【駅伝】 伊勢路での経験を箱根路に活かす 全日本大学駅伝総合10位と健闘
1区[9.5km] 総合10位・区間10位 山口 彰太 選手(スポーツ科3・佐野日大)
午前8時10分、気温13度、曇天に号砲が鳴り響き、全27チームのランナーが一斉にスタートした。
8区間の中で最も距離が短いコースだが、4kmあたりまではゆっくり落ち着いたペースでの集団走が展開され、その中で彰太選手は後方に位置取っていた。「スローペースになることも頭にあったので、前の方で混み合うよりも、後ろからついていって後半に備えようと考えていました」
次第にペースが上がり、集団が縦長になっていくが、彰太選手は8kmあたりでも7・8番目をキープ。しかし、終盤のアップダウンで先頭グループがスパートをかけると、その差が少しずつ開いていった。
「中盤くらいまでは、後ろでしっかり足を溜めていけましたが、ペースが変わった時にちょっと足を使ってしまい、ラスト1kmのスピード勝負で負けてしまいました。そこが反省点です」
それでも、トップと8秒差の11位で双子の弟の聡太選手へタスキをつなぐ。高校時代以来となる兄弟タスキリレーの実現に、「出走区間が決まった時は言葉に表せなかったし、実際にリレーできてうれしかった。前のグループと少し離れてしまいましたが、12位以内というチーム目標には、ギリギリの位置で渡せたと思います」と顔をほころばせた彰太選手。初めての大舞台について、「シード圏にいる大学の選手と走るのは初めてでしたが、彼らとの力の差を実感しました。調子もいい中で臨めただけに悔しい」とレースを振り返る。「練習に対する意識や姿勢、そして試合に臨む準備など、もう1段階切り替えていかないと、箱根駅伝で目標とするシード権は難しい。これから、練習や生活の質を高めていかなければいけないと改めて感じました」と、2カ月後の戦いに向け決意を新たにしていた。
2区[11.1km]総合11位・区間 12位 山口 聡太 選手(文理3・佐野日大)
今大会を振り返り、「区間賞を獲った選手とは1分20秒ほど離れているので、個人としてはまだまだ力が足りない。チームとしても大きく外してはいませんが、上位校とは勝負できていない」と悔しさをにじませた。「箱根本戦に向けて、もう一回、しっかり練習を積んでいきたいなと思います」と、あと2ヶ月での積み上げを目指す。
3区[11.9km] 総合14位・区間 15位 天野 啓太 選手(法3・岡崎城西)
前半は思う通りのペースで走れたが、単独走のためか「ちょっと気持ちが先走ってしまった」と、5km過ぎぐらいからペースが落ちてきた。「そこから自分自身が耐えられなかった。7・8kmあたりで後ろに追いつかれてからは、粘るだけの走りになってしまい、かなり足を使ったので最後は苦しかった。ちょっと情けない走りでした」と、固い表情でレースを振り返った。
4区[11.8km] 総合13位・区間 13位 主将・中澤 星音 選手(経済4・一関学院)
3区で順位を3つ落とし、前を走る大東文化大とは10秒差、中央学院大とは14秒差でタスキを受けて走り出す。
「キャプテンとして少しでも差を詰めて次へつなぎたい、そこを意識して前を追いかけていこうと思いながら走っていました」
第4中継点の手前、数100mで中澤選手がスパートした。中央学院大と学連選抜を一気に追い抜き、13位に浮上してタスキを5区・長澤選手へ。「大東文化大との差が開いてしまったのは申し訳なかったですが、次の6区へしっかりタスキをつなげてほしいという思いを込めて渡しました」
「自分自身はもう少し上を目指していたので、悔しい結果になってしまったというのが正直なところです」と、唇を噛んだ中澤主将は「次に向けて、もう1回しっかり調整していきたいと思います」と、箱根駅伝での雪辱を誓った。
5区[12.4km] 総合14位・区間 14位 長澤 辰朗 選手(文理2・中越)
「どの区間を走ることになっても頑張ろうと思っていたし、やるしかないんだという気持ちで臨みましたが、最初からずっときつかった。点数的には20点・30点のレベルで、全くダメでした」
中央学院大と競いながら前を行く大東文化大を追いかけたが、思うようにペースは上がらない。最後まで捉えることができず、中央学院大にも先着を許して順位を1つ下げた。「雰囲気に呑まれたわけではないですが、駅伝ならではの洗礼を受けたような感覚です」と話す長澤選手は、「もう1回、ちゃんとやっていかないとダメだなと気づかされました。これからは、駅伝の走りができるように準備していきたいと思います」と箱根本戦に向けての成長を誓った。
「一人でちゃんと、淡々と押せるというところを、もっと頑張っていきたい。自分の走りを、普通のレースではなく、駅伝仕様にしていかないと、この先走れないと思う」と、危機感も口にした長澤選手。2ヶ月後、どんな成長を遂げて箱根路を走るのか、期待が膨らむ。
