高知から2頭が参戦!ムーンオブザエースが佐賀三冠をかける3歳重賞/佐賀・ロータスクラウン賞データ分析

佐賀県競馬組合
チーム・協会

2024年優勝バレンタインガール 【撮影:佐賀県競馬組合】

第22回 ロータスクラウン賞(3歳、四国・九州地区交流、ダート1860m)
10月26日佐賀6レース 18時15分発走予定


佐賀三冠最終戦で、佐賀皐月賞、九州優駿栄城賞と二冠を制したムーンオブザエースが三冠をかけて登場。そこに地元のライバルはもちろん、高知からも2頭が遠征して立ちはだかる。
2015年~24年の過去10回に加え、昨年から1860mへの距離変更にともない、同距離の2023年以降のデータを元に分析する。

勝利数は佐賀優勢も、高知の好走率も高し

高知との交流重賞で、地元・佐賀は7勝、2着7回、3着8回と優勢。対する高知は出走枠が限られているため上位入着数は佐賀の約半数だが、好走率が高く、2回に1回近い割合で2着以内に入っている。

所属別成績 【表1】

直近2年は不振も、1番人気の高い信頼

直近2年連続で1番人気が4着以下に敗れてはいるが、それまでは1番人気の信頼度は高く、6勝を挙げて15年~22年は毎回3着以内に入った。また、単勝3番人気以内の馬が複数頭、3着以内に入ったのは過去10回中6回で、うち2回は人気上位3頭での決着だった。
3連単万馬券は5回。うち4回は5万円以上の配当で、堅い配当と波乱、極端な配当になる傾向がある。

単勝人気別成績 【表2】

2023年にできた距離は逃げ~差しが幅広く活躍

舞台となる佐賀ダート1860mは向正面に入ってすぐの地点からスタートして、コースを1周半する。これまで似た距離の1800mはあったが、1860mは2023年4月から新たに使われるようになり、昨年はJBCレディスクラシックがこの距離で行われた。
ここでは1860mが行われるようになった2023年以降のデータを見てみる。脚質別では中距離になるが、逃げは成績が良く、3着内率50%。勝率は1400m(2024年)に比べて約10%高い。
先行や差しも好走しており、距離が長い分、中団からでも上位入着が叶う。

脚質別成績 【表3】

3番~4番枠が好走

同じく1860mの2023年以降の馬番別成績は下表の通り。スタートから最初のコーナーまでの距離が比較的長いため、内枠でも極端な不利は少ない。
好成績を残すのは4番枠で3着内率56%。また、1つ内の3番枠も3着内率48%を誇る。これら2つの馬番から逃げたのは1頭で勝率100%。多いのは先行・差しで25頭が該当し、うち5頭が勝利を挙げた。

馬番別成績 【表4】

牡馬と牝馬、ほぼ互角の3歳重賞

2歳秋の重賞では牝馬が好成績を残すケースもよく見られるが、今回は3歳重賞で、季節も秋。そうなると牡馬が圧倒的優勢かと思われたが、1~3着の回数は牝馬とほぼ互角。性別による取捨はデータ上は不要だ。

性別別成績 【表5】

3歳頂上決戦組が有利

最後にロータスクラウン賞好走組のキャリアについて。JRAの日本ダービーにあたる3歳頂上決戦が佐賀では九州優駿栄城賞、高知では高知優駿で、そのレースで5着以内だった馬が過去10年で9勝を挙げる。3着内率も65.4%。九州優駿栄城賞は2000m、高知優駿は1900mで距離が近いこともさることながら、3歳頂上決戦上位組はその実績から中心に扱った方がいいだろう。

キャリア別成績 【表6】

データからの推奨馬は?

①1番人気
②3番枠、4番枠
③九州優駿栄城賞or高知優駿5着以内

※性別による割引不要
※脚質による割引不要

ムーンオブザエースはここで佐賀三冠を狙う。前走は古馬混合のA2クラスで2着。休み明けをひと叩きしていい状態でここへ向かうことができそう。
2番枠の3着内率はこの距離ではワースト2だが、勝率は4番目に高い。地元3歳馬には2月以降、負けておらず、ここも期待できる。
①③に該当。

ツモは5連勝で迎えた九州優駿栄城賞を1番人気に支持された馬。この馬のレースパターンで後方から脚を伸ばしたが、届かず3着で、さらに意外だったのは脚を伸ばし切れなかった前走の10着だ。そのレースぶりからは強気になれないが、休養を経ての立て直しに期待。最内枠の成績も悪くない。
③に当てはまる。

②からは4番枠に入ったニシノリンダ
JRAで1勝を挙げて今春に佐賀へ移籍すると、6月には佐賀ユースカップで重賞初制覇を果たした。九州優駿栄城賞には出走していないため、その組との力比較は難しいが、距離実績もある。

好走率の高い高知馬は今年、ヤマノアシオトとザセンチュリーが遠征。
両者とも直近の重賞では自分からレースをやめており、その気性や長めの距離が気がかりではあるが、ヤマノアシオトは高知優駿3着。同馬は本来、距離が延びて良さを発揮しており、3走前から歯車が狂い始めた気性が立て直されていれば、勝利まであっても不思議ない。③に該当。

第22回 ロータスクラウン賞 【出馬表】


文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「Number」「netkeiba.com」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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著者プロフィール

佐賀競馬は九州唯一の地方競馬場として主に土日に競馬を開催しています。注目の重賞情報やイベント情報など、佐賀競馬のニュースを日々お届けいたします。

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