【柏レイソル】東洋大4年山之内佑成 堂々デビュー「2025Reysol Report Vol.19」

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  東洋大学から柏レイソル来季加入が内定している、特別指定選手の山之内佑成がデビューを果たした。デビュー戦となった第33節の横浜F・マリノス戦は、試合終盤での出場となったが、先日のYBCルヴァンカップ準決勝第1戦では、後半のスタートから投入され、レイソルが流れを引き寄せる一因となった。

「彼は通常左サイドでプレーする選手ですので、慣れていないポジションにもかかわらず、彼の貢献度もあり、右サイドの攻撃が活性化しました。難しい試合展開、プレッシャーのかかる中で素晴らしいパフォーマンスを披露してくれたと思います」(リカルド・ロドリゲス監督)

日立台デビュー戦では終了間際の出場で勝利に貢献した山之内(左) 【©️KASHIWA REYSOL】

 指揮官は高い評価を与えた。しかし山之内自身は、自分のプレーに満足していなかった。
「個人的にはちょっと慎重になりすぎて、パスを選択するところがあったので、シュートを打てる場面で打たなくてチャンスを逃したという後悔があります」(山之内)

 無理もない。期待の若手有望株とはいえ、プロでの出場はまだ2試合目。東洋大学との活動と並行しての練習参加であり、シーズンのスタートから常時レイソルでプレーしているわけではない。連携面も含めて難しい立場であるが、それでもリカルド監督の言葉どおり右サイドを活性化させた。フロンターレ戦の自分のプレーに満足できなかったという心情は、むしろ「まだまだやれる」という山之内の高い意識の表れでもある。

 彼は右利きだが、左サイドを主戦場とする選手だ。だがレイソルでは、今のチーム事情もあって右サイドを務めている。この慣れないポジションに対しても、山之内は「新たなチャンレンジ」と言い、このチャレンジが自分のさらなる成長につながると前向きに捉えている。

6月の天皇杯では加入内定先のレイソル相手に鮮烈ゴールを見舞った 【©️KASHIWA REYSOL】

 山之内が所属する東洋大学は、昨年度の全日本大学サッカー選手権大会で初優勝を飾り、今年は総理大臣杯でも優勝を成し遂げた。現在の大学サッカー界では頂点にいるチームである。そして天皇杯では、レイソル、アルビレックス新潟を下し、ラウンド16でヴィッセル神戸に敗れはしたものの、昨季のJリーグ王者に対して1−2という惜敗だった。山之内は特別指定の若い選手ではあるが、キャプテンとして東洋大学を牽引し、数々のトーナメントで結果を残してきた実績と経験がある。

 高い技術や優れた個人戦術を持っていても、対戦相手をリスペクトしすぎるあまり、腰が引けてしまっては、その能力をフルに発揮することはできない。ただ、山之内は頼もしいメンタリティーを持っており、今回の第2戦のポイントを聞いてみると「ビビらずにチャレンジすることが重要」と言う。

準決勝第1戦では後半頭からピッチへ。慣れない右サイドでも及第点のプレー 【©️KASHIWA REYSOL】

 若い選手の思いきりの良いプレーは、ときに爆発的な力を生み出すことがある。例えばレイソルが初めてタイトルを獲得したルヴァンカップの前身である1999年のヤマザキナビスコカップ優勝時。この時のレイソルは、北嶋秀朗、明神智和、平山智規、南雄太、大野敏隆、砂川誠といった多くの若手で構成された経験の少ないチームだった。決勝戦は五輪代表に召集された明神と南が不在だったが、勝ち上がりの経緯を含めて新進気鋭の若手がもたらした勢いが、タイトル獲得につながったのは間違いなかった。

 山之内は、チームにそんな勢いをもたらせる若手の一人である。決勝進出には2点差の逆転が必要なこの大事な試合、そこで自分がプレーすることを考えると「ワクワクします」と笑顔を見せて言うのだから、なんとも頼もしいメンタリティーである。
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著者プロフィール

1940年に母体となる日立製作所サッカー部が創部、1995年にJリーグに参戦。1999年ナビスコカップでクラブ史上初タイトルを獲得。ネルシーニョ監督のもと、2010~2011年には史上初となるJ2優勝→J1昇格即優勝を成し遂げる。さらに2012年に天皇杯、2013年に2度目のナビスコカップ制覇。ホームタウンエリアは、柏市、野田市、流山市、我孫子市、松戸市、鎌ケ谷市、印西市、白井市の東葛8市。ホームスタジアムは、柏市日立台の「三協フロンテア柏スタジアム」。主な輩出選手は、明神智和、酒井宏樹、中山雄太。

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