ミラノ・コルティナオリンピック フィギュアスケート ペア金メダルと女子シングルSP

note
チーム・協会
【これはnoteに投稿されたにこまるさんによる記事です。】
オリンピックも後半戦。とうとう最終種目の女子シングルが始まってしまいました。
楽しみな気持ちと、どこか寂しさが入り混じるにこまるです。
相変わらずカナダでバタバタしており、今回はトップ選手のみ簡単に振り返ります。お付き合いいただけましたら嬉しいです。
その前に、ペアについて少しだけ。

ペア 三浦璃来/木原龍一 フリー

演技については、私の言葉はいらないと思います。
アメリカやカナダの解説者たちは、スピードやペアエレメンツの完成度だけでなく、日本のペアの歴史を一身に背負ってきた木原選手を労い、この金メダルは「日本のペアの歴史を変えた」と絶賛していました。
そして、これからペアに挑戦する日本のスケーターの誕生を、心から待ち望んでいる様子でした。
カナダでトレーニングを積んできたこともあり、どこか我が子を見るような誇らしさもにじみます。
いつもは「迷子ネタ」や「ツッコミどころ」になるカナダコネクションですが、今回は感謝しかありません。

2014年に導入されたオリンピック団体戦。どれだけ他種目に強い選手がいても、全種目に代表がいなければ出場することはできません。木原選手は、そのすべての団体戦でペア代表を務めてきました。
ショートプログラムでの思いがけないミスに落胆する姿と、それをしっかり支える三浦選手の姿も印象的でした。
気迫あふれる、歴代最高得点のフリー。
8年前には、想像することすらできなかった景色です。

ちなみに、カナダのペア解説者サンドラ・ベジックさんは、惜しくも予選通過とはならなかった長岡柚奈/森口澄士組を「いつか表彰台に立つ逸材」と評していました。

練習環境など課題はあると思いますが、女子シングル、男子シングルに続き、ペアも層の厚い世界有数の国へと成長してほしいと願っています。
歴史をつないでいくのは簡単なことではありません。それでも、10年後も20年後も、素晴らしい日本のスケートを見続けていたい。
本当に、おめでとうございます。

女子シングル ショートプログラム

カナダ解説はカートさんだけでなく、キャロル・レーンさん(アイスダンス銅メダル、パイパー・ギレス/ポール・ポワリエ組のコーチ)もいらっしゃることに気がつきました。

1位 中井亜美 78.71点

 最初から最後まで楽しそうに滑っているのが印象的でした。
 解説では、日本スケート連盟が若い選手に上手に試合経験を積ませ、シーズンを通してトリプルアクセルの成功率が少しずつ上がってきたことに言及。
 大技成功後も落ち着いてエレメンツを決め、伸びやかに演じ切りました。
解説の方も「え、もう終わり?」と名残惜しそう。
 恒例の“カナダコネクション”は、デビッド・ウィルソンさんの振り付けとのことです。

2位 坂本花織 77.23点

 なぜかこちらまで緊張します。応援するとは、こういうことなのでしょうか。
 4年間トップ選手として活躍し続け、期待に応え続ける本当に強いアスリート。
スピードとコントロールに加え、女性らしい滑らかな表現も兼ね備えています。
 トップに立ちながらも、特に表現面で成長を続け、ロシア不在のスケート界を引っ張ってきました。
 危なそうに見えたジャンプもきちんと成功させる調整力。
調子の良し悪しにかかわらず演技をまとめる経験値。

思い描いてきたスケートができれば、結果はついてくるはず。
頑張ってほしいです。

3位 アリサ・リウ 76.59点

 4年前のオリンピック後に一度引退し、自発的な新しい形でスケートと向き合ってきたリウ選手。
この場にいることの幸せを噛み締めている様子が心に残りました。
 解説では、自然体な彼女にしかできない表現と人間性で観客を引き込む、特別なスケーターと評していました。

彼女の引退から復活までの軌跡を追うようなプログラム。その振り付けを担当したマッシモ・スカリさんを、カートさんが「スケーター」と紹介すると、キャロルさんが「アイスダンサー」と言い換えます。
そのやり取りに、アイスダンサーのプライドが見え隠れしていて面白かったです。

4位 千葉百音 74.00点

 エッジを長くホールドするダブルアクセルのランディングに、キャロルさんも思わずため息。
 コンビネーションジャンプは少し詰まったように見えましたが、影響されることなく最後まで演じ切りました。
 今シーズンはあまり調子の良くない試合もありましたが、ここで良い演技ができて本当によかった。
 得点が表示されると、カナダ解説は「思ったより低い」との評価。
力を出し切って、あとは運命、といったところでしょうか。
 キス・アンド・クライで笑顔が見られて安心しました。

5位 アデリア・ペトロシャン 72.89点

 ロシアから中立選手として出場のペトロシャン選手が2番滑走。
 トリプルアクセルや4回転という大技を持ちますが、今日は確実に点を取る構成。ダブルアクセル、3回転/3回転コンビネーションと、安全運転で着実に点数を重ねていきます。
 ロシアらしい、体操選手のようなキレのある動き。
 競技開始間もなく、観客もまだ温まりきっていなかったのか、素晴らしい演技でも大きな盛り上がりには至りませんでした。
 それでも本人は、国際舞台に立てたことが嬉しいのでしょう。落ち着きながらも、どこか晴れやかな表情が印象に残りました。
フリーは最終グループ入りです。

6位 アナスタシヤ・グバノワ 71.77点

 昨夜は、同郷ペアの初メダルを祝っていたグバノワ選手。
 チームの雰囲気も良いのでしょうか。ミスのない演技で着実にポイントを重ね、なんと最終グループに入りました。

キャロルさん曰く、インド映画のようなテーマは特徴が伝わりやすい反面、安っぽく見えてしまうこともあるとのこと。しかし彼女は上手にまとめた、という評価でした。
9位までが70点台というハイレベルな戦い。
点差も大きくなく、フリー次第で順位は大きく変わりそうです。
 フィギュアスケート最後の種目。
本当に楽しみです。

 今までのオリンピック観戦記はこちらです。ご興味があれば、ぜひのぞいてみてください。

※リンク先は外部サイトの場合があります

  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

メディアプラットフォーム「note」に投稿されたスポーツに関する記事を配信しています。

当サイトには一部アフィリエイトリンクが含まれています。

リンクから商品・サービスをご購入いただいた場合、スポーツナビに収益が発生することがあります。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント