【第4節レビュー】スクラムを支えに19点差を逆転。荒天の激闘を制し、連勝で7位浮上

リコーブラックラムズ東京
チーム・協会

38-29で逆転勝利を収め、7位に浮上

開幕から3試合を終えて1勝2敗、勝ち点4で10位につけるリコーブラックラムズ東京(BR東京)は、福岡・ミクニワールドスタジアム北九州で、9位のトヨタヴェルブリッツ(トヨタV)と対戦。年をまたぎ2戦連続となった九州でのゲームに臨んだ。春を思わせる陽気と強い南風の中で始まった一戦は、後半に強雨に見舞われるなど予測不可能なコンディションに。試合もそれに合わせたかのように前後半で展開が激変。前半を10-29で終えたBR東京は、後半に3トライ3ゴール、2つのPGを決めるとスコアは許さず守りきり、38-29で逆転勝利を収めた。これにより勝ち点を8に伸ばし7位に浮上した。

前節・佐賀での三重ホンダヒート戦からは、先発メンバーを数名変更。LO/FLハリソン・フォックス、FL松橋周平に替わりFLリアム・ギルと山本秀、WTB高本とむに替わりシオペ・タヴォを起用。PRパディー・ライアン、CTB PJ・ラトゥがインパクトプレーヤーに回り、PR笹川大五とCTBラズロー・ソードを先発に抜擢する入替なども行われた。

試合は開始1分、ラインアウトからのアタックでCTBソードが突破。WTBメイン平がトライを決め、幸先よく先制したが、その後は苦しい展開に。ハイボール処理や規律の乱れから自陣に侵入され、ゴール前ラインアウトからのアタックでトライを返され7-7の同点に(前半10分)。直後にラックでのサポートプレーでHO大内真にイエローカードが出され数的不利を背負う。さらにハイボールの再獲得からFB高橋汰地に右エッジを走られ、7-12と勝ち越しを許した(前半13分)。

BR東京は敵陣で得たペナルティで2度ショットを選択。時間を使いつつ3点を追加し10-12(前半17分)と迫る。14人の時間をうまく戦っていたが、21分にNO8ブレア・ライアルに突破を許すと、WTBマーク・テレアにトライを奪われ10-19。15人に戻った24分にも、ターンオーバーからのアタックで攻め込まれてトライを許し10-26とされる。ここから粘りをみせたが、前半終了間際にPGを決められ10-29で試合を折り返した

CTBソードの突破を受けて、WTBメインがトライ 【リコーブラックラムズ東京】

後半は風上に立ったものの、19点差を跳ね返すには早い段階でのスコアが求められた。5分、スクラムで得たPKで敵陣に入るとトヨタVがさらに反則を重ねゴール前へ。ラインアウトモールから攻め、SO中楠一期がトライを決め、CVも成功させて17-29とした。理想的なスコアとなった。

その後、SO中楠が脳しんとうのチェックで約7分ピッチを離脱。さらにLOジョシュ・グッドヒュー、WTBメイン平にイエローカードが出て13人で戦わねばならない窮地に陥る。そこに強雨が降り注ぐ波乱の展開となったが、BR東京は動じることなく優勢だったスクラムを活かして相手にペナルティを重ねさせ前進。リスクを管理しながら時間を使っていく。後半16分、20分にペナルティを誘い2本のPGを成功。23-29と詰め寄って苦しい時間を終え、15人対15人に戻した。

ピンチのあとにはチャンスが訪れる。後半24分、トヨタVにイエローカードが出て数的優位に立つと攻勢をかける。32分、右サイドへの展開でディフェンスを引き寄せると、折り返してCTBラトゥが左中間のスペースを走る。ゴールに迫るとFLギルに繋いでトライ。CVも成功し、BR東京は30-29とついに試合をひっくり返した。

最終盤もBR東京が支配する。35分、NO8サミュエラ・ワカヴァカのタックルが落球を誘いターンオーバー。アタックに転じると右エッジをFLギルが突きトライゾーンへ。惜しくもノックフォワードとなったが、再開のドロップアウトを確保し再びゴール前へ。ラインアウトモールから狭いサイドを攻め、CTB池田悠希がディフェンスを破り右中間にトライ。CVも決まり38-29としノーサイドを迎えた。最後のCVでボーナスポイント獲得(7点差以内の敗戦)を阻むかたちとなり、今後順位争いでしのぎを削るであろう相手からの価値ある1勝となった。

