【エリザベス女王杯】「強さを見せられた」GI・3勝目レガレイラ、大目標は牝馬初の有馬記念2連覇
レガレイラは今回の勝利でJRA通算11戦5勝、重賞は2023年GIホープフルステークス、24年GI有馬記念、25年GIIオールカマーに続き4勝目。戸崎騎手、同馬を管理する木村哲也調教師ともにエリザベス女王杯初制覇となった。
なお、1馬身3/4差の2着には岩田望来騎手騎乗の4番人気パラディレーヌ(牝3=栗東・千田輝彦厩舎)、さらに1馬身差の3着には藤岡佑介騎手騎乗の9番人気ライラック(牝6=美浦・相沢郁厩舎)が入った。
レース前に異例のゲート練習、今度はスタートが決まった
「相手が悪かったとしか言いようがないですね」と、岩田望来騎手もグランプリホースの底力に脱帽するばかりだった。
一方、単勝2.2倍、1番人気の責任を果たした戸崎騎手は「ホッとした」というのが本音だと、共同会見で明かした。
「この馬が一番強いと信じていたので、1着を取れてホッとしています」
最も腐心したのはやはりゲートだったか。もともとスタートには課題を持っており、前走のオールカマーでも伸びあがるように発馬して1馬身ほどの出遅れだった。そこで今回はジョッキーと木村哲也調教師とで相談し、レース前にゲート練習を敢行。めったに見ることのない光景に驚いたファンも多かったと思う。そして、その成果も出たか、“本番”ではきれいなスタートを切ることができた。戸崎騎手が振り返る。
「返し馬のキャンターの一完歩目から雰囲気はすごく良かったです。ゲート練習はうるさかったのでどうかなと思ったのですが、レースでは自分から出てくれてスタートが決まりましたね。具合の良さがそこに繋がったのかなと思います」
「手応えを感じながら」直線大外から豪快差し切り
「あとはリズムを重視しながら、ポジションを決め打ちせずに乗っていたので、良いところを良いリズムで走れたと思います」
勝負どころの3コーナー下りから4コーナーを迎えても、まだ中団。慌てることなくゆっくりとシフトアップしていったのも、レガレイラに対する信頼の表れなのだろう。
「最後は良い脚を持っていると思っていたので、じっくり構えるような形と言いますか、あまりコーナーの外を周りながら吹かして行きたくもなかったので、手応えを感じながら行きました」
そして、直線残り200mはまさに目の覚めるような伸び脚。完全に勝ちパターンに持ち込んだはずのパラディレーヌを一気につかまえると、そこからさらに1馬身3/4突き放した姿は、これが有馬記念を制した馬の貫録と底力だと言わんばかりだった。
「ギアを入れてから、ステッキを入れてから、その一つひとつのことに反応してくれていた。強さを見せられたなと思います」
53歳誕生日の木村調教師「改めて素晴らしい馬」
「しっかり走ってくれて、とにかく感謝しています。ファンの皆さまが納得していただける勝ち方であれば調教師冥利に尽きますね。昨年の有馬記念を勝った時点で歴史に名を刻んだ馬だと思っていましたが、今日は改めて素晴らしい馬だなと思いました」
レース後の様子も落ち着いており、息の乱れもないことから「やっぱり器の大きさを感じます」とトレーナー。となると、次への期待も大きく膨らむというもの。もちろん、目指すは年末のグランプリ、有馬記念の2連覇だ。
牝馬初の有馬連覇&2勝目へ、新たな金字塔打ち立てるか
そう語ったのは、同馬を所有するサンデーレーシングの吉田俊介代表だ。過去、有馬記念を連覇した馬はスピードシンボリ(1969年、70年)、シンボリルドルフ(84年、85年)、グラスワンダー(98年、99年)、シンボリクリスエス(2002年、03年)の4頭しかおらず、牝馬ではゼロ。また隔年で2勝したのもオグリキャップ(88年、90年)、オルフェーヴル(11年、13年)の牡馬2頭しかいない。もし、レガレイラが今年の有馬記念を勝てば、牝馬では史上初の連覇&2勝目となる。
「今日のプラス8キロは太いという数字ではないです。馬体の幅が出て、フィジカル的にたくましくなってきた」と木村調教師。そして戸崎騎手も「体の面でしっかりしてきたし、まだまだこれから楽しみな馬」と、さらなる成長に手応えを感じ取っている。
一昨年はGI昇格後では牝馬初のホープフルS制覇を達成し、昨年暮れには64年ぶり史上2頭目の有馬記念3歳牝馬Vを成し遂げた女王が、今年はまた新たな金字塔を打ち立てるのか。堂々の主役として、年末の中山2500m決戦へ歩を進める。(取材・文:森永淳洋)
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