途中出場の久保は幻ゴールを演出、レアル・ソシエダはバスクダービーを制す

レアル・ソシエダ
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ゴロチャテギの劇的弾でアトレティックに3−2で勝利

【©️RealSociedad】

 ラ・リーガ第11節、ラ・レアルは本拠地アノエタにアトレティック・クルブを迎えた。バスク人としての誇りと友情、隣街の永遠のライバル、様々な想いが同居するバスクダービー。この地域特有の霧雨(Xirimiri/シリミリ)が立ち込めるアノエタでは熱狂が渦巻いていた。試合開始前の順位はラ・レアル、アトレティック・クルブがそれぞれ17位、9位と本調子とは言えないシーズンを送っている。久保は10月5日以来約一ヶ月ぶりのメンバー入りとなった。

 バスクの両雄が激突する一戦は序盤から中盤で激しいプレッシングの掛け合いの中、ロングパスも織り交ぜ攻撃の糸口を探るラ・レアル。アンフェアにも感じられるレフェリングに対応しながらソレール、オヤルサバルのシュートなどやや優勢に試合を進める。攻撃が結実したのは38分、バレネチェアのクロスをオヤルサバルが触り中央のブライス・メンデスへ。シュートは一度GKウナイ・シモンの右手に阻まれるが、自ら押し込み先制点をもたらす。

 好機を演出したバレネチェアは得点前のプレーでの負傷によりザハリャンとの交代を余儀なくされる。先制から僅か4分後、アトレティックは素早いリスタートから同点弾を決める。ベレンゲルのパスに反応したゴロサベルがエリア内で粘り、パスを受けたグルツェタがシュートを突き刺した。一瞬の気の緩みから試合は振り出しへと戻り、1−1で前半を終える。終了間際にアトレティックDFビビアンが頭部の負傷によりピッチを後にするが大事には至らなかった。

 後半開始直後、アノエタが震える。47分、ブライス・メンデスの左サイドからパスを受けたゲデスが相手をかわし、右足のアウトサイドでの技ありシュートでネットを揺らす。この得点後、お決まりのセレブレーションで肩を組み飛び跳ねるラ・レアルサポーター。スタジアムは文字通り大きく揺れた。追加点により勢いを増すラ・レアルに対しアトレティックは53分、エースのニコ・ウィリアムスを投入するが流れを変えることはできない。

 63分、ピッチへと送り込まれた久保が早速ドリブルで魅せる。カウンターからのキレのあるドリブルが相手のファウルを誘いイエローカードが提示される。さらにその2分後、久保は自らを起点とした攻撃から、最後はザハリャンのゴールをアシスト。試合を決める3点目が決まったかに思われたが、流れの中でオフサイドがあったとして得点は取り消された。追い打ちをかけるように79分にはかつてのチームメートであるロベルト・ナバロに同点弾を許してしまう。

 1試合以上の重みを持つ試合では想いの強いチームが勝利する。92分、CKからゴロチャテギがミドルシュートは当たり損ねる。しかし、これをオヤルサバルが折り返し、エリア内に侵入したゴロチャテギが今度は芯を捉えた豪快な一振りでゴール上部にシュートを突き刺す。バスクダービーデビューとなった若き「4番」がチームを勝利に導く得点を決め3−2とする。98分の試合終了の笛の後もスタジアムを後にしないサポーター達はチームと共に勝利を祝った。

 直近のリーグ戦を2勝1分としたラ・レアルは暫定ながら順位を13位まで上げた。次戦は今季好調のエルチェとの一戦に臨む。
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著者プロフィール

レアル・ソシエダは1900年代初頭に創設され、2度のリーグ優勝と3度の国王杯を制したスペインの名門サッカークラブです。過去にはミケル・アルテタやシャビ・アロンソといった名選手がプレーし、2022年からは日本代表の久保建英が所属しています。

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