【全日本2歳優駿】パイロマンサーが無敗で頂点 「憧れのケンタッキー」へ、まずはUAEダービーが目標に

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パイロマンサーが全日本2歳優駿を勝利、3戦無敗で2歳ダート王者となった 【photo by K.Kuramoto】

 2歳のダートチャンピオン決定戦、第76回JpnI全日本2歳優駿が12月17日に川崎競馬場1600mダートで行われ、岩田望来騎手騎乗の2番人気パイロマンサー(牡2=栗東・吉村圭司厩舎、父パイロ)が優勝。道中2番手の追走から、小野楓馬騎手騎乗の1番人気ベストグリーン(牡2=北海道・田中淳司厩舎)との直線での叩き合いを制し、2歳ダートの頂点に立った。稍重馬場の勝ちタイムは1分44秒2。

 今回の勝利でパイロマンサーは通算3戦3勝、重賞は初勝利。岩田望騎手、吉村圭司調教師ともに全日本2歳優駿は初勝利となった。

 なお、ゴール手前で強襲した田口貫太騎手騎乗の3番人気タマモフリージア(牝2=栗東・大橋勇樹厩舎)がクビ差の2着、ベストグリーンはさらに1馬身差の3着に敗れた。

無敗の地方馬と叩き合い、残り100mからファイトバック

ホッカイドウ競馬の無敗馬ベストグリーン(黄色帽)を競り落として先頭へ、見事なパイロマンサーの勝負根性だった 【photo by K.Kuramoto】

 このレース、JRA所属馬を押しのけて単勝1.9倍の支持を集めたのがホッカイドウ競馬所属の4戦4勝ベストグリーンだった。逃げた武豊騎手のイダテンシャチョウを前に見ながら、道中は外寄りの3番手。序盤でやや行きたがる素振りを見せながらも、持ったままの手応えで最終4コーナーを回ってくる姿に「これは強いな」、パイロマンサーを管理する吉村調教師はそう思ったという。

 直線半ばでいったん、ベストグリーンがパイロマンサーをかわして前に出る。しかし、ここから踏ん張ったパイロマンサーと岩田望騎手がファイトバックすると、残り100mを切って今度は完全に差し返したのだ。そして、返す刀で大外から強襲してきたタマモフリージアも退けてのゴールだった。

「ナイターも左回りも初めてで、馬が本当に戸惑っていたのですが、その中でよく走ってしのいでくれました。最後の直線も抜け出した時に少し気を抜くようなところがあったのでヒヤッとしましたが、先にゴールしてくれて良かったです」

 岩田望騎手の言葉通りなら、パイロマンサーは今回のレースで100%の能力を出し尽くしたわけではない。レース中に戸惑い、最後も気を抜きながらでも得た勝利なのだから、新ダート2歳王者の本当の力はまだまだ奥に秘められていると見ていいのではないか。

「ケンタッキーダービーへ繋がっていけば」

ケンタッキーダービーへの道を一歩、踏み出した 【photo by K.Kuramoto】

 となると、期待したいのは今後のターゲット。昨今の流れなら当然、サウジ、ドバイ、そしてアメリカなどの海外が目標となってくる。2022年の勝ち馬デルマソトガケ、同じく23年のフォーエバーヤングはここでの勝利をステップに翌年はサウジダービー、UAEダービー、そしてケンタッキーダービーとステップを踏んでいった。「めざせ!ケンタッキー」というサブタイトルがついている全日本2歳優駿は、ケンタッキーダービーの出走馬選定ポイントシリーズ「JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY」の対象レースの1つでもあり、20ポイントを獲得したパイロマンサーはケンタッキーダービーへの道を一歩、踏み出したことになる。吉村調教師が今後の展望を語る。

「ケンタッキーダービーと言えば、ユタカさん(武豊騎手)とスキーキャプテンが挑戦したレースが印象に残っています。まだ私は競馬の世界に入る前で、テレビで見ていました。憧れであり、夢のようなレースですよ。一戦、一戦、良い結果を出して、そこに繋がっていけばと思っています」

日本生まれのゴドルフィンブルー、“本拠地”ドバイでの快走を期待

まずは来年3月のUAEダービーを目標にしていく 【photo by K.Kuramoto】

 無駄にレースを使いたくないというトレーナーの思いから、まずはUAEダービー(2026年3月28日、メイダン1900mダート)を来年最初の目標にしたい構えだ。ケンタッキーダービー出走馬選定ポイントレースの1つでもあり、1着になれば一挙に100ポイントをゲット。つまり、憧れの舞台への出走権を手にすることができる。

「サウジからドバイへの転戦は楽ではないですからね。UAEダービーに行きたいとは思っていますが、そこ一本で行くかはオーナーと相談していきたい」

 ドバイが本拠地でもあるゴドルフィンのダートホースと言えば、今年は3歳のナルカミがダート三冠の最終戦・JpnIジャパンダートクラシックで鮮烈な圧勝を飾って競馬ファンの度肝を抜いた。そして、また1つ下の世代からも新たな砂のチャンピオンが誕生した。来年春はお膝元で日本生まれのゴドルフィンブルー、パイロマンサーが大暴れすることを期待したい。(取材・文:森永淳洋)
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