初春インタビュー 谷口彰悟 選手(シントトロイデンVV/ベルギー)
高い目標を持ちながらも、謙虚に、1試合1試合に集中していく
※このインタビューは2025年12月22日に実施しました。
日本代表にもう一度復帰するという思いでリハビリに励む
谷口 最初は歩くのもままならない状態で、「どうやったら復活できるのか」と不安を抱えながら過ごしていました。年末年始は装具をつけて歩いていましたし、なかなか自分がプレーしているイメージを持てませんでした。日本代表としても、アジア最終予選でスタートダッシュを切れていたし、個人的にも貢献できている実感があった中でのけがだったので、ショックは大きかったです。チャンスを手放してしまった感覚もありました。
――それでも諦めずに、前に進むことができたのはなぜでしょうか。
谷口 日本代表にもう一度復帰するという思いですね。それがあったからこそ、モチベーションを高く持ってリハビリにも取り組めました。自分が初めて代表に選ばれたのは15年です。プロ2年目で、当時はまだ代表の重みを全く理解しておらず、ただのお客さんで(活動が)終わった感じでした。そこから代表に入れない時期があり、選ばれるまでの道のりが苦しかった分、代表への思いは強くなっていきました。そして22年のワールドカップを経験し、思いがより一層強くなり、もう一回ワールドカップに出たいという気持ちになりました。
谷口 アルラヤンへの移籍自体は、大会前にほぼ決まっていました。正直、前回のカタール大会が僕の中では最初で最後のワールドカップだろうと思っていたし、自分がやってきたことを全てささげるくらいの意気込みで臨みました。だから、何かを変えないと大会後に燃え尽きてしまいそうだなと思っていて、次なるチャレンジが必要でした。
その後、ベルギーに移籍したのは、26年のワールドカップに向けてどう歩むかを考えたからです。年齢の問題もありますし、移籍は簡単ではないですけど、やはりヨーロッパに挑戦したいなと。考え方が守りに入ったり、慣れたところでプレーしたりしているよりも、自分自身がチャレンジしている状態でワールドカップを迎えたいと考えました。
自分のキャリアが懸かった試合だと覚悟を決めて臨んだブラジル戦
谷口 シーズンの最終戦でほんの少しの時間ですがピッチに立つことができて、次のシーズンに向けて気持ちが少し楽になりました。クラブのホームスタジアムは人工芝なので、監督と話をして、新シーズンも無理をせず徐々に出場時間を延ばしていきました。そして10月の代表戦の前に先発で出場できるようになり、代表に選ばれたという感じでした。
――10月14日のキリンチャレンジカップ2025・ブラジル戦で先発だと告げられたときの心境は?
谷口 来たなと思いましたね。代表では約1年のブランクがあったので、自分にどのくらい出場するチャンスがあるのかと思っていました。1試合目(10月10日のパラグアイ戦)は出場機会がなかったのですが、2試合目のブラジル戦にチャンスが巡ってきた。自分のキャリアが懸かった試合だと覚悟を決めて臨みました。
――ブラジルに3-2で初勝利を収めるという大きな結果をつかみました。
谷口 親善試合といってもブラジルに初めて勝利したのは大きいですし、できたことも数多くあったので、ポジティブなゲームだったと思います。ただ、2失点していますし、改善点はたくさんありました。決して満足はしていないですね。
谷口 やれるという自信は深まったと思います。でも、まだまだ。競争が激しいので。
――しばらくSAMURAI BLUEから離れていた中で何か変化を感じましたか。
谷口 24年6月から採用している3バックでしばらく戦ってきて、選手の動きも含めて戦い方がスムーズになったと感じました。相手がこう来たら、どこが空くからこういう立ち位置を取ろうとか、だいぶオートマチックにプレーできるようになっていて、レベルアップを実感しました。ピッチ外では、相変わらず雰囲気が良いし、みんながコミュニケーションを取れている部分は変わっていなかったです。
――谷口選手が不在の間に若手の台頭やけがから復帰する選手もいて、ポジション争いが激しくなった印象を受けます。
谷口 正直、めちゃくちゃ刺激になっています。一緒にプレーすることで、自分も現状維持ではなく、もっともっと成長していかないといけない、取り残されてしまうと感じました。そういう存在はとてもありがたいし、この競争力がチームを強くします。でも、やっぱり負けたくないですね。
ワールドカップをイメージして自分を高めていきたい
谷口 大会の規模も大きくなって、グループステージは勝ち上がりやすくなるのではないかという見方もありますが、結局どのグループも厳しいなと。簡単なグループは一つもないですし、やはりワールドカップだなと感じました。まずはグループステージをしっかりと勝ち上がらないといけないと思います。
――前回大会はラウンド16でクロアチアにPK戦の末に敗れましたが、世界との差は縮まったと思いますか。
谷口 僕自身は、経験の差が大きかったと思います。トーナメントの戦い方にそれが表れていました。ゲームコントロールについては、クロアチアの方が一枚上手でした。勝つチャンスがなかったかと言われると、全然そうは思わないですが、優勝経験国やトーナメントの上位に勝ち進む常連国とは差があると思いました。日本も確実にレベルアップしていますが、高い目標を持ちながらも、謙虚に、1試合1試合に集中していくことが重要だと思います。
ここから先はメンバー争いも激しくなると思うので、とにかくワールドカップを見据えて、ワールドカップをイメージして自分を高めていきたい。そして、日本の勝利に貢献したいと思っています。
――ワールドカップまで半年を切りました。最後にご自身の26年のテーマを漢字で表していただけますか。
谷口 「覚悟」ですね。やれることは全てやる。覚悟を持って26年に臨みます。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