「残り一戦一戦に魂込めて」ムードメーカーの裏にある覚悟 クリアソン澤井直人の“真面目な素顔”
まずは守備のところを意識しています。最終ラインにいると、一つのミスが失点に直結するので。特に、マッチアップするサイドハーフの選手は、相手のチームにとってストロングポイントであることが多い。例えばドリブルで仕掛けるのが得意だったり、特徴ある選手ばかりです。いかにそこを抑えられるかを考えています。
中盤で出場していたとき、守備に苦手意識はなかったんですが、最終ラインだと勝手が違うので難しさはありました。でも、練習からトライしているところです。まず守備ができた後に、僕に求められている攻撃のところで強みを発揮するイメージです。
クリアソンに来てから、ポジションは色々なところをやらせてもらいました。センターフォワードもセンターバックもやった。特段「頑張ろう!」というより、自分にできることは普段から整理しているつもりなので、あまり気負わずにやっています。基本的に右だったので、左右が変わったのは少し違いを感じてはいます。
自分は特徴がある選手ではありません。周りの選手と繋がってプレーして「直人がいたらありがたい」と思ってもらえる存在になりたいと思っています。味方を繋げる選手になりたい。
夏の中断前後でチームの戦い方も変わって、より自分の良さを出しやすくなりました。左サイドバックは、これまでマサキ(上野)、セグくん(瀬川)、ユウヤ(相澤)と特徴のある選手がつとめていたので、自分が出たのであれば、自分の良さを出さないといけないなと思っています。
相手とボールを見ることは当たり前なんですが、僕は味方とスペースを見ることを意識しています。さらに味方だけ見ていても、スペースにボールを運べないし、スペースだけ見ていても味方と被ってしまう。ビルドアップのときも、次に出す味方、次に出すスペースをイメージして声をかけています。
昨シーズンの初め、なるべく相手に主導権を渡さず攻撃し続けるサッカーにチャレンジしたけど、なかなか勝てなかった。リスクを減らしたサッカーをして終盤にやっと手応えが掴めた。今シーズンはそのスタイルを継続しつつ、新加入選手が来て、チームのレベルが一つ上がった中で、どうすれば自分の特徴が出せるかを考えていました。
一生懸命やったけど、試合に出られず苦しい時期もあったんですが、僕はそういう時間も大事にしています。その時期は、自分を見つめ直す機会になりました。
チームでは、キタジさん(監督 北嶋)がいろんなアイデアを提示してくれて、チームとしての戦術が削ぎ落とされていって、今の感じになっています。順位的には難しいですが、チームとしてやりたいことが出せているし、自分も出場機会が増えて、周りに助けてもらいながらですが、やりたいことがやれていて楽しいです。
キャラクター的には、いじってもらっている方がやりやすいんです(笑)。自分のキャラとか役割に徹している感じです。自分がいじってもらって周りが明るくなるなら、それは自分流でチームを前に進めているということなので。でも僕は実はは真面目なので、色々と考えてます(笑)。
自分は、クリアソンはどうなっていくべきなのか。もちろん選手としては勝つこと、カテゴリーを上げる、クラブの価値を上げることが一番です。これだけ素晴らしいクラブだからこそ、そこの結果からは逃げちゃいけないと思っています。
ただ、他のクラブだと、試合に出られなくなるとすぐに「あの選手何しているのかな」となってしまう。クリアソンは、ピッチ以外でも輝く場所があるのが良いところです。僕は選手とビジネスをやって4年目になります。それぞれで経験したことを活かす。試合に出ていなくても、全員が何かしらのところでクラブに貢献する、パートナーの人、地域の人のために何ができるのかを考える、そうしていかないとダメだと思います。
※10月11日・第24節 vs Y.S.C.C.横浜 マッチデープログラムより
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