新加入選手は安江祥光選手ただ一人、その理由とは? 2025-26シーズン方針発表記者会見レポ【前編】

チーム・協会
昨シーズンに引き続き、10月11日に東京都江戸川区のタワーホール船堀で開催された「クボタスピアーズ船橋・東京ベイ2025 -26シーズン方針発表記者会見」。会場には報道陣やパートナー企業関係者に加え、抽選で招待されたファンクラブ「Spears+」の会員100名も駆けつけ、熱気に満ちた会見となりました。

写真左から、前川泰慶ゼネラルマネージャー、フラン・ルディケヘッドコーチ、通訳・平井一敏さん 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

初登場「秩父宮パック」、3シーズンぶりに復活の「NISHIOシート」

冒頭、司会の広報マネージャー岩爪航さんから残念なアナウンスが。登壇予定だったショーン・スティーブンソン選手がコンディション不良のため不参加の旨が伝えられたのです。ラグビーさながらのアンストラクチャーな状況にファンたちが肩を落とす中、「今、前川GMが他に誰か呼べないか急きょ調整中です!」との一言。会場にいるみんなが「誰か来てくれますように……!!」と祈る中、会見は幕を開けました。
最初に、コンシューマーマネージャー近藤亮さんからチーム情報のお知らせが発表されました。2025-26シーズンのチケットについては、スピアーズえどりくフィールド(えどりく)を中心に行われるホストゲーム6試合をまとめてお得に購入できる「シーズンシート」、東京サントリーサンゴリアス・埼玉ワイルドナイツとの2試合の良席を狙える「秩父宮パック」、そして満を持して3シーズンぶりに登場するえどりくの「NISHIOシート」について説明がありました。

NISHIOシートは2022-23シーズン以来の復活。ピッチ内に立体仮設シートを設置することで、臨場感と全体を見渡せる見やすさを両立しました。写真は、スピアーズのえどりく過去最多入場数となった2023年4月22日の東京サントリーサンゴリアス戦で、NISHIOシートの目の前を駆け抜けるゲラード・ファンデンヒーファー選手 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

また、Spears+入会でもらえる非売品の「2025-26ファンブック」(現在絶賛制作中!)の一部企画をこの場で初公開。スピアーズのSNSでも紹介されています。
10月31日(金)までにSpears+に入会すると、シーズン開幕前にファンブックが手元に届く予定とのことです!

チームの新運営テーマは“Together We Rise!!”

続いて、前川GM、フラン・ルディケヘッドコーチ(以下、フランHC)が登壇。

中央にはスピアーズのマスコットキャラクター「スッピー」のぬいぐるみも 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

前川GMはまず「スピアーズのホストゲーム運営テーマ、MAKE YOUR “ORANGE”~あったかいスタジアム~は継承しつつ、元気や感動、オレンジの持つ力をみなさんに届けられたら。また、チームとしての運営テーマ“Together We Rise!!”を新たに掲げ、オレンジアーミーのみなさんと一緒に一つずつ上を目指し、国立競技場という最高の舞台で喜びを分かち合いたい」と自身の思いを述べました。

続けて「47年前にクボタの同好会から始まったスピアーズは、3年後に創部50周年の節目を迎えます。過去には2部降格など苦しい時期も経験しましたが、現在チームはいい方向に進んでいます。1年前GMに就任した際、“黄金期をつくりたい”とこの場でお話しました。この1年で、そのためにはオレンジアーミーの力がさらに必要だと痛感しています。どうか、みなさんの力をお貸しください」と呼びかけました。
また、以前の調査で江戸川区内でのチーム認知度が10%程度だったという事実に触れ、「地域社会に根差した活動には、まだ多くの課題があります。江戸川区の人口約70万人のうち、約7万人に認知していただいている計算になりますが、この数字をさらに高め、一人でも多くの方にえどりくへ足を運んでもらいたい」と言葉に力を込めます。

ジュニア世代の育成強化についても言及。「男女通じて日本代表セブンズのヘッドコーチを長らく務めた鈴木貴士コーチが、今シーズンから育成マネージャーとしてスピアーズに帰ってきました。ジュニアチームで育った選手が将来スピアーズで活躍し、さらには日本代表へ選ばれる……そんな未来を描いています」とビジョンを語りました。

【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

ここでフランGMにバトンが渡るかと思いきや、前川GMは「『スピアーズは今シーズン移籍選手情報の発表が少ないのでは?』と感じている方も多いと思いますので」と、チーム強化にまつわる話へ。

