【ホープフルS】1戦1勝馬が初の快挙!「競走馬の鑑のよう」突如現れた大物ロブチェンが2歳頂点に
ロブチェンは今回の勝利でJRA通算2戦2勝、重賞は初勝利。1戦1勝馬の勝利は同レースがGIに昇格した2017年以降、延べ18頭の出走で初の快挙となった。また松山騎手、同馬を管理する杉山晴調教師はともにホープフルステークス初勝利となった。
なお、3/4馬身差の2着にはトム・マーカンド騎手騎乗の4番人気フォルテアンジェロ(牡2=美浦・上原佑紀厩舎)、さらに半馬身差の3着には岩田康誠騎手騎乗の9番人気アスクエジンバラ(牡2=栗東・福永祐一厩舎)が入線。1番人気に支持されていた川田将雅騎手騎乗のアンドゥーリル(牡2=栗東・中内田充正厩舎)は7着に敗れた。
昨年ジョバンニ2着の雪辱、同じ杉山晴紀厩舎の馬で
「嬉しいです。馬が本当によく頑張ってくれました。昨年は同じ杉山厩舎の馬で2着だったのですが、今日はこうして勝利することができてすごく嬉しくて、思わず込み上げてくるものがありました」
殊勲の松山騎手が開口一番に喜びを語った。その言葉にあった通り、ジョバンニで臨んだ昨年はクロワデュノールの圧倒的パワーの前にひれ伏して2着。だが、群雄割拠の今年は一刀両断でタイトルを手中にしたのだ。
「スタートはしっかりと出して、ある程度流れに乗せていこうと。その中で馬のリズム重視で行きたいと思っていました」
11月9日・京都2000m芝のデビュー戦は逃げて3馬身差の快勝を収めていたロブチェン。しかし、今回の道中のポジションはちょうど中団の最内。陣営はハナにこだわる気はなかったようだ。松山騎手が振り返る。
「調教でもお終いで良い脚を使えていたので、切れるものを持っていると思っていました」
先行にこだわらず「馬のリズム重視」が最後の脚に
「もう少し前かなとは思っていたのですが、1コーナーで少し狭くなるところがあったので、無理に突っ張るよりはリズムを大事にすることを優先しました。その分、折り合いもしっかりと付きましたし、いい形で脚が溜まっていたと思います」
最後の直線は先に抜け出したアスクエジンバラ、それを一完歩ずつ追い詰めていくフォルテアンジェロの一騎打ちで決まりかと思ったその時、最内から大外へと切り替えたロブチェンが怒涛の追い込み。そして、ゴール手前で前を行く2頭を一気に差し切り、2歳中距離チャンピオンの座へと突き抜けた。
「手応えも良かったですし、外に出してからは本当にすごく良い脚を使ってくれたと思います」
異なる条件で2連勝、来春への期待はますます大きく
「新馬戦は重馬場だったので少し参考外なところもあったのですが、こうしてきれいな馬場でも良い脚を使ってくれたので、これからどんな条件でも楽しみです。まだ緩さはあるのですが、そこがしっかりしてくれば、さらに強い走りをしてくれると思います。これからもっともっと成長できる馬だと思いますので、本当に先が楽しみです」
成長という点に関しては杉山晴調教師も太鼓判を押している。
「新馬戦と比べても2走目の今回は馬に一本の芯が入ったと言いますか、大きな成長を感じました。ですので、これでまた一つ良くなってくれれば、来年がさらに楽しみになってくると思いますね」
無敗の三冠牝馬デアリングタクトに続け!
素の能力の高さと成長力はもちろんのこと、それを邪魔しない性格の良さ。ジョッキー、トレーナーの話を聞いていると、混戦の中から勝ち上がった2歳王者ではあるが、そのまま来春のクラシック二冠でも主役を務められそうな可能性を大いに感じる。その来春に向けて、杉山晴調教師は具体的なローテーションこそ明言しなかったものの、今回と同じ舞台であるGI皐月賞をまずは目標にしていくことを語った。
「レースが終わったばかりなので馬の状態を見てからになりますが、当然、皐月賞、その先へとつながっていくと思います。皐月賞の前にどうするかというのは、オーナーと相談して、これからしっかりと考えていきたいと思います」
杉山晴紀厩舎と松山弘平騎手のコンビといえば、思い出すのはやはり無敗の三冠牝馬デアリングタクト。偉大な先輩へと続く活躍を、今度はロブチェンとともに牡馬クラシックでも見せてほしい。(取材・文:森永淳洋)
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