6区[12.8km] 総合13位・区間 11位 副将・大仲 竜平 選手(スポーツ科4・北山)
持ち味の粘り強く安定した走りで前を追った大仲選手は、2校を捉え切ることはできなかったが、1つ順位を落とした大東文化大に13秒差、中央学院大に18秒差まで詰め寄り、終盤の追い上げに向けていい流れを生み出した。
「予選会の疲れは他の大学も同じ条件なので、しっかり走れないとダメだと思います」と話し、総合10位という結果に対しては「目標が12位だったので、それを上回ることができたという点では、チームとして箱根につながる走りができたと思います」と、前向きに捉えた大仲選手。本戦までの2ヶ月について聞くと、「昨年の二の舞にならないよう、体調管理をしっかり徹底し、怪我をしないように注意しながら練習に取り組むこと。箱根駅伝に向けて全員が同じ方向を向いてやっていきたいと思っています」と、力強い言葉が返ってきた。
7区[17.6km] 総合10位・区間 2位 シャドラック・キップケメイ選手(文理3・イリギタティ[ケニア])
それでも、「コンディションは良かった」というキップケメイ選手は圧倒的なスピードで前との差をグングンと縮め、東海大の先を走っていた城西大までも抜き去った。4つ順位を上げて10位に浮上、11位東海大に11秒差をつけるとともに、シード圏内8位までは1分16秒差に迫った。
区間2位の好記録については「良かった」との一言だったが、初めての全日本大学駅伝について「レースは楽しかったけれど、キツかった」と本音がこぼれた。3度目となる箱根駅伝でも、頼れるエースの活躍がチームの躍進につながるはずだ。
8区[19.7km] 総合10位・区間 9位 鈴木 孔士 選手(法4・中越)
「前半からもう少し速いペースで行っても良かった」という鈴木選手は、途中、追い上げてきた城西大にかわされて1つ順位を落としたが、ペースの上がらない日本体育大を捉えて再び10位に浮上。「城西大に追いつかれたところで粘ってついていければ、もっといいタイムが出たかもしれない」と話し、「16km過ぎからの登り坂も結構辛かったし、時間が掛かり過ぎました」と悔しげな表情を見せた。
ゴール地点の伊勢神宮内宮に続く直線道路では、前を走る城西大の背中を捉えていたが、その差を縮めることはできず、11秒差の10位でフィニッシュ。「もう少し行ければよかったのですが、少し距離が足りなかった。あと200・300mあれば抜けたかもしれません(笑)」
総合10位という結果について鈴木選手は、「箱根でシード権を獲りにいくというところを見据えれば、まだまだチームとしての力不足を感じます。他校の選手たちはみんなどんどん速くなっているので、自分たちもそれにどんどん追いついていかないといけない」と力を込める。個人では区間9位という好走だったが、「目標タイムより20秒くらい遅かったので自分自身も力不足。ここからもっと上を目指して、他大学の選手たちに勝てるように頑張っていきます」と、箱根駅伝に向けて決意を新たにしていた。
新雅弘監督 (1983年・経済学部卒)
この日のメンバー選考は、箱根駅伝のことやコースへの適正を考慮したと言い、「メンバーを外れた4年生には上尾シティハーフマラソン(11月16日)で走ってほしいし、1年生も使いたかったけれど、ハーフを走ってないので、今回はいろいろ経験している選手、未経験の選手を組み合わせて編成しました」
総合10位に食い込み、シード圏内8位(順天堂大)まで、あと1分4秒と健闘した選手たちを「粘り強い走りができました。3区で落ちた時も、そのあと盛り返すことができたところにチーム力がついてきたと感じます。これが本当の総合力ですね」と称えた。その一方で、「まだ結果を求める段階のチームではありませんが、通過順位と区間順位がほぼ一緒なんです」とも。「今回の経験を活かしてまた来年、予選会を通過して挑戦したい。選手たちもいい勉強、いい経験をしたと思いますが、私が一番いい経験をさせてもらっています(笑)」
全日本が終わり、いよいよ本格的な箱根モードに入る。これからの日々は、選手たちの口からも聞かれた「単独走」を課題として強化に取り組んでいくという新監督。「箱根はみんながハーフを走らないとダメですから、メンバーはまたフラットなところから。上尾ハーフで適性を見ながら考えていきます」と、チーム内での競争を楽しみにしているように笑った。
箱根駅伝本戦まであと2ヶ月。チームの成長も、メンバー争いも、さぁラストスパートだ。
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