【大学テニス】連載企画① チームの新たな歴史を刻んだ、王座連覇への軌跡

日本大学SPORTS
チーム・協会

王座連覇の表彰式後の集合写真 【日本大学】

〜全日本大学対抗テニス王座決定戦 2年連続5度目の大学日本一

愛媛県総合運動公園(松山市)で開催された、大学テニスの日本一を決める団体戦「2025年全日本大学対抗テニス王座決定試合(男子第79回/女子第61回)」。昨年覇者として臨んだ日本大学テニス部男子は、10月26日(日)からの決勝戦で第1シードの早稲田大と対戦し、2日間にわたる熱戦の末にポイント7-2で勝利。創部以来初の大会2連覇、通算5度目となる大学王座に就いた。それは、王者の誇りを胸に戦った選手たちと、彼らを支えるチームメイトたちの、チーム一丸の強い思い、熱いコミュニケーションの結実だと言えよう。

決勝戦シングルスに出場した6選手 【日本大学】


昨年、20年ぶり4度目の頂点に立った日本大学テニス部男子が、「王座連覇」を賭けて、再び王座決定試合の舞台に立った。
10月24日(金)の2回戦は、東北学院大にダブルス・シングルスともに全勝して9-0で完勝。25日(土)の準決勝・近畿大戦は、雨の影響で翌26日(日)にまたがる戦いとなったが、ポイント5-2(ダブルス3-0、シングルス2-2)で制し、決勝進出を決めた。

同日午後から早稲田大との決勝戦が始まった(この日はダブルスのみ)。関東リーグの初戦で敗れているだけに、その雪辱を期す戦いでもあり、選手・監督・コーチの誰もがリベンジに燃えていた。

最初の勝利はD3の小泉熙毅選手(通信4・浦和麗明)・山田矢音選手(スポーツ科3・東海大菅生)ペア。難敵を相手にストレート勝ちして1ポイントを先取した。
しかし、D2の丹下颯希選手(文理4・新田)・高畑里樹選手(文理3・相生学院)ペアは、あと1ゲーム獲れば勝利というところから逆転負けを喫し、ポイントは1-1と並んだ。

是が非でも勝ちたいD1。髙悠亜選手(スポーツ科4・関西)・木村一翔選手(スポーツ科1・関西)ペアの試合は1セットオールとなり、10ポイントタイブレークにもつれこんだ。互いに譲らずスコアが14-13まで競り合って迎えた6度目のマッチポイント、相手のリターンショットがベースラインを割り、長い戦いにようやく終止符が打たれた。コートサイドで声援を送っていたチームメイトは喜びを爆発させ、スタンドの観客からは死力を尽くした4人の選手に惜しみない拍手が贈られた。

岡山・関西高校の先輩後輩となるペアは、息のあったコンビネーションを見せた 【日本大学】

激闘を制した木村選手(左)と高選手(右) 【日本大学】

気迫で上回ったシングルスの戦い

ポイント2-1と一歩リードし、優勝まであと3勝。秋晴れの朝となった27日(月)は、シングルス4試合(S6〜S3)が同時に始まった。
最初に決着がついたのは、S3で出場した高選手。高校の後輩にあたる早稲田大・遊川大和選手に対し、強烈なサーブと正確なフォアハンドで試合の主導権を握る。「早く勝ってチームに勢いをつけたいと思いながらやっていました」との言葉通り、第1セットは3度のブレイクに成功して6-3で奪取。第2セットも相手に流れを渡さずにリードを保ち、最後はラブゲームで締めて6-3。エースの貫禄を見せつける勝利だった。

