「残り一戦一戦に魂込めて」ムードメーカーの裏にある覚悟 クリアソン澤井直人の“真面目な素顔”

クリアソン新宿
チーム・協会
 4シーズン目を迎えた澤井。シーズン前半は出場機会に恵まれなかったが、18節の横河戦に左サイドバックで出場。主導権を持って、ゲームを進める、今のクリアソンのスタイルにスイッチするきっかけとなった試合だったが、そこには澤井の存在があった。ムードメーカとしての印象が強いが、いかにクリアソンを前に進めるか、どんなポジションでも結果を出せる準備をしている彼の心中に迫った。

【©Criacao 2025】

―左サイドバックに主戦場を移しましたが、どんなことを考えていますか?
 まずは守備のところを意識しています。最終ラインにいると、一つのミスが失点に直結するので。特に、マッチアップするサイドハーフの選手は、相手のチームにとってストロングポイントであることが多い。例えばドリブルで仕掛けるのが得意だったり、特徴ある選手ばかりです。いかにそこを抑えられるかを考えています。
 中盤で出場していたとき、守備に苦手意識はなかったんですが、最終ラインだと勝手が違うので難しさはありました。でも、練習からトライしているところです。まず守備ができた後に、僕に求められている攻撃のところで強みを発揮するイメージです。
―様々なフォーメーション、ポジションで適応できる印象です。
 クリアソンに来てから、ポジションは色々なところをやらせてもらいました。センターフォワードもセンターバックもやった。特段「頑張ろう!」というより、自分にできることは普段から整理しているつもりなので、あまり気負わずにやっています。基本的に右だったので、左右が変わったのは少し違いを感じてはいます。
 自分は特徴がある選手ではありません。周りの選手と繋がってプレーして「直人がいたらありがたい」と思ってもらえる存在になりたいと思っています。味方を繋げる選手になりたい。
 夏の中断前後でチームの戦い方も変わって、より自分の良さを出しやすくなりました。左サイドバックは、これまでマサキ(上野)、セグくん(瀬川)、ユウヤ(相澤)と特徴のある選手がつとめていたので、自分が出たのであれば、自分の良さを出さないといけないなと思っています。

【©Criacao 2025】

―「周りの選手と繋がる」とは、具体的にどんなことを意識しているんですか?
 相手とボールを見ることは当たり前なんですが、僕は味方とスペースを見ることを意識しています。さらに味方だけ見ていても、スペースにボールを運べないし、スペースだけ見ていても味方と被ってしまう。ビルドアップのときも、次に出す味方、次に出すスペースをイメージして声をかけています。
―チームのやり方が変わったという話がありましたが、どのように感じていますか?
 昨シーズンの初め、なるべく相手に主導権を渡さず攻撃し続けるサッカーにチャレンジしたけど、なかなか勝てなかった。リスクを減らしたサッカーをして終盤にやっと手応えが掴めた。今シーズンはそのスタイルを継続しつつ、新加入選手が来て、チームのレベルが一つ上がった中で、どうすれば自分の特徴が出せるかを考えていました。
 一生懸命やったけど、試合に出られず苦しい時期もあったんですが、僕はそういう時間も大事にしています。その時期は、自分を見つめ直す機会になりました。
 チームでは、キタジさん(監督 北嶋)がいろんなアイデアを提示してくれて、チームとしての戦術が削ぎ落とされていって、今の感じになっています。順位的には難しいですが、チームとしてやりたいことが出せているし、自分も出場機会が増えて、周りに助けてもらいながらですが、やりたいことがやれていて楽しいです。

【©Criacao 2025】

―シーズンも終盤、澤井選手は自身の役割はどんなところにあると思いますか?
 キャラクター的には、いじってもらっている方がやりやすいんです(笑)。自分のキャラとか役割に徹している感じです。自分がいじってもらって周りが明るくなるなら、それは自分流でチームを前に進めているということなので。でも僕は実はは真面目なので、色々と考えてます(笑)。
 自分は、クリアソンはどうなっていくべきなのか。もちろん選手としては勝つこと、カテゴリーを上げる、クラブの価値を上げることが一番です。これだけ素晴らしいクラブだからこそ、そこの結果からは逃げちゃいけないと思っています。
 ただ、他のクラブだと、試合に出られなくなるとすぐに「あの選手何しているのかな」となってしまう。クリアソンは、ピッチ以外でも輝く場所があるのが良いところです。僕は選手とビジネスをやって4年目になります。それぞれで経験したことを活かす。試合に出ていなくても、全員が何かしらのところでクラブに貢献する、パートナーの人、地域の人のために何ができるのかを考える、そうしていかないとダメだと思います。

※10月11日・第24節 vs Y.S.C.C.横浜 マッチデープログラムより
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著者プロフィール

2005年に大学サークル仲間で結成。「創造」を意味するクラブ名の通り、「サッカーを通じて感動を創造し続ける存在でありたい」が理念。2021年にJFL昇格。新宿区などと連携し地域課題に取り組む。2024年には国立競技場でJFL最多の16,480人を動員。

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