【CPBL】呉念庭、モヤ、吉田一将…… NPBおなじみの選手が多数活躍した今季。WBCに向けた注目の話題も!
※情報は9月24日現在のもの。
個人タイトル上位には日本のファンおなじみの顔が
今季、開幕直後は打率が2割を切るなど低迷し、さらに肉離れで休養を余儀なくされるという波乱のスタートとなったが、5月末に一軍に復帰すると、6月は月間打率.463と打ちまくり、以降は3割台をキープ、得点圏打率は.402と、文字通り「得点圏の鬼」の活躍を見せた。今季話題のトルピード(魚雷)バットを手にしてからのヒット量産となったが、本人曰く、ファームで打撃のメカニズムを見直したことが、真の好調の理由だという。8月12日、CPBL通算100安打を達成した日にはパパに。公私ともに充実のシーズンを送った。
24本塁打で本塁打トップ、打率も.314で2位につけているのが、日本のファンにもおなじみのスティーブン・モヤ(台鋼)だ。オールスターゲーム観戦のため、子どもたちと共に台湾へ向かっていた夫人が機内で体調を崩し、着陸後、救急搬送されるも他界するという悲劇に見舞われたモヤ。球団は休養、さらには退団もやむなしと考えていたが、本人は「チームに迷惑をかけたくない、グラウンド内に集中することで、悲しみから少しでも意識をそらしたい」とプレー続行を希望。7月22日、オールスターブレイク初戦から出場し、最初の打席で犠牲フライを放ち勝利に貢献。いきなりお立ち台に選ばれると、「皆さん、家族とのかけがえのない時間を大切にしてください」とファンによびかけ、涙を誘った。
球団のサポート、ファンの温かい声援もあり、モヤはその後も優れたパフォーマンスを発揮。8月は打率.387、4本塁打、12打点で、今季2度目の月間MVPに輝いた。その後、腹筋を痛めて半月ほど欠場したが、9月20日、一軍公式戦に復帰。リーグ唯一OPS1.000超えの打棒を見せた。
そのほか、打点は吉力吉撈・鞏冠(味全)が79打点でトップに。安打数(125本)、盗塁(26個)は李凱威(味全)とプレミア12の優勝メンバーがリードする。同じくプレミア12代表で、日本球界も長打力を評価し熱視線を送っていると伝えられる林安可(統一)は22本塁打、71打点といずれも2位につけている。
投手陣は、規定投球回数到達13人のうち12人が外国人投手となっている。勝利数、防御率争いはいずれもし烈だが、13勝で並んでいるトップタイの3人のうちの1人が、CPBL5シーズン目、かつて広島でプレーしたブレイディン・ヘーゲンズ(台鋼)だ。
ヘーゲンズは8月16日、クローザーを務めていた楽天モンキーズ時代の2023年8月29日からの連勝を22に伸ばし、リーグ記録を更新。その後、敗戦を喫したが、13勝(1敗)、防御率も3位の2.00と、台鋼の先発の軸となっている。
ホールドは、前期の優勝に貢献し、後期も統一のブルペンを支えている髙塩将樹(統一)が23個でトップ。今季も「チェンチェン大丈夫」、CPBL5シーズン目となった陳冠宇(楽天)が21で続いている。
セーブは台鋼の2年目、林詩翔が27セーブでトップ。プロ入りまで幾度も挫折を味わった苦労人が、クローザーに任命され開花した。2位の陳韻文(統一)とは8セーブの差があり「当確」といえる。
日本人「助っ人」では台鋼の吉田一将、櫻井周斗、富邦の鈴木駿輔が一軍登板
開幕段階で支配下登録された日本人選手は、昨季、オイシックス新潟からシーズン中に台鋼に入団、抑えとして活躍し「台鋼のダルビッシュ」と呼ばれた吉田一将のみだった。チーム事情により今季先発に転向した吉田は、腰を痛めた影響もあり初登板は4月末となったが、2試合目の5月3日には6回途中無失点で「お立ち台」に選ばれる上々のスタート。しかし、打線の援護に恵まれない不運もあり、勝ち星は伸びなかった。
吉田は登録最終期限前の8月23日、新外国人のディネルソン・ラメットと入れ替えで登録抹消。13試合登板、3勝6敗、防御率5.10の成績で終えた。それでも球団は、吉田の技術と経験を若い選手に伝えてほしいと残留を要望。その後も二軍でプレーを続けた。
8月に支配下登録されたのが櫻井周斗だ。春季キャンプのテストで合格し、開幕以降は、二軍で主に先発として防御率2.54とアピールしてきた。8月16日に初の一軍昇格を果たし、翌17日、本拠地、南部・高雄市の澄清湖球場で行われた統一戦で初登板・初先発。制球に苦しんだものの、5回無失点でうれしい初勝利を挙げた。8月23日の中信戦も6回2失点と試合をつくったが、翌日二軍に降格した。
また、櫻井との支配下登録争いで敗れる形となったのが、元BCリーグ武蔵の小野寺賢人だ。昨季はケガで途中離脱するまで、制球力と緩急で安定感抜群の投球を披露。今季、肘のケガからリハビリを経て二軍戦に復帰し、次第に調子を上げアピールしたが、支配下登録はならず退団となった。
一方、富邦は3月下旬、「育成外国人」という形で元茨城アストロプラネッツの根岸涼、元くふうハヤテ静岡の二宮衣沙貴の両右腕と契約した。富邦との契約前に、台鋼のキャンプに参加し、テストを受験するなどCPBLでのプレーに強い意欲していた二宮は、主に先発として6月中旬まで二軍で9試合に登板。根岸も中継ぎとして7月初旬まで二軍で21試合に登板したが、いずれも支配下登録とはならなかった。
鈴木はその後も台湾に残り、社会人の全越運動でプレー。アマの春季リーグでの活躍を受け、5月、外国人投手が負傷した富邦が獲得した。二軍7試合で38イニング無失点という圧倒的な成績を残し、8月25日、プレミア12ベネズエラ代表のセットアッパー、エンダーソン・フランコと入れ替えで支配下登録の機会をつかむと、同27日、負け投手にはなったものの、台鋼戦で6回6安打自責点1と好投した。
体重を約4kg落として臨んだという今季は、課題だった制球が大幅に改善。決め球のフォークもスピードアップし、ここまで4試合、2勝1敗、防御率1.90と、段違いの安定感を見せている。鈴木は一軍での好成績にもおごることなく、ファームで調整をサポートしてくれた島崎毅投手コーチやスタッフへの感謝を口にした。
ドラフト全体1位はすでに一軍定着 レジェンド選手の引退相次ぐ
味全の1位指名は、2019年、レンジャーズでMLBに昇格した右腕・黄暐傑。まだ万全なパフォーマンスは発揮できていないが、来季は先発ローテーション入りを期待したい。
また、9月初旬、沖縄で行われたU-18ワールドカップで3位に入った台湾代表からも7名指名された。
今季は、国際大会を含め長年台湾球界をけん引してきた超大物の引退も相次いだ。CPBLの通算ホームラン記録を持つ43歳の林智勝(味全)は9月7日、台北ドームで行われた引退試合3連戦の最終戦、6回裏、21年間に及ぶ現役生活の最終打席で、自身のリーグ本塁打記録を更新する通算305号をレフトスタンドにたたき込み、有終の美を飾った。
オフ、WBCに向けた話題も
このほか一部メディアが、来年2月、NPBの球団が台湾を訪問し、台北ドームでCPBLの球団及びWBC台湾代表と交流試合を行う計画があると報じている。来春はどのチームが台湾を訪れるのか、続報が気になるところだ。
WBCに向けた準備も始まっている。8月25日、80名のラージリストが確定。オールプロでCPBLのほか、アメリカや日本でプレーする選手も含まれていることがわかった。7月、アメリカを訪問したCPBLの蔡其昌コミッショナーは、外野手のスチュアート・フェアチャイルド(レイズ)及び今季、カブス傘下3Aで20本塁打を記録した内野手のジョナソン・ロングの2人が、台湾代表入りに強い意欲を見せていることを明らかにした。
蔡コミッショナーは9月初旬、北海道日本ハム、東北楽天、福岡ソフトバンクの3球団を訪問し、所属台湾選手の出場意向やコンディションを確認。12月中にもメンバーが絞り込まれ、来年1月中旬からは代表キャンプが行われる模様だ。
文・駒田英
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