「完成しないまま優勝した」。涙のロッカールームから振り返る、「2025 鹿島アントラーズ 強さの理由とは」。
戦いのなかで抱いていた選手たちの想い、強さを手にしたターニングポイント、そして今回初公開となる安西幸輝が大ケガを負ったガンバ大阪戦後のロッカーでの涙――。
2025シーズンの鹿島アントラーズを振り返る「MATCH DAY 優勝Special」が、有料会員制サイト「FREAKS」で公開中。その一端を紹介する。
歓喜を爆発させたその直後、インタビューに応じる選手たちの表情は、不思議なほど静かだった。達成感と同時に、これで終わりではない――そんな共通認識が、チーム全体に流れていた。
「完成しないまま、優勝したチーム」
鈴木優磨は、2025年の鹿島アントラーズをそう表現した。
「まだまだ成長過程の中にいます。完成していない状態で優勝できたことは、僕たち自身が一番ワクワクしていることです」
その言葉が、この一年の本質を突く。
勝ち続けたシーズンでありながら、アントラーズが満足に立ち止まることは、一度もなかった。
開幕戦、アウェイ湘南での敗戦。
タイトルを掲げて臨んだ最初の90分で突きつけられたのは、理想と現実の距離だった。
「開幕戦で負けたことで、まだまだ足りないと改めて分かった」(植田直通)
鬼木監督が求めるボールを握ること、またこれまで鹿島が積み重ねてきた強度と勝負強さ。その融合は容易ではなかったが、選手たちは逃げなかった。勝つために何が必要なのか。成長するために、どこを変えるべきなのか。問い続ける日常が、ここから始まった。
この試合で鹿島は、早い段階で一つのメッセージを発した。「鹿島は、ここからだ」。結果以上に、チームの方向性を示す一戦となった。
シーズンを貫いた合言葉は、「勝ちながら成長する」。勝っても満足しない。勝ったからこそ、より厳しく自分たちを見つめ直す日々を積み重ねた。
「勝っても満足しない。勝って成長していくということは、チームでずっと言葉にしてきたものでした」(植田直通)
練習基準は高く、常に競争があった。スタメン、途中出場、ベンチ外――立場は関係ない。全員がチャンスを感じ、全員が出場を勝ち取る可能性を持っていた。
「良くなければ入れ替わる。その競争があったから、全員が成長できました」(三竿健斗)
途中出場の選手が試合を動かし、若手が結果を残し、ベテランが日常の姿勢で示す。その積み重ねが、アントラーズを一つにしていった。
第30節の浦和戦後、鈴木優磨がカメラの前で残した厳しい言葉があった。
「このままでは、優勝できない」
勝った試合の後にこそ危機感を示す。その姿勢が、チームを次の段階へ押し上げた。
安西幸輝がケガした試合後、ロッカールームで起きていたこと
「みんなが泣いていました。鬼さんも泣いていた」(三竿健斗)
4月20日の第11節ファジアーノ岡山戦で師岡柊生が、5月3日の第14節FC町田ゼルビア戦で関川郁万が大ケガを負った。そして安西も。
――幸輝、郁万、モロのために、必ず優勝しよう。
その夜に流した涙は、チームの誓いとなった。
「幸輝くんはどんなときも明るくて、バカになってチームを盛り上げられる。チームにとって太陽のような存在です」(三竿健斗)
安西の不在が突きつけた現実は重かったが、同時に、アントラーズの一体感をさらに強固なものにした。
最終節、横浜FM戦。勝てば9年ぶりの優勝だ。
他会場の結果を見る必要はなかった。植田は決意を言葉にした。
「自分たちは横浜FMに勝って決める。それだけだった」
「この雰囲気は、最高であり最強でした」(鬼木達)
シャーレが戻ってきた瞬間、9年の想いが報われた。しかし、ひとしきり喜んだのも束の間、選手たちの視線は、すでに次を見据えていた。
「これが1つ目だったと言えるように、もっと積み上げていきたいと思っています」(鈴木優磨)
完成していないからこそ、伸びしろがある。
勝ったからこそ、次が見える。
リーグ優勝という結果の裏側には、試合映像だけでは伝わらない言葉と感情、そしてロッカールームでの沈黙と涙があった。
「MATCH DAY 優勝Special」は、2025年という一年を、選手の言葉と試合映像で立体的に振り返る特別映像だ。
初公開となる安西幸輝が試合中に大ケガを負ったガンバ大阪戦後のロッカー映像は、その象徴でもある。
今シーズンのアントラーズの優勝は、どこから始まり、何を乗り越えてたどり着いたのか。
その答えを、ぜひ映像で確かめてほしい。
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