【週刊グランドスラム326】巨人1位の竹丸和幸(鷺宮製作所)をはじめ12名の社会人が指名される――プロ野球ドラフト会議
「今年の大学4年生は、コロナ禍で甲子園が中止になった2020年は高2で、まだ高い潜在能力を備えた選手を獲り切れていない。しかも、今年はプロ志望届を出した有力な高校生が少なく、どの球団も大学生を中心に指名していくはずです」
4位指名になり、ようやく東京ヤクルトがトヨタ自動車の増居翔太、横浜DeNAもHondaの片山皓心を指名する。これも、前出のスカウトによれば、「大学生を中心に指名する以上、社会人は若さより、しっかりと経験を積み、左腕や球質など特長のある即戦力にいくでしょう」ということ。なるほど、ここまでの上位3名はいずれも左腕エースだ。
そうして、5位に入ると次々と社会人が指名される。福岡ソフトバンクは強打の内野手・髙橋隆慶(JR東日本)、横浜DeNAは抜群の身体能力で二遊間をこなす成瀬脩人(NTT西日本)、巨人も攻守にスピードを備えた遊撃手の小濱佑斗(沖縄電力)、千葉ロッテが今季の九州大会で敢闘賞の右腕・冨士隼斗(日本通運)。冨士は実弟の大和が昨年の育成ドラフト1位で埼玉西武へ入団しており、兄弟揃ってパ・リーグで成長を目指す。
下位指名が増えたのは競合する確率が低いから
さらに、7位では千葉ロッテが田中大聖(Honda鈴鹿)、東京ヤクルトが飯田琉斗(ENEOS)と、速球派右腕に白羽の矢を立てた。この飯田が最後の指名となり、今回のドラフトでは73名が名前を呼ばれた。
最近、社会人の指名は下位が増えているが、決して評価が低いわけではない。これも前出のスカウトに聞いた。
「高校、大学を経るうちに、選手としての特長がより強くなる。球団は、そのタイプを即戦力として求めるわけで、球団ごとにニーズが分かれて競合する確率は低くなります。2位以下のウェーバーは早いもの勝ちですから、どうしても社会人の指名順位は後になる。それでも、今回の竹丸君のように高校、大学時代は無名で、社会人で急成長したような選手は、競合するケースが考えられるので順位も上がるでしょうね」
さて、育成ドラフトでは、9月のクラブ選手権に初出場したCLUB REBASEの四番・鈴木貴大が福岡ソフトバンクから5位指名された。また、バイタルネットからBCリーグ神奈川に転籍した左腕・冨重英二郎は巨人1位、IMF BANDITS富山から日本海リーグの富山へ転籍した強打の外野手・幌村薫汰は東北楽天1位、通信制高校に通いながらヌーベルベースボールクラブでプレーし、日本プロスポーツ専門学校を経て日本海リーグの石川で成長した大型外野手・大坪梓恩は東北楽天2位、沖縄電力からオイシックス新潟へ転籍した俊足好打の外野手・知念大成は巨人5位で指名された。
プロの世界に飛び込む選手には、厳しい競争を勝ち抜いて活躍してもらいたい。
取材・文=横尾弘一
グランドスラム66は、10月27日に発売予定です!!
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