プレイヤーオブザマッチには2試合連続でSO中楠一期が選出。この試合で22点を記録した中楠は、総得点を52点としてランキング2位に浮上。1位のバーナード・フォーリー(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)の68点を追いかけるかたちになっている。

リーグワン2025-26 第4節 BR東京 37 - 29 トヨタV 【リコーブラックラムズ東京】

試合経過

前半1分[BR東京]
ハーフウェイ付近のラインアウトから展開。SO中楠一期が長いパスをCTB池田悠希に通し、池田はすぐさま外から内へ走り込んだCTBラズロー・ソードに渡すと、ソードがギャップを抜ける。22mを超えフォローしたWTBメイン平に繋ぎ、左中間にトライ。CVも中楠が成功し7-0。

前半10分[トヨタV]
BR東京が自陣ディフェンスでラインオフサイド。ゴール前ラインアウトをHOスカルク・エラスマスに戻すプレーから攻め、LOジョシュ・ディクソンのキャリーにサポートが入り、モールにしてトライ。CVをSO小村真也が決め7-7。

前半12分[BR東京]
CTB池田悠希のオフロードパスでFL山本秀が右エッジをブレイク。ステップを切って22mまで運びダウンボールしたが、FB高橋汰地にスティールを狙われる。HO大内真がはがしにいったが、首に手がかかってしまいイエローカード。10分間の退出を科される。

前半13分[トヨタV]
ハーフウェイ付近のラインアウトから攻め、ハイパントを蹴る。これがWTBマーク・テレアの手に収まり、走り込んだFB高橋汰地に繫がれ、右サイドを破られる。そのままトライゾーンに達しトライ。CVは不成功に終わり7-12。

前半17分[BR東京]
SO中楠一期のPGを狙ったキックはトライゾーンで跳ね、プレーが続く。トヨタVが確保したが、BR東京がプレッシャーをかけるとキックに逃れる。キャッチしたBR東京がアタックを仕掛け、トヨタVに再びハイタックル。左サイド、トライラインまで25m付近の位置からPGを狙い今度は成功。10-12となる。

前半21分[トヨタV]
ハーフウェイ付近でのキックキャッチから仕掛け展開。中央のギャップに仕掛けたNO8ブレア・ライアルにボールを渡すと突破。外を走ったWTBマーク・テレアにパスを通して右サイドにトライ。CVも成功し10-19となる。

前半22分[BR東京]
一時退出を終えたHO大内真がピッチに戻る。

前半24分[トヨタV]
BR東京はハーフウェイ付近でパスを乱し、カウンターラックでターンオーバーを許す。すぐさまアタックに転じたトヨタVは左エッジでパスを繋いで前進。ゴールに迫ると右サイドへとボールを運び、WTBマーク・テレアが右隅にトライ。CVも成功させ10-26。

前半40分[トヨタV]
BR東京は自陣からボールを回すが、ボールに絡まれアンプレアブル。スクラムでコラプシングを犯すとゴール前ラインアウトに。モールで押し込まれ、ラックに移行するとノットロールアウェイ。トヨタVはほぼ正面ゴール間近の位置からPG成功。10-29でハーフタイムへ。

後半0分[BR東京]
PR笹川大五をパディー・ライアンに、CTBラズロー・ソードをPJ・ラトゥに入れ替え後半へ。

後半5分[BR東京]
ピックゴーに対し守るトヨタVがオフサイド。ラインアウトモールでゴールに迫る。ラックに移行し、SH TJ・ペレナラがピックゴー。SO中楠一期がさばくと、次のラックから今度は中楠がピックゴーしトライ。キックティーのボールが倒れるほどの突風が吹いたが、WTBメイン平が押さえに走りCVも成功。17-29に。

後半7分[BR東京]
SO中楠一期が脳しんとうのチェックのため一時退出。替わって伊藤耕太郎が入る。

後半10分[BR東京]
強い雨が降り出す。LOジョシュ・グッドヒューのハイタックルにイエローカードが出る。PR西和磨を谷口祐一郎に、HO大内真を大西将史に入替。

後半11分[BR東京]
ラインアウトモールを組むトヨタVへのBR東京のコラプシングでアドバンテージ。ずらしてキャリーをしてきた相手を倒しにいったWTBメイン平がタックル後立ち退けず、このプレーに故意の反則としてイエローカード。