高選手の勝利で、リードが広がった 【日本大学】

それに続いたのが、前日のダブルスでも気合いの入ったプレーを見せていたS6・木村選手。
「強い4年生がほかにもいる中で、1年生ながらS6に出させてもらったことをしっかり受け止めて、楽しんでやろうと思いました」と、早稲田大のエース格である森田皐介選手に対し、堂々としたプレーで互角に渡り合う。
鋭いバックハンドショットや積極的なネットへの仕掛けなどで、3度のブレークを重ねて第1セットを6-4で獲ると、第2セットも勢い衰えず一気に4ゲームを連取して5-2。あと1ゲームを獲れば勝利が決まる第8ゲームで、3度目のデュースからの1プレーで試合が止まった。
木村選手が放ったバックハンドショットに、森田選手が飛びついて返した打球は、高く上がって左サイドラインを割ったように見えた。しかし、審判のコールがないままプレーが続行されると、森田選手のボレーが決まりアドバンテージを許してしまう。判定を不服とした木村選手が主審に詰め寄り抗議をするも、判定は変わらない。
この時、スタンドから戦況を見守っていた山田眞幹監督が、木村選手に向かって叫んだ。「これは個人戦じゃなくて団体戦だから、みんなのために切り替えよう。次のプレーに集中しよう」
固い表情を浮かべる木村選手だったが、試合が再開されると一気に3連続ポイントを奪って勝負を決めた。相手の最後のショットがベースラインを越えたのを見届けると、木村選手は雄叫びを挙げてコートに大の字に倒れ込んだ。

試合後、「あれでもう一度、自分の中で火がついた。最後までファイトするぞという気持ちでやれました」と、笑みを浮かべながら振り返った木村選手。山田監督は「まだ1年生なので、判定にイラつくと雑になってしまう可能性があった。みんなの代表として団体戦に出ていることを思い出し、気持ちを切り替えて頑張ってほしかった」と言いながらも、貴重な1勝を挙げたルーキーを称えた。

気迫あふれるプレーで勝利し、優勝に王手を掛けた木村選手 【日本大学】

王座連覇へあと1勝とし、優勝を決めるのはS5・岡部悠希選手(経済4・日大三)か、S4・山田選手か。注目を集める2つのコートの戦いは、いずれもフルセットにもつれ込んだ。

サウスポーから力強いショットを繰り出す山田選手は、第1セットを6-3で獲ったものの、第2セットを逆転で失う。最終セットも自分のペースを取り戻すことができないまま押し切られ、2-6で敗戦。「しっかり勝って優勝を決めたかったのですが、勝つことができず悔しい」と唇を噛んだ。

一方、6-4、1-6のタイで最終セットに臨んだ岡部選手は、ゲームカウント5-5からの第11ゲームで再びブレークに成功し、6-5と1歩リード。第12ゲームの最後は、相手のリターンがアウトになりゲームセット。その瞬間、岡部選手はラケットと帽子を放り投げ、両拳を突き上げて喜びを全身で表した。コートサイドで声援を贈っていたチームメイトは湧き立ち、山田監督をはじめ本学関係者が陣取るスタンドは歓喜につつまれた。
「試合前は自分が決めるという意識はなかった」という岡部選手だが、山田選手が苦戦し、S1・丹下選手の試合状況を見て、「先に決めてやるっていう気持ちが湧いてきた。勝ち切れて良かった」と満面の笑みを浮かべた。

その後、丹下選手(6−0、6−2)、S2・小泉選手(6-4、6-4)も勝利してシングルスはポイント5-1。ダブルスとの合計7-2と完勝して、通算5度目の優勝を、創部史上初となる連覇で飾った。

次回の連載企画は11/10を予定。

悔しい敗戦も、「来年につながる経験ができた」と話した山田選手 【日本大学】

勝利により王座連覇を決め、雄叫びを挙げる岡部選手 【日本大学】

岡部選手の4分後の勝利に「先に勝って優勝を決めたかった」と話した丹下選手 【日本大学】

接戦に勝利し有終の美を飾った小泉選手 【日本大学】

選手たちに胴上げされ、満面の笑みを浮かべる山田監督 【日本大学】

  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

日本大学は「日本大学競技スポーツ宣言」を競技部活動の根幹に据え,競技部に関わる者が行動規範を遵守し,活動を通じた人間形成の場を提供してきました。 今後も引き続き,日本オリンピック委員会を始めとする各中央競技団体と連携を図り,学生アスリートとともに本学の競技スポーツの発展に向けて積極的なコミュニケーションおよび情報共有,指導体制の見直しおよび向上を目的とした研修会の実施,学生の生活・健康・就学面のサポート強化,地域やスポーツ界等の社会への貢献を行っていきます

新着記事

お知らせ

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント