前走の上がり39秒未満が好走!2歳の目玉重賞に下原理騎手、渡邊竜也騎手らも遠征/佐賀・ネクストスター佐賀データ分析

佐賀県競馬組合
チーム・協会

2024年優勝ミトノドリーム 【撮影:佐賀県競馬組合】

第3回 ネクストスター佐賀(2歳、ダート1400m)
10月13日佐賀6レース 18時05分発走予定


ダート路線の整備に伴い、一昨年に全国的に創設された「ネクストスター」。各地で2歳短距離重賞として行われ、3歳春には各ブロック(北日本、東日本、中日本、西日本)での交流重賞へと発展、その先には兵庫チャンピオンシップ(JpnII、園田1400m)へと繋がる。
ここでは2023年~24年の当レース過去2回に加え、同舞台で行われる2歳重賞・九州ジュニアチャンピオンの過去8回(1400mで行われるようになった18年~25年)のデータを元に分析する。

1番人気、好走中

当レース初回となった23年は3番人気→1番人気→2番人気の順で決まり、3連単3610円。JBC佐賀当日の最終レースとして行われた昨年は1番人気→8番人気→5番人気の順で1万8920円だった。3連単の配当に差はあるものの、1番人気の連対率は100%。高い信頼を置いていいだろう

単勝人気別成績 【表1】

2歳短距離重賞では先行有利か

初代王者ウルトラノホシ、昨年覇者ミトノドリームともに5番手からの勝利。2着、3着を見ても先行から抜け出す形が好成績を残している。
逃げは3着内率0%で一見、不振に思えるが、23年6番人気、24年4番人気による逃げだったため、人気を考えると妥当か。[表2]
当レースと同舞台の2歳重賞・九州ジュニアチャンピオンでは逃げの3着内率57.1%というデータを見ても、逃げが不利なコースやレース条件ではない。なお、こちらのデータでも先行の3着内率50%と高い点は注目したい。[表2-1]

脚質別成績 【表2】

前走上がり39秒未満

前述のデータから、先行から抜け出す形が好走パターンだと分かった。それにはある程度の上がりの脚も求められる。では、前走でどのくらいの脚を使えていればいいのか。
当レース過去2回では3着以内に入った6頭中5頭が前走で上がり3ハロン39秒未満の脚を使っていた。重賞の舞台で上位争いに加わるなら、これが求められる水準なのだろう。

前走上がり3ハロン別成績 【表3】

比較的外目の枠が好成績

同舞台の九州ジュニアチャンピオンでの馬番別成績は下図の通り。6番、8番、12番と比較的外目の枠が好成績を残している。
一方、好走率が低い馬番の中でも1番と5番は、単勝4番人気・10倍台の支持を受けながらも人気よりも着順が下回ったケースが見られた。

馬番別成績 【表4】

生まれの早さにこだわる必要なし

成長途上の2歳戦では、生まれの早さはどのくらい影響するのか。当レース過去2回では1月生まれと3月生まれが勝っており、早く生まれた方が有利なデータとなっている。[表5]
しかしながら、9月~10月に実施される九州ジュニアチャンピオンでは勝ち馬は1月~5月生まれ。[表5-1]
たしかに1月生まれは両データで勝率100%ではあるが、これだけ早く生まれる馬はそもそも少ない。また、[表5-1]では生まれの早さと好走率が綺麗に比例しておらず、そこまで気にしなくていいだろう。

誕生月別成績 【表5】

九州ジュニアチャンピオン3着以内が優勢

同舞台で行われる九州ジュニアチャンピオンは当レースにも繋がりやすい一戦。九州ジュニアチャンピオンで3着以内に入った馬は3着内率60%を誇る。
一方、通算2勝以上の馬は3着内率0%。着実に勝利を積み重ねてステップアップしているように思えるが、重賞好走組の方が一枚上ということか。
なお、「2勝以上」の組には九州ジュニアチャンピオン3着以内の馬は除外した。
(2勝以上かつ九州ジュニアチャンピオン4着以下、または2勝以上で九州ジュニアチャンピオン不出走が対象)

キャリア別成績 【表6】

データからの推奨馬は?

①1番人気
②先行馬
③前走の上がり3ハロンが39秒未満
④九州ジュニアチャンピオン3着以内


サキドリトッケンは九州ジュニアチャンピオンの勝ち馬。2着馬が勝負所からインをロスなく回ったのに対し、こちらは外から勢いよく脚を伸ばして、上がり3ハロン38秒3で差し切り勝ち。今回は3走前に騎乗して勝った渡邊竜也騎手が笠松から駆け付ける。
これまでの2勝は大外枠だったため、内枠の今回がどうかだが、前走は3着以下を3馬身離しており、力は上。
①③④に当てはまる。

九州ジュニアチャンピオン2着のトリトンテソーロも力上位。
前走は出遅れた後、馬群につけたところで幼さを見せていたため、こちらも最内枠克服が一つのポイントとなりそう。それでも上がり3ハロン38秒4の脚を使っており、データ的には推奨できる。③④に該当。

有力馬2頭が九州ジュニアチャンピオンで差しに構えたのに対し、モーモーゴールドは先行して3着。その後も特別戦で勝利を挙げている。その前走は3番手につけて上がり3ハロン37秒5。序盤がスローペースで、勝ちタイムも九州ジュニアチャンピオンには及ばないが、この上りの脚を使えた点は強みだ。
②③④に当てはまる。

カシノアミュレットは1勝馬に加え、九州ジュニアチャンピオンでは5着だったが、前走・特別戦の上がりが37秒9で2着。3着争いに加わっても不思議ない。

第3回 ネクストスター佐賀 【出馬表】


文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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著者プロフィール

佐賀競馬は九州唯一の地方競馬場として主に土日に競馬を開催しています。注目の重賞情報やイベント情報など、佐賀競馬のニュースを日々お届けいたします。

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