後半14分[BR東京]
SO中楠一期がピッチに戻る。

後半16分[BR東京]
7人のスクラムでFKを得て、FLリアム・ギルのタップスタートから攻める。狭い幅でアタックを重ねていくとトヨタVにノットロールアウェイ。右中間、トライラインまで約25mの位置からPGを狙い成功。20-29。

後半20分[BR東京]
CTB PJ・ラトゥを入れ8人で組んだスクラムを押しアドバンテージを得る。展開すると守るトヨタVにバックスラインオフサイド。ほぼ正面、40m超の長いPGを決め23-29。LOジョシュ・グッドヒューとWTBメイン平がピッチへ戻る。

後半22分[BR東京]
FL山本秀をマイケル・アラダイスに入替

後半24分[トヨタV]
再開後、BR東京がさらに攻める。ハーフウェイ付近の攻防で、タックル後の倒れた状態でボールを掻きだしたとしてHO彦坂圭克にイエローカード。BR東京はスクラムを選択。

後半25分[BR東京]
WTBシオペ・タヴォを伊藤耕太郎に入替。トヨタVはBKを加えてスクラムを組むが、BR東京がプッシュ。膝をつかせてペナルティを奪う。

後半32分[BR東京]
キックキャッチからアタックに転じる。トヨタV陣内10m付近で右サイドを、FBアイザック・ルーカス、WTBメイン平、SO中楠一期、WTB伊藤耕太郎と繋いでゲイン。ディフェンスを引き寄せると、薄くなった中央に大きく展開。CTB PJ・ラトゥがスペースを走りゴールに迫ると、バックアップに回ったディフェンスをいなしサポートしたFLリアム・ギルに繋ぎ左中間にトライ。CVも成功しついに逆転。30-29とする。

後半35分[BR東京]
トヨタV陣内中盤右サイドで、NO8サミュエラ・ワカヴァカのタックルが落球を誘いボールを奪取。左に展開しディフェンスを引き寄せると、右に戻しエッジをFLリアム・ギルが突く。ダイビングしてトライラインを越えようとしたが猛烈なタックル。映像確認を経てノックフォワードの判定。

後半37分[トヨタV]
一時退出を終えて15人に戻る。

同[BR東京]
トライラインドロップアウトをWTB伊藤耕太郎が確保しアタック再開。CTB池田悠希が裏に転がし、WTBメイン平が詰めるとトヨタVのSH田村魁世がタッチラインの外にボールを持ち出し逃れる。

同[BR東京]
NO8サミュエラ・ワカヴァカを木原音弥に入替。

後半38分[BR東京]
ゴール前ラインアウトからモール。狭いサイドに出し、CTB池田悠希がギャップを抜けてトライゾーンへ。回り込んで右中間へトライ。CVも成功し37-29。

後半40分[BR東京]
再開後、BR東京がFWでボールキープを図るが、トヨタVにハイタックル。スクラムを選択しホーンを待つと、SH TJ・ペレナラがキックアウトしてノーサイド。

記者会見

タンバイ・マットソンヘッドコーチ
まず、アウェーで勝利をつかむということは自分たちにとって大事なことでした。後半のかたちは、チームのスピリット、ギブアップしない姿勢などを見せられたんじゃないかなと。本当に誇りに思います。過去に率いてきたチームでも、ハーフタイムであれだけスコアが離れると勝ちに繋げられないこともよくあったので。ですが、自分たちはより高いところを目指しているので、月曜日にしっかりレビューしたいと思います。前半は改善しなければいけないところがたくさんありました。ただ、あのようなコンディションの中で、いいファイトバックができたんじゃないかと思いました。

SH TJ・ペレナラ
ヘッドコーチにアグリーです。後半はいい戦いを見せられたと思います。前半は自分たちで自分たちにプレッシャーをかけてしまったので、そこはレビューしたいと思います。ハーフタイムの時点で19点差をつけられて勝つことはなかなかできない。それを勝ち切ったということで得られるものはたくさんあったと思うので、それを持って次に進みたい。ただ今後は、できるだけこういう(点差をつけられる)状況には陥らないように。自分たちのチームは今すごくいいエナジーがあり、いい雰囲気です。こういうチャレンジに向き合っていけるというのはすごくよかったと思います。ただ、前半についてはやらなきゃいけないことがまだまだたくさんあると思います。明日、月曜日などを通じてしっかりとレビューして、神戸(コベルコ神戸スティーラーズ/神戸S)戦では改善できるように、いい準備をしたいと思います。

