサの笑顔も止まらない。私が金メダルでNo.1と言わんばかりのまばゆいゴールドの衣装と突き上げた左手。フィニッシュした後、どうだと言わんばかりにポニーテールの毛先をあしらったところまでチャーミング。150点台を出して暫定首位。

坂本花織 日本

 リンクに送り出す時の中野先生の表情が温かく落ち着いていて心強い。かおちゃんの表情はキリリと引き締まって頼もしい。
 いつも通り、極上の2Aから入ります(あっこ)。鈴木明子のラスト五輪での演技を見て、坂本花織もラスト五輪にこの愛の讃歌を選んだ。女王にふさわしい、気高いプログラムだ。
 涙で戻ったかおちゃんを抱きしめてくれる中野先生がいてくれて良かった。暫定2位でメダルを確定させ、安堵の表情。

中井亜美 日本

 笑顔で元気よく滑り出した17歳。フリーでもしっかり3Aを決めた!すべての戦いを締める、これまでの緊張を解きほぐしてくれるような朗らかなプログラム。今シーズンシニアデビューのシンデレラガールが、グランプリシリーズ初戦で坂本花織を上回ったことで、今期の女子は極めて高いレベルの戦いが続き、今日の結果となった。勢いそのままに、初出場オリンピックで、銅メダル!

 涙が止まらない坂本花織。3Fにコンビネーションがつけられたら、五輪の頂点にたどり着けたかもしれない。この涙が、いつの日かかおちゃんに別の形で幸せをもたらしてくれますように。
 銀盤の女王はやはり銀。バンクーバーオリンピックで涙の銀メダルとなった浅田真央に、太田由希奈さんが贈った言葉が思い出された。

 女子シングルの戦いは、ショート、フリー通して本当にハイレベルで素晴らしかった。選手のみなさん、ありがとう&おめでとう!

 外に出ると、札幌の空は爽やかな快晴で、遠くの山並みまでよく見渡せた。どんなに吹雪でも、やんだ後は晴れるんてすよね。
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