フッカー・安江祥光選手に白羽の矢が立ったワケ

「今季の新加入選手は、安江祥光選手一人のみです。長年リクルーターを務めてきましたが、まさか自分より一つ年上の選手を獲得することになるとは……!」という前川GMの言葉に、会場はどよめきます。そして「ここにいるみなさんには、正直にお話ししたい」と前置きし、安江選手獲得の経緯を語り始めました。
「スカルク・エラスマス選手がチームを離れることになり、フッカーの補強が必要で、カテゴリBの別の選手に加わっていただく予定でした。しかしその選手が海外での大会参加中に怪我をしてしまい、今シーズンの加入ができないとエージェントから連絡が入り、困ったな……と」。そこで、白羽の矢が立ったのが安江選手でした。

「三菱重工相模原ダイナボアーズとの契約がなくなった際『スピアーズでプレーしたい』と強く望んでくれていることは、代理人から聞いていました。そこで連絡したところ、二つ返事で加入が決まりました。実は、この2週間ほどの出来事です」

【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

最後に、新加入選手が少ない理由についても触れた前川GM。「一つはスピアーズというチームに共感し、選んで入ってきてくれた有望な若手選手、新卒選手の成長に注力し、日本代表のレベルまで持っていきたいから。もう一つは、公式戦にあまり出られなかった選手たちの強化です。昨シーズン、練習試合を6試合シーズン中に行ったところ、なんと6戦無敗という結果を残しました。すばらしいパフォーマンスを見て、彼らの成長を強く後押ししたいと感じたのです」。
現在、スピアーズでは9人の選手が日本代表として活動を行っています。さらに、マルコム・マークス選手もインターナショナルの舞台で活躍中。「彼らはタフな環境で成長して帰ってきてくれると思いますが、スピアーズに残っている選手が彼ら以上に成長してパフォーマンスを発揮してくれたら、今シーズンの結果につながるはず。コーチ陣やスタッフ陣、オレンジアーミーのみなさんとともに私も成長し、“Together We Rise!!”を体現して優勝をつかみたい」と熱い思いで締めくくりました。

2025-26シーズンのスローガンは「GRIT」に決定

続いてマイクを握ったフランHCは、開口一番「こんにちは!」と日本語で爽やかに挨拶。会場のあちこちから大きな拍手が起こりました。

【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

オレンジアーミーへの感謝の気持ちを述べ、「新シーズン開幕を前に、エキサイティングな気持ちです。昨シーズンは優勝こそ逃しましたが、多くの学びを得られました。まずはコベルコ神戸スティーラーズ戦(第1節・12月13日17時KO)に自分たちのベストをいかに持っていけるか、パフォーマンスを出せるか。昨シーズンのプレーオフ決勝戦を起点として、そこからどこまで向上できるかです」と話します。
ここで、今シーズンのスローガン「GRIT」がスクリーンに投影されました。

GRITはGuts(ガッツ)、Resilience(レジリエンス)、Initiative(イニシアチブ)、Tenacity(テナシティ) の頭文字を取った言葉 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

「GRITとは、情熱と忍耐力。私たちの日々の生活や、練習中のふるまい、行動にGRITが込められています。リーグ戦は本当にタフです。今シーズンも接戦が予想される中、リーグ戦を登山に置き換えたときに、どれだけ多く山頂を目指せるかが試されます」

締めの言葉として、「スタジアムをオレンジに染め、美しい絵を見せてくれるオレンジアーミーには、選手・スタッフ一同感謝しています。今後はぜひ、友人だけでなく他チームのファンにも“オレンジ布教活動”を進めていってほしい」とオレンジアーミーに伝えました。

【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

記者のみなさんからの質疑応答タイムを経て、いよいよ安江選手の新入団記者会見へ移ります。
●チケット販売のお知らせ
10月24日(金)正午から、Spears+会員を対象に、秩父宮ラグビー場で行われる2試合をまとめて購入できる「秩父宮パック」が発売されます。対象席種はメインSS指定席、メインS指定席、メインA指定席、バック指定席、バック自由席、ゴール裏自由席。現在販売中の「シーズンシート」同様、11月2日(日)中まで購入可能です。なお、先着順の販売となり、各席種の予定枚数がなくなり次第販売終了となります。こちらのチケットページをチェックしてくださいね!
取材・文:せきねみき(ライター・コラムニスト)
写真:チームフォトグラファー 福島宏治
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著者プロフィール

クボタスピアーズ船橋・東京ベイは、日本ラグビーの最高峰「ジャパンラグビーリーグワン」に所属するラグビーチームです。。1978年創部し1990年にクボタ創業100周年を機にカンパニースポーツと定め、千葉県船橋市の(株)クボタ京葉工場内にグランドとクラブハウスを整備しました。「Proud Billboard」のビジョンの元、ステークホルダーの「誇りの広告塔」となるべくチーム強化を図っています。またSDGsの推進や普及・育成活動などといった社会貢献活動を積極的に推進しています。

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