——後半、13人になった時間帯のコミュニケーションについて

TJ・ペレナラ:FWにかなり頼ったかなと思います。PRパディー(・ライアン)がグラウンドに立ったこともあり、スクラムにかなり自信があって。スクラムはいくつかあったと思いますが、ペナルティが獲れる感じがありました。あの状況でFWに頼れるというのはすごく大きい。スクラムをやると1分くらいかかります。そこからペナルティが出れば、そのあとのディシジョンまで30秒くらいかけることができる。そうやってうまく時間をコントロールしながら戦いました。BKとしては、FWにビールを1杯、2杯、おごらなきゃいけないのかなと思っています。

——19点差をひっくり返した。自分たちが変えたこと、相手に感じた変化などあれば

TJ・ペレナラ:ひとつは風があったと思います。観客の皆さんからはどう見えたかわからないですが、予測していたよりも強かったかなと。前半、いいチームであるトヨタさん(トヨタV)に対して、効果的だと思われるゲームプランを立ててしっかり準備してきたのですが、それをうまく使えなかった。風に向かっていかなければいけないのに、少し自分たちの殻にこもってしまい、相手にコントロールさせてしまった。後半は自分たちが今週やってきたことを信じることができた。コーチに準備してもらったゲームプランを信じてやるというところが変わったかなと思います。

——活躍したSO中楠一期に対する評価を

TJ・ペレナラ:チームにとって大事な選手だと思います。今日のようなプレーをして自信が見せているときには、どんなチーム相手でも勝つチャンスがある。前半、14人になって風も向かい風で、40メートルくらいのペナルティがあったのですが(前半15分のPG?)、彼はみずからキックすると言ってくれた。決められるし時間も使えるからと。ああいう若い選手が自信を持ってプレーできているというのはチームにとって大きい。

マットソンHC:リーグ全体を見てもゴールキックが差になることが多いと思いますが、彼はそこにフォーカスして努力していて、上達してくれていると思います。

——順位の近い相手に、勝ち点を1つも与えずに勝った

マットソンHC:まず勝つということが自分たちにとって大事でした。今、2勝2敗というチームが結構多いと思いますが、ボーナスポイントはかなり重要なポイントになってくると認識しています。相手のボーナスポイントを阻止できたかどうかは、(順位が決まる)5月にかなり大きな影響があると思っています。

次節は神戸Sとユニバで対戦

1月17日(土)に開催される第5節もビジターゲーム。兵庫・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で、3勝1敗で現在3位につける神戸Sと対戦する。キックオフは12:05。昨季は2度戦い、初戦が15-44(第6節)、2戦目が24-27(第13節)と勝利を手にできなかった。

惜敗した13節のゲームでは、2トライを先取し、さらに相手に2枚のイエローカードが出て15人対13人となる好機が訪れながら、その時間帯にペナルティを重ね、神戸Sが優勢だったセットプレーの機会を与え逆転を許した。今回のトヨタV戦とは対照的な試合だったといえる。BR東京と神戸Sはともにここまで、ペナルティの数やイエローカードの枚数など規律面に改善の余地を残している。ここをどれだけ修正できるかは、やはり勝敗を分けるポイントになりそうだ。

九州での2試合では、重要な局面でのディフェンスで精度を見せた。試合後半の持久力やシステムにのっとったディフェンスの実行、選手同士のコネクションや選手の戦う姿勢など、チームとしての完成度が高まっていることは証明した。アタックの時間を増やしながら、本来のディフェンスをさらに長い時間維持できれば、得点は増え、失点は減り、勝利の可能性は高まっていくはず。鎮魂の日の一戦。全てを出し切って向かってくるであろう神戸Sに正面から挑み、最高の試合を期待したい。

次回のホストゲームは、2月7日(土)の第7節 埼玉パナソニックワイルドナイツ戦。ホストエリア・世田谷区に位置する駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場での今季初開催となる。チケットは、1月16日(金) 12:00からファンクラブ先行、1月21日(水) 12:00から一般販売開始。

駒沢ホスト3連戦3万人プロジェクトを開催! 【リコーブラックラムズ東京】

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